世界1位なのに、韓国では50位。韓国1位なのに、アメリカでは100位圏外。
いったい、どちらが人気なのか。
K-POPに関連する音楽チャートを眺めていると、そんな疑問を抱きたくなる数字が並ぶことがある。
今回、その主役となったのが人気ガールズグループIVE(アイヴ)と、デビューしたばかりの新人グループA2O LITE(エーツーオーライト)だ。
もちろん、それぞれのランキングは集計方法も対象も異なるため、順位が一致しないこと自体は不思議ではない。
それでも「世界1位」「韓国50位」「アメリカ圏外」といった数字が次々に登場すると、何を基準に人気を判断すればいいのか、少々ややこしくなってくる。
世界1位のIVEが、韓国では50位
まず注目を集めたのが、IVEの新曲『Looks Can Kill』だ。

10月19日に先行公開された同曲は、YouTubeのミュージックビデオ世界急上昇ランキングで1位を獲得。韓国、日本、イギリス、フランス、カナダ、ブラジルの6カ国でも首位に立ち、20日午前9時時点で計34カ国・地域のチャートにランクインした。
まさに世界的な注目を集める華々しいスタートだ。
ところが、韓国最大の音楽配信サービスMelonでは、少し違った数字が並んだ。
韓国メディア『スポーツ京郷』の10月21日付記事によると、『Looks Can Kill』は同日15時時点のMelon TOP100で50位だったという。
さらに興味深いのは、今年2月にリリースされたIVEのヒット曲『BANG BANG』が、その時点で52位だったことだ。リリースから8カ月が経過した楽曲と、公開されたばかりの新曲が、わずか2ランクしか違わなかったわけだ。
しかも『BANG BANG』は、Melonの週間チャートで6週にわたって1位を獲得し、デイリーチャートでも40日間首位を守ったヒット曲だ。それだけに、今回の新曲がTOP100の50位前後で推移していることは、意外な結果として受け止められた。

もっとも、韓国の音楽配信サービスすべてで同じ傾向が見られたわけではない。例えば、20日午前9時時点のBugsリアルタイムチャートでは、3位を記録している。
YouTubeでは世界1位、Melonでは50位、Bugsでは3位。同じ楽曲でも、これほど異なる順位が並ぶのだ。
韓国1位のA2O LITE、アメリカでは圏外
IVEが50位だった同じ時間帯、Melon TOP100で1位に立っていたのが、10月13日にデビューしたばかりのA2O LITEだ。
SMエンターテインメントの創業者として知られるイ・スマン氏が手がけた9人組ガールズグループで、デビュー曲『NEON』は公開からわずか29時間でMelon TOP100の1位に到達。新人のデビュー曲として異例のスピードで頂点に立った。

しかも韓国だけではない。
Apple Musicの世界ランキングでも最高6位を記録し、韓国、中国、台湾、香港、マカオなど、アジアを中心に上位を席巻した。
これだけ見れば、韓国国内だけでなく、世界でも大きな注目を集めている新人ということになるだろう。
ところが、こちらも別の数字が話題となった。
10月18日付の『スポーツ京郷』によると、『NEON』は17日時点でもApple Music世界ランキングで7位だった一方、アメリカではTOP100圏外だったという。
同じ日の世界TOP10に入ったほかの9曲は、いずれもアメリカでも26位以内にランクインしていたそうだ。『NEON』だけが大きく異なる順位の分布を示したことになる。
この現象をめぐっては、韓国のSNS上でチャート成績を不自然だと指摘する声も上がり、一部で疑問が広がった。
ただし、世界ランキングの上位に入ったからといって、アメリカでも人気がなければならないという決まりはない。
実際、A2O LITEは韓国や中国、台湾など、アジアの複数の地域で上位にランクインしている。世界ランキングとアメリカでの順位に差があるからといって、それだけで不自然な成績と判断することはできない。

「世界1位」だけでは人気がわからない?
そもそも音楽チャートと一口に言っても、YouTubeのミュージックビデオ急上昇ランキングもあれば、Apple Musicの楽曲ランキング、Melonの音源チャート、日本のオリコンランキングなど、それこそ多種多様だ。
しかも集計対象や仕組みが異なるため、順位に大きな差が生まれること自体は不思議ではない。
それでも、「世界1位」「韓国1位」といった数字は華々しく紹介される。チャートがこれだけ多様化している以上、どのランキングを取り上げるかによって、同じ楽曲でも印象は大きく変わってくる。
ミュージックビデオの話題性、音楽配信サービスでの再生動向、国や地域ごとの人気。それぞれに意味はあるが、どれか一つでアーティストの人気すべてを説明できるわけではない。
世界1位でも韓国では50位。韓国1位でもアメリカでは圏外。数字だけを並べれば矛盾しているように見えても、その背景には異なる集計方法やファン層、地域ごとの音楽市場が存在する。
K-POPが世界規模の人気を獲得した今、その勢いを示すランキングも実に多種多様になった。
もはや「世界1位」という言葉だけでは、何の世界1位なのかを確かめなければ、人気の実態が見えてこない時代なのかもしれない。


