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アカデミー賞4冠でも上場廃止危機…『パラサイト』制作会社が直面した現実、Kコンテンツはなぜ儲からない?

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アカデミー賞4冠でも上場廃止危機…『パラサイト』制作会社が直面した現実、Kコンテンツはなぜ儲からない?
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アカデミー賞を取っても、会社の将来は安泰ではない。

韓国映画『パラサイト 半地下の家族』の制作会社バルンソンE&Aが、上場廃止の危機に追い込まれている。

【写真】突然この世を去った『パラサイト』俳優

10月23日付の韓国紙『朝鮮日報』などによると、韓国取引所は同社に上場廃止事由が発生したとして、23日から株式の売買を停止した。

『パラサイト』といえば、2020年のアカデミー賞で作品賞など4冠を達成し、韓国映画の歴史を塗り替えた作品だ。その制作会社が、わずか6年後に株式市場から姿を消す危機に直面したというのだから驚きだ。

もっとも、直接の原因は株価が1000ウォンという上場維持基準を満たせなかったことにあり、上場廃止が確定したわけではない。

それでも、このニュースは一つの疑問を投げかける。

世界中で人気を集め、数々のヒット作を生み出すKコンテンツ。その成功は、作品を作った会社にも十分な利益をもたらしているのだろうか。

世界的ヒット作でも、制作会社は赤字?

『パラサイト 半地下の家族』
(画像提供=バルンソンE&A)『パラサイト 半地下の家族』

実は韓国では、Kコンテンツの世界的な成功とは裏腹に、制作会社の厳しい経営状況が問題視されている。

韓国経済誌『毎経エコノミー』は10月16日、「好調なKコンテンツ、なぜ儲からないのか」と題した記事を掲載。制作費の高騰や投資環境の悪化、収益配分の問題など、韓国コンテンツ産業が抱える矛盾を詳しく取り上げた。

なかでも興味深いのが、世界的なヒット作を手がけた制作会社の業績だ。

例えば、2025年にNetflixで配信され、世界的な人気を集めたドラマ『おつかれさま』。IUとパク・ボゴムが主演し、Netflixの非英語テレビ部門グローバルトップ10に9週間ランクインした話題作だ。

ところが、制作を手がけたパンエンターテインメントの2025年の売上高は約351億ウォン(約41億5000万円)だった一方、営業損失は約42億ウォン(約5億円)に達したという。

また、『キングダム』『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』などで知られる制作会社エーストーリーも、2025年には70億ウォン(約8億3000万円)台の営業損失を記録したとされる。

もちろん、これらの数字は会社全体の業績であり、個々のヒット作品が赤字だったことを意味しない。それでも、世界的な代表作を持っているからといって、制作会社の経営が安泰になるわけではないことがわかる。

『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』
(画像提供=ENA)『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』

実際、韓国では制作費そのものも高騰している。『毎経エコノミー』によると、韓国のドラマ制作費は2020年から2023年にかけて約40%上昇した。出演料や人件費、撮影設備などの負担が増える一方、国内の放送局や映画市場から得られる収益は伸び悩んでいるという。

作品の規模は大きくなり、世界での知名度も高まった。しかし、制作会社にとっては、それだけ経営上の負担も重くなっているのだ。

韓国で売上1兆ウォン超、利益は誰の手に?

では、世界的な人気を背景に拡大するKコンテンツ市場で、利益はどのように分配されているのか。

この問題を考えるうえで興味深いのが、10月14日付の『聯合ニュース』の報道だ。

『聯合ニュース』は10月14日、「Netflix、韓国での売上高が初の1兆ウォン突破…81%は米国本社へ」と題し、世界最大級の動画配信サービスが韓国で上げた収益に注目した。

韓国国会議員がNetflix韓国法人の監査報告書を分析したところ、2025年の韓国内売上高は1兆542億ウォン(約1247億7000万円)に達し、初めて1兆ウォンを突破した。

ところが、そのうち8539億ウォン(約1010億4000万円)、実に81%に相当する金額が、会員サービスの購入対価などとしてアメリカ本社へ支払われていたという。

韓国法人の営業利益は203億ウォン(約24億円)、営業利益率はわずか1.9%だった。

ただし、アメリカ本社への支払額がそのままNetflixの利益になったわけではない。また、この数字は制作会社への支払額を示すものでもない。

『おつかれさま』
(画像提供=Netflix)『おつかれさま』

問題は、それとは別に存在する制作会社との契約構造だ。

『聯合ニュース』によると、Netflixのオリジナル作品では、プラットフォーム側が多額の制作費を負担する代わりに、作品の知的財産権(IP)を保有する契約が一般的だという。韓国のハン・ジュノ国会議員は、こうした契約では制作会社が得る利益が制作費の3~10%程度にとどまることが多いと指摘した。

つまり、制作したドラマが世界的な大ヒットを記録しても、契約によっては制作会社が追加の利益を十分に得られないのだ。

もちろん、制作費を負担してもらい、一定の利益を確保できることは制作会社にとって大きなメリットでもある。作品がヒットしなかった場合でも、多額の制作費を回収できなくなるリスクを抑えられるからだ。

しかし、作品の成功によって生まれた価値が、次の作品に投資するための資金として制作会社に蓄積されにくいという課題も残る。

Kコンテンツが世界中で視聴される時代。その人気と、制作現場に残る利益が必ずしも比例していないというわけだ。

「次の作品を作れるか」

こうした収益構造の問題は、単に制作会社の経営だけにとどまらない。気になるのは、将来のKコンテンツに与える影響だ。

『毎経エコノミー』によると、韓国では制作費30億~80億ウォンの中予算映画が、コロナ禍以前の年間平均約30本から、コロナ禍後の3年間では年間平均19.7本に減少した。

投資家が有名俳優や人気原作を持つ大型企画を優先する一方、新人監督や脚本家が経験を積める中規模作品は、資金を集めにくくなっているという。つまり、次のヒット作を生み出すための土壌そのものが、弱くなりかねないのだ。

『パラサイト』のような世界的傑作も、突然生まれるわけではない。

『パラサイト 半地下の家族』
(写真提供=CJエンターテインメント)『パラサイト 半地下の家族』

監督や脚本家、俳優、制作スタッフがさまざまな作品に挑戦し、経験を積み重ねる。その積み重ねを支える制作会社と投資環境があってこそ、新たな才能や作品が育っていく。

もちろん、『パラサイト』制作会社の上場廃止危機と、Netflixをめぐる収益配分の問題は直接結びつくものではない。

それでも、両者が浮かび上がらせるのは、世界的なヒット作を生み出す力と、それを生み出した企業が安定して成長する力は、必ずしも同じではないという現実だ。

Kコンテンツの世界的な成功が当たり前のように語られる今だからこそ、問われるべきことがある。作品がどれほど評価されたかだけでなく、その成功が制作現場にどれほど還元されているのかということだ。

次の『パラサイト』を生み出すために必要なのは、世界を驚かせる才能だけではない。その才能が挑戦し続けられるだけの、経済的な土台なのかもしれない。

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《スポーツソウル日本版》

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