K-POPの新星として世界的な人気を集めているボーイズグループCORTIS(コルティス)。
そのメンバーであるマーティンの英語の話し方が、思わぬ議論を巻き起こしている。
きっかけは、SNSで拡散された一本の広告映像だった。
ある海外X(旧ツイッター)ユーザーは11月1日、マーティンの出演する動画を添えて「この動画、マジで笑える」と投稿。11月4日までに約303万回表示されるなど、大きな注目を集めた。
問題視されたのは、マーティンの英語のアクセントだ。
一部の海外ユーザーから「黒人の話し方を真似しているのではないか」という批判が上がり、ファンの間でも意見が分かれる事態となっている。
そもそもCORTISは、BTSと同じBIGHIT MUSICに所属する5人組ボーイズグループだ。2025年のデビューから急速に人気を拡大し、今年5月にリリースした2枚目のミニアルバム『GREENGREEN』は、米ビルボードのメインアルバムチャート「ビルボード200」で最高3位を記録した。
11月7日付の最新チャートでも90位に入り、通算19週のランクインを達成。日本でも9月に神奈川・ぴあアリーナMMで開催した3公演を完売させ、12月2日にはフジテレビ『2026 FNS歌謡祭』への初出演を控えている。

そんな勢いに乗る人気グループのメンバーが、英語の話し方を理由に議論の中心に立たされているのだ。
英語のアクセントに賛否
発端となったのは、韓国の老舗製薬会社・同和薬品が展開する消化飲料「K.O.D」の広告映像だ。
同社は、韓国で129年の歴史を持つ「活命水」を海外市場に広めるため、CORTISを広告モデルに起用。韓国料理を楽しんだ後に飲む「Kフード・フィニッシュドリンク」という新たな消費文化を提案するグローバルキャンペーンを展開している。

マーティンは映像のなかで、身ぶりを交えながら英語で商品を紹介している。ところが、その話し方に一部の海外ユーザーが反応した。
「何なんだよ、このアクセントは?」「その黒人っぽいアクセントは何なの?」「白人の父親と話すときは、あんな話し方をしていないのに」
こうしたコメントが寄せられ、マーティンが意図的に黒人アメリカ人の話し方を真似ているのではないかという疑問が広がった。
議論のなかで頻繁に使われているのが、「Blaccent」という言葉だ。これは「Black(黒人)」と「Accent(アクセント)」を組み合わせた俗語で、黒人ではない人が、黒人アメリカ人に特徴的とされる英語の発音やイントネーションを模倣することを指して使われる。
黒人アメリカ人の英語には、長い歴史のなかで形成されてきた独自の言語的特徴がある。そのため、黒人文化に結びつく話し方を、格好良さや面白さを演出するためだけに取り入れることを問題視する声もある。
今回も、マーティンの話し方が黒人の英語のアクセントを模倣したものなのかどうかをめぐり、意見が分かれている。

一方、すべてのユーザーが批判に同調しているわけではない。「これを黒人のアクセントの真似だと思うなら、耳がおかしいんじゃないか」といった反論も寄せられている。
そもそも、マーティンが意図的に特定のアクセントを模倣したのか、それとも普段からの話し方や広告の演出によるものなのかは明らかになっていない。短い広告映像だけで、その意図まで判断することは難しい。
ただ、マーティンの英語をめぐる議論は、思わぬ方向にも広がっている。
韓国人の英語も嘲笑?
海外ユーザーによる批判が広がるなか、韓国語で投稿されたある意見も大きな注目を集めた。
あるXユーザーは11月2日、「最近、あるアイドルが黒人のアクセントを使っているとして批判されているのを見た」と切り出し、次のように主張した。
「もちろん、それが間違っているのは確かだが、これを機に、K-POPを応援する海外ファンたちも、韓国人特有の英語のアクセントをからかうのをやめるべきだと思う」
投稿者が問題視したのは、一部の海外K-POPファンによる韓国人の英語の発音への反応だ。例えば、韓国人が英語を話す際の特徴を誇張し、単語の末尾にわざと「eu」という音を付けて表現する行為を挙げている。
投稿者は、そうした言い回しが「かわいい」という理由で消費され、ときには英語が苦手なアイドルをからかうコンテンツにもなっていると指摘した。
さらに、「それは黒人のアクセントを格好いいと思って真似することと、何が違うのか」と問いかけている。この投稿は約99万回表示され、大きな反響を呼んだ。

興味深いのは、投稿者が黒人のアクセントを模倣する行為そのものを擁護しているわけではないことだ。
続く投稿では、「私がいつ、そのアイドルが黒人のアクセントを使ったことを擁護したというのか」と反論。そのうえで、海外K-POPファンの間にある韓国人の発音をからかう風潮に、韓国人として問題意識を持っていると説明した。
そして、「わざわざ人種差別に優劣を付けようとするのは不快だ」と訴えている。
もっとも、今回マーティンを批判した人々と、韓国人の英語をからかっている人々が同一人物だと確認されたわけではない。また、黒人アメリカ人の英語を模倣することと、韓国人の英語をからかうことには、それぞれ異なる背景や文脈がある。
それでも、今回の議論で浮かび上がったのは、アイドルの英語の話し方をめぐって、海外ファンの間でも受け止め方が大きく異なるという現実だ。
ある人は黒人文化の模倣ではないかと問題視し、別の人は自然な話し方にまで批判を向けるべきではないと反論する。さらに韓国語圏からは、韓国人の英語をからかう行為にも目を向けるべきだという声が上がった。
マーティン本人や所属事務所が今回の議論について、どのような認識を持っているのかは明らかになっていない。
一本の広告映像をきっかけに始まった議論は、いまやマーティン個人の話し方にとどまらず、K-POPファンが異なる文化や言語のアクセントをどう受け止めるのかという問題にも広がっている。
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