熱画像の「ぼやけ」を鮮明に再現──クーガーの超解像AI技術が世界最高峰CVPR Workshopに採択 - PR TIMES|RBB TODAY

熱画像の「ぼやけ」を鮮明に再現──クーガーの超解像AI技術が世界最高峰CVPR Workshopに採択




クーガー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:石井敦、以下「クーガー」)は、独自に開発した熱画像向け超解像AI「Dual‑Input Frequency‑Aware Network」に関する論文が、コンピュータビジョン分野で世界的権威を持つ国際会議CVPR 2025 Workshopに採択されたことを発表します。

暗闇や煙の中でも可視化が可能な熱画像技術は、防災、医療、自動運転など広範な分野で注目されています。しかし、従来のセンサは解像度が低く、「ぼやけ」「ノイズ」「輪郭の欠落」といった課題がつきまとっていました。クーガーの新技術は、こうした課題を、わずかな演算資源で劇的に改善するものです。

■ 技術の特徴

- 周波数分離によるエッジ再構築
画像を高周波(エッジ)と低周波(背景)に分離。高周波成分を強調処理することで、輪郭が鮮明に再現され、従来よりもはるかにシャープな画像を実現。
- Self-Dual Calibrated Projection Attention(SDCPA)
周波数特性に応じた注意機構を導入。ノイズを抑えつつ、重要な情報を選別・強調します。
- マルチスケール並列設計
3種の処理流路(NAFBlock、RDAB、EXCA)により、構造・テクスチャ・微細ディテールの同時処理を可能に。
- Dual Attention Module による動的統合
複数の特徴を動的に融合する特徴の選別・統合処理により、ノイズを抑制しながら、最終出力を最適化します。

■ 技術開発の難所と突破点

- 熱画像特有の困難に対応
可視光と異なり、熱画像は色彩やコントラストに乏しく、AIにとって輪郭の判別が困難です。本技術は高周波抽出と注意機構を組み合わせ、微細な熱分布の違いを捉えます。
- 軽量かつ高性能な設計
産業現場での実装を想定し、演算負荷やメモリ使用を最小限に抑えながら、高精度な再構築を実現しました。
- 複数ベンチマークで実証済み
PBVS 2020、FLIR、OSU、CVC09、Thermal6などのデータセットにおいて、2倍/4倍拡大の各ケースでPSNR・SSIMの既存ベースラインを大幅に上回る性能を確認。

■ クーガー独自のアプローチ

クーガーはこれまで、現場での熱画像取得から深層学習モデルの開発、エッジデバイス向けの軽量化まで一貫して取り組んできました。単なる研究成果にとどまらず、「実用可能な技術」として社会実装を見据えた設計思想が、今回の成果を支えています。

■ 今後の展開

- 既存プロダクトの高度化
本技術の実装により、既存のサーマルカメラでも高精度解析や大画面表示が可能に。画像認識の活用が加速します。
- 新市場への応用
夜間の自動運転、災害現場の遠隔監視、非接触体温検査など、実用性が求められる現場での導入が見込まれます。
- 他分野への技術展開
本技術は熱画像に限らず、医療用CT、紫外線画像など特殊な画像領域への応用も視野に入れています。


2025年6月11~15日にアメリカのナッシュビルで開催されたCVPR2025にて、本論文の著者であるクーガーのシニアAIエンジニアのSabari Nathan(写真左)とシニアAIリサーチャーのPriya Kansal(写真右)が発表を行いました。

【会社概要】
クーガー株式会社
所在地:東京都渋谷区神宮前6-19-16 越一ビル201
代表者:代表取締役CEO 石井 敦
設立年月日:2006年12月
ウェブサイト:https://couger.co.jp/

クーガーは、人型AIプラットフォーム「LUDENS」を開発・展開しています。そこから生まれたAIキャラクター「レイチェル」は、現実世界をゲームのようにつなげるナビゲーター。現在、全国約7,000店舗のファミリーマートに導入され、店長の業務を支援しています。私たちは、あらゆる業界・職種で働く人々に寄り添い、一人ひとりの成長を加速させるAIを提供していきます。

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