BTSのワールドツアーが終わっても、7人の活動が止まることはなさそうだ。
所属レーベルを傘下に持つHYBEが、ツアー終了後の団体活動とソロ活動を準備していると明らかにした。
しかも、この発表が飛び出したのは、HYBEが過去最高業績を報告した決算説明会だった。
HYBEは11月3日、2026年第3四半期(7~9月)の連結決算を発表。売上高、営業利益ともに四半期ベースで過去最高を記録した。
その成長を大きくけん引したのが、世界各地で大規模な公演を続けているBTSだ。
そんなBTSが、現在のワールドツアーを終えた後にどのような活動を展開するのか。ファンだけでなく、HYBEの将来を見つめる投資家にとっても大きな関心事となっている。
ツアー後も団体・ソロ活動へ

注目を集めたのは、11月3日に開かれたHYBEの第3四半期決算説明会での発言だ。
この日の質疑応答では、2027年下半期のBTSの活動計画が公表されていないことについて、空白期間を懸念する質問が上がった。
現在、BTSはワールドツアー「ARIRANG」を開催しており、2027年上半期まで世界各地で公演を続ける予定だ。しかし、その後の具体的な活動計画は明らかになっていなかった。
これに対し、HYBEのイ・ジェサン代表取締役は「BTSのメンバーたちとさまざまな形で話し合いながら、『ARIRANG』ワールドツアー後の活動を検討している」と説明。さらに、「ワールドツアーについても追加公演の計画を発表する予定だ。ツアー終了後の団体活動とソロ活動も準備している」と明言した。
活動スケジュールの公表時期についても言及した。
イ代表は、ツアーの場合は公演の移動経路やチケット販売などを事前に準備する必要があるため、6~9カ月前から予定を公開できると説明。一方、アルバムリリースなどの活動について、1年も前から具体的な計画を発表することは一般的ではないとした。
つまり、2027年下半期の予定が発表されていないからといって、活動計画がないわけではないということだ。

HYBEはBTSがワールドツアーを続けながら、新たな音楽制作や多彩なプロジェクトも並行して進めると説明している。
現時点で具体的な活動時期やメンバー別の計画は明らかになっていないものの、団体とソロの両方を準備しているという発言は、今後のBTSを考えるうえで重要な意味を持つ。
BTSが生む巨額の収益
それだけBTSの今後が注目されるのには、理由がある。
HYBEが今回発表した第3四半期の売上高は、前年同期比109.8%増の1兆5257億ウォン(約1800億円)。営業利益は1885億ウォン(約220億円)で、前年同期の422億ウォンの赤字から黒字転換した。
いずれも四半期として過去最高の数字だ。
実は、従来の最高記録もBTSのワールドツアー「ARIRANG」が始まった今年第2四半期に達成したばかり。それをわずか3カ月で更新したことになる。
なかでも際立ったのが、公演部門の売上高7268億ウォン(約860億円)だ。
BTSはヨーロッパやアメリカでのツアーで、1公演あたり約7万人を動員した。HYBEにはENHYPENやLE SSERAFIM、&TEAM、KATSEYE、CORTISなど、世界各地で活躍する人気アーティストが数多く所属している。実際、彼らのツアーも今回の好業績を支えた。だが、そんな豪華な顔ぶれのなかでも、ひときわ際立つのがBTSの存在感だ。

その象徴ともいえるのが、コンサート会場の外で生み出された消費の大きさだろう。
HYBEによると、BTSの北米ツアーでは45日間、12都市のグッズ販売現場に約100万人が訪れ、約200万個の商品が売れたという。HYBE全体のグッズ・ライセンス部門の売上高も3346億ウォン(約395億円)に達した。
HYBEは、従来のツアー序盤に売上が集中する方式から、ツアー期間中に継続的な購入やリピート購入が生まれる仕組みを構築したと説明している。
つまり、BTSの活動は巨大な観客動員にとどまらず、関連商品の販売などを通じて、さらに大きな経済的効果を生んでいるというわけだ。
なお、今回の数字にはBTS以外の所属アーティストの実績も含まれており、すべてがBTS単独の売上というわけではない。それでも、BTSの世界的な動員力がHYBEの成長を大きく支えていることは間違いない。
実際、HYBEの今年1~9月の累計売上高は3兆6740億ウォン(約4300億円)に達し、韓国の芸能事務所として初となる年間売上高4兆ウォンの大台も目前に迫っている。
ソロでも続く記録更新
そして、今回のBTSの活動計画を考えるうえで見逃せないのが、メンバー個人の実績だ。
BTSは7人が集まったときだけでなく、ソロアーティストとしても世界的な存在感を示している。
例えばJUNG KOOKだ。複数の韓国メディアが報じたところによると、2023年11月に発売した初のソロアルバム『GOLDEN』が、Spotifyで2026年に入ってからの再生回数も10億回を突破した。これで2023年から4年連続の達成となる。

ワールドミュージック・アワード(WMA)は、アジアのアーティストのアルバムとして初めての記録だと紹介。BTSのアルバム『MAP OF THE SOUL : 7』が記録した3年連続を上回ったとも伝えられている。
『GOLDEN』の累計ストリーミング数は75億8000万回を超えたという。2023年に発売したソロアルバムが、3年後もこれだけ聴かれ続けていることは、JUNG KOOKのソロアーティストとしての人気の持続力を物語っている。
つい先日には、J-HOPEも新たな記録を打ち立てた。2025年3月にリリースしたソロ曲『MONA LISA』のミュージックビデオが、10月31日にYouTube再生回数1億回を突破。ソロ作品として4作目の1億回突破となった。
BTSとして大規模なワールドツアーを続ける一方、過去に発表したソロ作品も世界中で再生され、新たな記録を積み重ねているのだ。

もちろん、こうした再生数がHYBEの業績にどれほど直接貢献しているかは明らかではない。しかし団体活動とは別に、メンバー個人の作品にも継続的な需要があることは確かだ。
HYBEはBTS以外にも多くのアーティストを育成し、事業の規模を拡大している。それでも、今回の過去最高業績が改めて印象づけたのは、BTSというグループの圧倒的な存在感だった。
そして、その強みは完全体での活動だけに限らない。ワールドツアー終了後に団体とソロの両方で活動するという計画は、BTSが持つ2つの力を今後も生かしていく方針を示している。
完全体での活動再開が一つのゴールだったとすれば、今度はそこから何を見せていくのか。
BTSの次の一手は、ファンだけでなく、過去最高業績を記録したHYBEの今後の成長を占ううえでも、大きな意味を持ちそうだ。
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