K-POPガールズグループが日本に進出する。
そう聞けば、韓国で築いた人気やスタイルをそのまま持ち込み、日本語曲やイベントで市場を広げていく姿を思い浮かべる人が多いだろう。
だが、ガールズグループLIGHTSUM(ライトサム)が選んだ道は少し違う。
彼女たちは日本で“売ろう”としただけでなく、日本で一度、自分たちそのものを“作り直そう”としているように見える。
2021年に韓国でデビューしたLIGHTSUMは今年9月、日本ミニアルバム『Re:idol』を発売し、改めて日本でスタートを切った。
衣装やメイク、楽曲、ファンとのコミュニケーション方法まで、日本活動に合わせて大きく変化した。日本メディアからは「K-POPアイドルから日本式アイドルに転向」とまで紹介された。
一見すると大胆すぎる方向転換だ。しかし、その背景を知れば、この変化が単なる海外向けコンセプトではないことが見えてくる。
デビュー5年、それでも“精算金0円”

LIGHTSUMはサンア、チョウォン、ナヨン、ジュヒョン、ユジョン、日本人メンバーのヒナからなる6人組だ。
2021年6月にCUBEエンターテインメントからデビューし、『Vanilla』『VIVACE』『ALIVE』などで活動してきた。
ただ、その歩みは順風満帆とは言い難かった。
メンバー全員がそろった“完全体”としての新譜には約2年の空白が生まれ、日本再デビューまでの過程を追ったABEMAのドキュメンタリー『Re:Idol』では、デビュー5年目にもかかわらず「精算金0円」という現実まで明かされた。
ナヨンは空白期間について「耐えるのが大変だった。心が折れそうになったことも、精神的につらかった時期も多かった」と振り返っている。
日本人メンバーのヒナも「両親と離れて暮らしているのに、アイドル活動もできていないという気持ちになり、落ち込む瞬間もあった」と語った。
だからこそ、日本再デビューは単なる海外進出ではなかったのだろう。

このまま活動が止まったままでいるのではなく、もう一度動き出す。その転機として提示されたのが、日本での再出発だった。
K-POPの“正解”を、日本でいったん崩した
その変化は徹底している。
タイトル曲『どうして』では、フリルやリボンを取り入れた衣装、“カワイイ”を前面に出したコンセプトを採用。魔法少女コンセプトの振り付け映像まで公開した。
プロモーションでも、ミニライブやハイタッチ会、個別サイン会に加え、日本のアイドル文化でなじみ深いツーショット撮影会まで実施している。
ABEMAの番組では、日本式のアイドルメイクやあいさつを学ぶ様子も公開された。日本メディアが「日本式アイドルへ転向」と表現したのも無理はない。
ただし、LIGHTSUMはK-POPを捨てて日本のアイドルになったわけではない。所属は今もCUBEエンターテインメントで、韓国での活動も続く。
むしろ、日本式アイドルの文法を借りながら、LIGHTSUMというグループを一度組み直していると見る方が近いかもしれない。

メンバー自身にも変化があった。
サンアは「韓国では決められた枠の中で完璧な姿を見せようとしていたが、日本ではもっと自由に、リラックスしてファンとコミュニケーションを取ることに重点を置くようになった」と話している。
つまり変わったのは服装や楽曲だけではない。
「アイドルとしてどうステージに立つのか」という考え方そのものまで、日本活動を通じて見直しているのだ。
“作り直した”LIGHTSUMに反応が返ってきた
そして、その挑戦には少しずつ数字もついてきた。
『どうして』はYouTube Music日本のデイリーチャート3位、ショート人気曲6位を記録。日本ミニアルバム『Re:idol』もオリコン週間アルバムランキング20位に入った。
10月からはFM大阪で冠番組『LIGHTSUMのRe:Radio』もスタート。12月28日には東京・Spotify O-EASTで、日本デビュー後初となるショーケースを2公演開催する予定だ。

メンバー自身も変化を感じている。
チョウォンは、停滞していたSNSのフォロワー数や再生回数が再び動き始め、「私たちがまた何かをしているんだという実感が湧いた」と思いを明かしている。
ブレイクと呼ぶにはまだ早い。
それでも、止まっていた数字や反応が再び動き始めたことは、長い空白を経験したLIGHTSUMにとって小さくない変化だろう。
そして韓国でも、再び歯車が回る
さらに興味深いのは、日本での再デビューと重なるように韓国活動にも動きが出ていることだ。
LIGHTSUMは10月22日、Mnet『M COUNTDOWN』に約2年ぶりに完全体で出演する予定だ。
日本で成功したから韓国へ“凱旋”するとまでいうのは早いかもしれないが、韓国で活動が停滞していたグループが、日本でコンセプトも活動方法も作り直し、そのタイミングで韓国でも再び完全体としてステージに立つ。この流れは興味深い。

多くのK-POPグループは、韓国で築いた活動基盤をもとに日本へ進出する。LIGHTSUMは、その定番ルートとは少し違う道をたどろうとしているようにも見える。
韓国で止まりかけた歯車を、日本で一度組み直し、もう一度韓国でも回し始める。日本は彼女たちにとって、単なる海外市場ではなく、“再起動する場所”になったのかもしれない。
LIGHTSUMのメンバーたちは以前、「何者にもなれず消えていくよりも、後から振り返ったときに『あんなに一生懸命生きていたんだな』と思ってもらえるような、記憶に残る存在になりたい」と語っていた。
日本で一度、自分たちがどんなアイドルなのかを作り直した。
その結果として韓国でも再び歯車が回り始めているのだとすれば、『Re:idol』というタイトルほど、今のLIGHTSUMを正確に表す言葉はない。
■【写真】LIGHTSUM・チョウォン、眩しすぎる大胆美ボディ


