ゴルフ場では相手によって態度が一変し、美容室ではスタッフからドライヤーを奪い取ったという。
そんな驚きの目撃談が次々と飛び出していた韓国女優に、ようやく「いい人だった」という証言が登場した。
渦中の人物は、女優チャ・イェリョン(41)だ。
2005年に映画『女高怪談4:声』でデビューし、ドラマ『優雅な母娘(おやこ)』『黄金の仮面~復讐のシンデレラ~』などに出演。2017年には俳優チュ・サンウクと結婚し、現在は1児の母でもある。
近年はテレビ番組やYouTubeで料理の腕前を披露し、家庭的なイメージでも親しまれてきた。
ところが最近、そんな彼女の過去の言動をめぐり、穏やかではない話が相次いでいる。
ゴルフ場で突然の豹変?

まず注目したいのは、ゴルフ場でのエピソードだ。
11月3日、YouTubeチャンネル「ペク・ウニョンのゴールデンタイム」で、チャ・イェリョンのゴルフを担当したと名乗る人物の投稿が紹介された。
投稿者によると、出来事があったのは2012~2013年頃。チャ・イェリョンを含む一行のラウンドを担当した際、彼女から無礼な態度を取られたという。
タメ口で話しかけられ、何かにつけて苛立ちを見せられたというのだが、特に印象に残っているのが、ラウンド中にかかってきた1本の電話だった。
それまで不機嫌そうにしていたチャ・イェリョンが、電話に出た途端、明るく丁寧な口調になったという。
「あら、監督さん。私、ゴルフに来ているんです。監督さんがお呼びくだされば、もちろん行きますよ」
電話の相手を「監督」と呼んでいたといい、元キャディーは自分への態度とのあまりの違いに驚いたと振り返っている。元キャディーには、まるで別人のように映ったというわけだ。

さらに、別の場所からも過去の態度を問題視する声が上がった。
今度の舞台は、ソウル・清潭洞(チョンダムドン)の美容室だ。
約17年前、チャ・イェリョンと同じ美容室を利用していたという人物は、スタッフが彼女の髪を乾かしている最中、突然イライラし始め、ドライヤーを奪い取って自分で髪を乾かしていたと主張した。
これだけでも十分に奇妙な光景だが、当時その美容室で働いていたという別のネットユーザーも、似たような経験を告白した。
「突然不機嫌になってドライヤーを奪うのは日常茶飯事だった」
その人物は、若かった当時、彼女の振る舞いに傷ついたとも振り返っている。
ただし、ゴルフ場と美容室の話はいずれもネット上の証言に基づくものだ。投稿者の身元や出来事の真偽は確認されておらず、チャ・イェリョンが実際にこうした言動を取ったと断定することはできない。
では、なぜ10年以上も前のエピソードが、今になって次々と掘り起こされているのか。
発端は学生時代の疑惑
そもそもの発端は、10月末にオンラインコミュニティへ投稿された、学生時代のいじめを訴える告発だった。

投稿者は、1985年生まれの女優から中学時代に継続的ないじめや暴行を受けたと主張。「悪質にも、主に頬を狙って殴られ、鼓膜が破れ、頬がパンパンに腫れ上がった」と訴えた。
さらに「テレビやYouTubeに笑顔で出演したり、良い妻、良い母親、料理上手な女優、健全なイメージの人物として受け入れられていたりする姿を見ると、苦痛を感じる」と明かした。
出身校や生まれ年などの情報から、ネット上ではチャ・イェリョンの名前が浮上した。しかし、所属事務所HBエンターテインメントは、疑惑を「事実無根」と明確に否定している。
その後も、同級生を名乗る人物から追加の告発が出た一方、暴行やいじめを見たことはないという証言も登場。主張は食い違っており、事実関係は明らかになっていない。
それでも騒動は収まらず、学生時代だけでなく、芸能界デビュー後の言動まで次々と問題視されるようになった。前述のゴルフ場や美容室のエピソードも、そうした流れのなかで浮上したものだ。
事務所は11月4日、「虚偽事実の拡散による被害がこれ以上大きくならないよう、強力な措置を講じる」と表明。家族にまで批判が向けられる状況にも懸念を示した。
して、否定と告発が繰り返されるなか、ようやく好意的な証言が飛び出した。
ようやく登場した美談
11月6日、韓国メディアが相次いで報じたのは、チャ・イェリョンの新人時代を知るという人物の投稿だった。
自らを音楽教室の院長と紹介した投稿者は、かつてチャ・イェリョンにピアノのレッスンを行った経験があるという。彼女は作品の撮影に役立てたいと考え、レッスンを受けに来たそうだ。

そして、当時のチャ・イェリョンについて、「純粋で礼儀正しい方だった」と振り返った。
ゴルフ場では態度が悪かった、美容室ではスタッフを困らせていた。そんな否定的な目撃談が続いていたところへ、今度は礼儀正しい人物だったという証言が登場したのだ。
もっとも、この投稿者が伝えたかったのは、単なる昔の美談だけではない。投稿した理由について、「あまりにも一方的に追い詰めているように思い、チャ・イェリョンさんを間近で見てきた者として、この文章を投稿する」と説明した。
さらに、「実際に被害者がいる可能性はあるが、被害の当事者ではない人たちが、単なるゴシップ的なコメントで一人の人生を追い詰めるのは違うと思う」と疑問を示した。
この言葉は、今回の騒動を考えるうえで無視できない。もちろん、ピアノ講師を名乗る人物の証言も、身元や当時の状況が客観的に確認されたわけではない。仮に好意的な経験談が事実だったとしても、それによって学生時代のいじめ疑惑や、ほかの目撃談の真偽が決まるわけでもない。
ただ、一つの否定的な証言が出ると、過去のあらゆる出来事まで悪い方向に解釈され、さらに別の悪評が集まってくる。今回の騒動には、そんなネット社会の危うさも垣間見える。
悪いエピソードがいくつ並んでも、それだけで人の本性を断定することはできない。反対に、一つの美談が登場したからといって、すべての疑惑が晴れるわけでもない。
相次ぐ告発の末に、ようやく現れた好意的な証言。それはチャ・イェリョンの潔白を証明するものではないが、少なくとも、一方的な人物評だけで結論を出すことへの疑問を投げかけている。


