新潮社は19日、作家・五木寛之の最新エッセイ集『時には大河の流れにさからって』を新潮新書から発売した。新書版ソフトカバーで、定価は990円。
同書は、戦争によって混沌とする世界やAIの進化、高齢社会などを題材に、94歳の五木が日々の思いをつづった33話を収録する。書名には、ときに迂回や逆流をしながらも生命を全うするという考えが込められている。
収録テーマは「AI時代の“名人”」「AIの時代、未来への予感」「半世紀むかしのコンピューター談義」「携帯という怪物」「高齢社会への覚悟」「倍速の時代に」など。技術や社会の変化から、健康、昭和の記憶、歌謡曲まで幅広く扱う。

五木は本文で、人生の残り時間が過ぎる音を日々聞いているような実感があり、それも悪くない日常だと述べた。その上で「ときには大河の流れに逆らって、浅瀬を歩いたりしてもいいのではあるまいか」とコメントしている。
五木は1932年に福岡県で生まれた。『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、『青春の門 筑豊篇』などで吉川英治文学賞、『親鸞』で毎日出版文化賞を受賞している。『大河の一滴 最終章』などの著書もある。


