プロ参入初年度から賃金未払い問題が発生した。
韓国2部の坡州(パジュ)フロンティアFCだ。
韓国プロサッカー選手協会は10月23日、坡州フロンティアFCで選手給与の未払いが現実のものとなったことを受け、韓国プロサッカー連盟によるクラブ財政の管理・監督体制にも問題がなかったのか検証する必要があると主張した。
“給料半額”の異常事態
選手協会は「昨年の忠南牙山FCに続き、今年は坡州フロンティアFCでも賃金未払いが発生した。市民クラブ全体の財政運営を点検し、ずさんな経営を防ぐための改善策が必要だ」との立場を明らかにした。
今季から初めてプロリーグに参入した坡州は、かつてアトレティコ・マドリード、スウォンジー・シティ、アストン・ヴィラなどでプレーしたボルハ・バストンを獲得し、注目を集めていた。レアル・オビエド在籍時には、スペイン2部得点王にも輝いた実績を持つ。

しかし、クラブは現在、深刻な財政難に直面している。当初予算に組み込んでいた企業スポンサーからの収入を確保できず、10月分の選手給与を正常に支払えない事態となった。
選手協会によると、クラブは本来の給料日である10月20日の翌21日、手元資金が1億5000万ウォン(約1500万円)に限られていたことから、選手の年俸区分に応じて給与の50~70%のみを支給したという。
さらに、坡州市が追加の財政支援を拒否したことで、未払いとなっている残額だけでなく、今後の11月、12月分の給与約6億ウォン(約6000万円)についても、支給の見通しが極めて不透明だとされている。
大物FW獲得の裏で財政難
選手協会は、今回の問題についてクラブ側だけでなく、リーグを運営する連盟側にも責任があると指摘した。
今季からKリーグに参加したクラブが、シーズン終了前に賃金未払いという重大な問題に直面したことから、リーグ加盟時の財務審査が十分だったのか疑問が残るという立場だ。
選手協会は「クラブ運営の第一義的な責任は当然クラブにあるが、プロリーグへの加盟を承認し、各クラブの財務健全性を管理する連盟も責任から自由ではない」と強調した。
選手協会のイ・グノ会長は「プロサッカークラブは選手と契約を結び、その契約に基づいて給与を支払えるだけの財政能力を備えていなければならない。これはプロクラブとして守るべき最も基本的な義務だ」と指摘。
続けて、「プロ参入初年度から給与支払いに問題が起きたということは、クラブの財政計画だけでなく、それを審査・承認した連盟の管理体制にも問題がなかったのか見直す必要がある」と述べた。
また、「選手もクラブの財政状況や苦境を無視することはできない。ただし、財政難を解決するためには、まずクラブ自身が合理的な予算編成と支出管理、安定した収入源の確保に取り組むべきだ。財政計画が狂ったことを理由に義務を果たさず、選手側に被害を与える状況が繰り返されてはならない」と訴えた。
市民クラブは地域を本拠地とし、プロサッカーの裾野を広げるだけでなく、地域の若手選手に成長の目標を示し、選手たちにプロの舞台でプレーする機会を提供してきた。
特に、地域社会とプロサッカーをつなぎ、選手育成の場を広げるという点で、市民クラブは韓国サッカー界の重要な一翼を担っている。
一方で選手協会は、市民クラブがこうした役割を安定して果たすためには、地方自治体からの財政支援だけに依存する運営から脱却し、自主財源を拡大するとともに、財政規模に見合った合理的なクラブ運営を定着させる必要があると指摘した。
選手協会、リーグ側にも苦言
イ・グノ会長は「市民の税金や地域社会からの支援で運営されるクラブである以上、限られた財源を効率的に使い、財政運営の透明性を確保することが何より重要だ」と述べた。
さらに、「クラブの財政規模を考慮しない無理な選手補強や、不確実なスポンサー収入を前提とした予算編成は、最終的にクラブ運営の不安定化につながる可能性がある。各クラブが自ら財務健全化に取り組み、長期的に安定して運営できる構造を構築する必要がある」と付け加えた。

選手協会のキム・フンギ事務総長も「選手は契約に基づいてトレーニングや試合に臨んでいる。クラブの収入見通しが外れたからといって、その負担を選手や職員に転嫁してはならない」と指摘した。
そのうえで、「給与の支払いが難しくなったと発表されてから対策を議論するのではなく、危険信号を事前に察知し、対応できる体制を整えるべきだ」と強調した。
選手協会は再発防止に向け、連盟が各クラブの財政状況を加盟時だけでなく、シーズン中も継続的に確認できる管理体制を整える必要があると要求した。
特に、クラブ加盟やクラブライセンス審査の際、単に予算上の収入・支出規模を確認するだけでなく、主要収入源を実際に確保できているのか、資金が予定通り入ってくる可能性があるのか、選手給与を支払う能力があるのかまで具体的に確認すべきだとしている。
また、クラブ側もスポンサー獲得の失敗や予想収入の減少に備えて予備資金を確保し、財政状況に応じて支出規模を調整するなど、独自のリスク管理策を講じる必要があるとした。
キム・フンギ事務総長は「韓国プロサッカーの発展のために新たなクラブの創設が必要な面もあるが、それ以上に重要なのは、すでに参加しているクラブが安定的に運営されることだ」と指摘。
「クラブ数を増やすことに集中するよりも、それぞれのクラブが長期的に存続できる財政基盤を整えることこそ、韓国プロサッカーの発展に向けた課題だ」と述べた。
選手協会は、市民クラブの財務健全性を確保することは、選手の権利を守るだけでなく、市民の税金を責任ある形で使用し、地域社会とプロサッカーがともに発展するために不可欠だと強調。
連盟と各クラブに対し、繰り返される財政難を重く受け止め、財政運営の改善と選手保護に向けた具体的な対策を講じるよう求めた。
(記事提供=OSEN)


