中国発の真偽不明の噂がSNSで拡散され、ファンは所属事務所の前でトラックデモを実施した。
そして、ついには事務所が強硬な法的対応を宣言する事態となった。
5人組ボーイズグループTOMORROW X TOGETHER(TXT)のスビンをめぐり、異例の騒動が起きている。
10月22日、所属事務所BIGHIT MUSICは、悪質な噂や投稿への法的措置を発表。これまで公式な言及を控えていた理由についても説明した。
興味深いのは、ファンが事務所に早急な対応を求めていた一方、事務所はアーティストを守るため、あえて公式な言及を控えていたという構図だ。
いったい何が起きていたのか。
中国発の噂が拡散

騒動の発端となったのは、中国のSNSやオンラインコミュニティなどで広がった、スビンの私生活に関する真偽不明の情報だった。
ネット上では、スビン本人とされる画像や動画が出回り、ある男性インフルエンサーとの関係をめぐる憶測が拡散された。
さらに、その男性がライブ配信で、問題の画像は自分が撮影した動画の一場面だったなどと説明したという情報まで登場。SNSでは、発言の真偽をめぐってさまざまな反応が寄せられた。
ただし、画像や動画に映っている人物が本当にスビンなのか、男性の説明が事実なのかは確認されていない。
それでも、噂の拡散は止まらなかった。
10月21日には、男性インフルエンサーの発言を紹介し、BIGHIT MUSICに対応を求めるX投稿が360万回以上表示された。翌22日には、中国語で「顔を公開して証拠まで出した」「お願いだからスビンではないと言って」と訴える投稿が登場。こちらは670万回を超える表示を記録した。
もちろん、表示回数の多さが情報の信憑性を示すわけではない。むしろ、真偽が確認されないまま、刺激的な投稿だけが広範囲に拡散していく状況が生まれていた。
ファンはトラックデモに踏み切った
こうした状況に対し、ファンも行動を起こした。
10月20日、中国のスビンのファン団体「CHINA SOOBIN BAR」は、同日から21日にかけてHYBE本社前でトラックデモを実施すると発表。目的は、スビンへの悪質な中傷に対する所属事務所の対応を求めることだった。
当日に公開された写真には、電光掲示板を搭載した複数のトラックが並ぶ様子が収められている。

掲示板には「悪意ある噂が広がり、名誉が傷つけられている」「会社は知らん顔、ファンだけが必死」「スビンへの法的な保護はどこにあるのか」といった抗議の言葉が映し出されていた。
一方、別のトラックには「スビンは太陽のように私たちを照らしてくれるから、私たちもスビンを温かく照らしてあげる」といった応援メッセージも掲げられた。
ファンは悪質な噂からスビンを守るため、事務所にもっと積極的に対応してほしいと訴えていた。

しかし、その時点ではBIGHIT MUSICから今回の騒動について、具体的な公式説明は出ていなかった。ファンにとっては、その“沈黙”こそが不満を募らせる理由の一つだったと考えられる。
ところが、事務所側にも沈黙を続けてきた理由があった。
事務所が“沈黙”していた理由とは?
BIGHIT MUSICは10月22日、ファンコミュニティ「Weverse」を通じ、所属アーティストへの悪質な噂や投稿に対する公式声明を発表した。
同社は、海外SNSやオンラインコミュニティで虚偽の情報や悪意ある噂が無差別に広がっていることを確認し、社内で必要な措置を進めてきたと説明した。

そして、これまで個別の公式見解を出さなかった理由を、次のように明かした。
「これまで、事実と異なる噂や悪質な投稿について、公式に言及することでかえって不必要に再拡散される事態を防ぐため、個別の告知や言及を控えてきた」
つまり事務所は、公式に言及することで、かえって噂を広めてしまう危険を避けようとしていたというのだ。
しかし「カムバックを前に、アーティストを貶める目的の悪質なうわさや投稿が深刻な水準に達していると判断し、アーティストの権益を守るため、追加の対応措置を講じることをお知らせする」と付け加えた。
また、国内外のプラットフォームで証拠を収集しており、投稿者に対しては情状酌量や和解をせず、厳正な法的措置を取ると宣言。ファンにも悪質な投稿の通報や情報提供を呼びかけた。
ただし、今回の声明はTXT全体に関するものであり、スビン個人の名前や、ネット上で広がった画像・動画の真偽について具体的に説明したものではない。そして、ファンのトラックデモを受けて声明を発表したとも明言していない。この点は区別する必要がある。

TXTは11月16日、9枚目のミニアルバム『PERFECT STORM』でカムバックする予定だ。事務所が新たな対応を打ち出した背景には、大切な活動を控えたアーティストを守るという事情もあるのだろう。
もっとも、法的措置を宣言したからといって、拡散された噂がすぐに消えるわけではない。
今回の騒動で浮かび上がったのは、アーティストを守るための対応をめぐる、ファンと事務所の考え方の違いだ。
ファンは早急な公式対応を求め、事務所は噂の再拡散を防ぐために個別の言及を控えていた。守りたいという目的は同じでも、その方法は異なっていたわけだ。
そして、事務所がついに強硬な法的対応を宣言したことで、事態は新たな局面を迎えた。
11月のカムバックを前に、BIGHIT MUSICの対応が拡散した噂の収束につながるのか。今後の動向が注目される。
◇スビン プロフィール
2000年12月5日生まれ。本名チェ・スビン。歌手を目指したきっかけは、中学生時代に友人と学園祭でダンスを披露したこと。その後、中学3年生のときに以前からファンであったBTSの所属するBig Hitエンターテインメントのオーディションに応募。一次審査を通過するものの、書類に明記した電話番号に誤りがあり担当者からの連絡が大幅に遅れた。そのため十分な準備期間なく二次審査に臨んだが、無事に合格し同事務所の練習生となった。2019年にTXTのメンバーとしてデビューし、グループではリーダーを務めている。シャープな童顔が印象的だが身長は185cmと高く、好青年ビジュアルがたびたび話題となる。
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