芸能人に突然向けられる疑惑。
それが報道やSNSを通じて広がり、本人が否定しても騒動は収まらない。
日本では10月28日、タレントのMattをめぐる疑惑が『週刊文春』で報じられ、本人と所属事務所が報道内容を否定する事態となった。
現時点で疑惑の真偽は明らかになっておらず、双方の主張が食い違っている。
一方、韓国でも疑惑の浮上直後から、主張が食い違う騒動があった。結婚したばかりのラッパーのヤン・ホンウォンに、不倫疑惑が浮上したのだ。
しかし今になって告発者は、「不倫だったのかは、正直よくわからない」と明かし、暴露の際に一部の嘘をついていたことまで認めたのだった。
一度世間に広がった疑惑は、後から訂正しても簡単には消えない。今回の騒動は、そんな無責任な暴露がもたらす問題を改めて浮き彫りにしている。
「不倫かどうかはわからない」告発者の告白
ヤン・ホンウォンは10月18日、長年交際してきたウォン・ヒョンジュさんと結婚式を挙げた。2人の間には娘もいる。

ところが、そのわずか5日後、知人の男性がSNSで結婚前の出来事をめぐる不倫疑惑を暴露した。
男性は、ヤン・ホンウォンが結婚前に別の女性と宿泊施設を訪れたと主張し、関連するメッセージや通話記録などを公開したのだ。
これに対し、所属事務所は、ヤン・ホンウォンが女性と宿泊施設に同行した事実こそ認めたものの、不適切な関係はなかったと反論。暴露内容には虚偽が含まれていると主張し、法的対応に乗り出した。
宿泊施設に同行した女性も、ヤン・ホンウォンとの不適切な関係を否定した。
双方の主張が対立するなか、10月29日に公開されたYouTubeチャンネル「グレイニュース」のインタビューで、告発者が騒動の経緯を語った。
それによると、告発者はヤン・ホンウォンと幼い頃からの知人で、最近30万ウォン(約3万円)を貸してほしいと頼んでいたという。しかし所属事務所側の弁護士から連絡を受け、その言動に腹を立てたことが暴露のきっかけだったと説明している。

そして、肝心の不倫について尋ねられると、「正直、よくわからない」と回答。2人が宿泊施設に入る姿は目撃したものの、室内で何があったかは知らないと認めた。さらに「所属事務所から金銭を受け取った」とするSNS投稿についても、注目を集めるための嘘だったと告白した。
事態が予想以上に大きくなったことについては「こんなことになるとは本当に思わなかった。とても申し訳ない」と謝罪。ヤン・ホンウォン本人と妻、娘にも謝罪の言葉を伝えた。
ただし、告発者が不倫疑惑そのものを虚偽だったと認めたわけではない。現時点で不倫の事実は確認されていない。
それでも、十分な確証がないまま疑惑を広め、注目を集めるために嘘まで交えていたという告白は、あまりにも無責任ではないだろうか。
キム・スヒョンも巻き込まれた
韓国芸能界では、虚偽の暴露が芸能人の活動に深刻な影響を及ぼした事例がある。
俳優キム・スヒョンも、その一人だ。

2025年、YouTubeチャンネル「カロセロ研究所」が、故キム・セロンさんが未成年だった当時、キム・スヒョンと交際していたなどと主張。キム・スヒョン側は疑惑を否定したが、騒動は芸能ニュースの枠を超えて広がった。
両者の主張が真っ向から対立するなか、キム・スヒョンは活動を中断。広告契約をめぐる訴訟にまで発展した。
しかし、2026年に入って状況が大きく変わった。
6月には「カロセロ研究所」のキム・セウィ代表が、虚偽情報を拡散してキム・スヒョンの名誉を傷つけたなどの容疑で拘束起訴された。さらに7月には、キム・スヒョンに対して提起されていた児童福祉法違反などの容疑について、警察が「嫌疑なし」として不送致を決定した。
一方、こうした騒動の裏で、暴露を続けた側は多額の収益を得ていたという。

7月に放送された韓国MBCの『PD手帳』では、あるユーチューバーの独自集計として、「カロセロ研究所」がキム・スヒョン関連の配信で得た投げ銭が、約1億1800万ウォン(約1180万円)に上ると紹介された。
この数字はあくまで第三者による集計だが、疑惑を向けられた俳優が活動を中断し、広告契約をめぐる訴訟にまで巻き込まれる一方、暴露した側は関連配信によって多額の収益を得ていたというのだ。
後になって発信者が刑事責任を問われる事態になっても、疑惑を向けられた側が失った時間や機会が戻ってくるわけではない。
暴露した者だけが得をするのか
元APRILのイ・ナウンも、虚偽告発に苦しめられた人物だ。
2021年2~3月、グループの元メンバーへのいじめ疑惑に加え、小学校時代に学校での暴力を振るっていたという疑惑が浮上した。
騒動が拡大するなか、イ・ナウンは芸能活動を中断。出演予定だったドラマ『模範タクシー』も降板することになった。

しかし2022年1月、校内暴力を告発した人物が、自らの主張はすべて嘘だったと認め、謝罪した。告発者は、小学校時代、友人が多く明るかったイ・ナウンをうらやましく思い、事実とは異なる文章を作ったと説明。「被害者は一人も存在せず、イ・ナウンは校内暴力の加害者ではない」と認めたのだ。
所属事務所によると、警察は告発者に虚偽事実の流布による名誉毀損の容疑があると判断し、検察に送致。イ・ナウンは謝罪を受け入れ、告訴を取り下げたという。
もちろん、これは元メンバーへのいじめ疑惑とは別問題だ。それでも、根拠のない告発が広まり、後になって告発者自身が嘘を認めたという事実は、決して軽視できない。
告発そのものを否定するつもりはない。正当な告発によって、隠されていた事実が明らかになることもある。
しかし、確証のない情報を広め、相手の社会的な信用を傷つけておきながら、後になって「こんなに大きな騒ぎになるとは思わなかった」と謝罪する。それで済まされる問題なのだろうか。
疑惑を向けられた側は、反論するために時間を費やし、場合によっては仕事を失う。一方、発信した側は騒動から収益を得ることさえある。
もちろん、疑惑を否定する本人の言い分が必ず正しいとは限らない。だからこそ、必要なのは証拠と事実関係を慎重に確かめることだ。
そして今、日本ではMattをめぐる騒動が注目されている。はたして、この騒動はどのような結末を迎えるのだろうか。
■【写真】キム・スヒョン、“活動再開後”の近況!ファンからの花束に囲まれ笑顔


