
【ドイツ ボブリンゲン - 2025年7月2日(現地時間)発】
IBMは、世界有数の通信・ITサービス・プロバイダーとして数百万の一般家庭と企業にサービスを提供しているドイツテレコム社がAI搭載ソリューション「IBM Concert」を導入し、パッチ管理とセキュリティー関連業務のオーケストレーションにおけるインテリジェントな自動化を実現することを発表しました。
パッチは、ソフトウェア・ライフサイクル管理に不可欠であり、急速に変化するIT環境におけるシステムの安全性、機能性、適切な状態の維持に役立っています。パッチを適用しなければソフトウェアはすぐに脆弱かつ不安定になり、陳腐化する一方、パッチの管理は課題でもあります。IBMは、企業におけるITシステムの脆弱性保護の強化と運用効率の向上を支援しています。IBM Concertを活用すると、運用コストを削減するとともに、脆弱性に対するパッチ適用の負担を抑えながら対応速度を上げ、効率よくすべてのシステムのセキュリティーを強化できます。
2028年までに10億種類のアプリが登場
IDC社の調査*によると、2028年までに10億ものアプリケーションがリリースされる見込みです。小さな変更や更新であっても、何百万人ものお客様やユーザーに対して円滑な運用を保証するには、アプリの所有者、開発、セキュリティー、運用の各チーム間の複雑な調整が必要です。しかも膨大な手順を要するエンドツーエンドのパッチ適用プロセスの準備、実行、文書化を手作業で行っていては、障害発生のリスクを高めることになります。
ドイツテレコム社がIBMに求めたのは、より迅速な拡張とともに、効率全体を劇的に改善できるアプローチでした。IBMのソフトウェア開発部門は、この目的に特化したソリューションとしてIBM Concertを開発していました。IBMが同様の複雑な課題に直面したことを受け、当初はクライアント・ゼロとして自社内でテストしていました。
パッチ適用を10倍高速化
ドイツテレコム社は、IBM Concertを活用することで、複雑なIT運用環境のインテリジェントなレジリエンスを確立し、一元化された情報源を利用して脆弱性管理、パッチ適用、レポート作成を実施できるようになります。IBM Concertは、関連するすべてのデータと専門領域を統合し、コンテキスト情報を作成してAIを活用したエンドツーエンドの自動化を実現します。
オペレーティング・システムに全自動でパッチを適用するプロセスにより、1インスタンスあたりのパッチ適用時間を90分から最大で20分に短縮できます。この劇的な時間短縮により、IT部門は戦略的タスク、イノベーション、最適化に注力する時間を確保できるようになります。
ドイツテレコム社は、IBM Concertのパイロット導入を円滑に実現し、重要な指標である「Median Time To Patch(パッチ適用時間の中央値)」を10分の1に削減し、深刻な脆弱性への対応を1件あたり80時間から8時間に短縮できました。パッチ展開の高速化によってITセキュリティーが向上しただけでなく、ビジネス・リスク対応とコンプライアンスも強化され、IT運用におけるリスク管理効果が大きく高まっています。
ドイツテレコム社 グループCIOのピーター・ロイケルト(Peter Leukert)博士は、次のように述べています。「セキュアなオペレーティング・システムは、当社がお客様に提供するすべてのアプリケーション、データベース、サービスの基盤となっています。AI時代を迎えた今、パッチの適用は時間との勝負になっているため、利用可能なアップデートを即座に自動適用することでセキュリティーのリスクを軽減できます。当社はパートナーとともにこの難題に立ち向かっています。求めていたのは、複雑なパッチ管理をあらゆる側面から統合し、すべての作業を確実に自動化するスタンドアロン型のソリューションでした」
IBM グローバル・マネージング・ディレクターのスティーブ・カネパ(Steve Canepa)は、次のように述べています。「セキュリティーと信頼性は、すべての通信会社にとって成功の礎です。最新のAIと自動化技術を搭載したIBM Concertによって、ドイツテレコム社はハイブリッドクラウド・プラットフォーム全体で劇的に急増し複雑化する重大な脆弱性の発生にも常に先手を打てるようになります」
IBM Software製品担当シニア・バイス・プレジデントのディネシュ・ニーマル(Dinesh Nirmal)は、次のように述べています。「セキュリティー上重要なプロセスをインテリジェントにオーケストレーションし、自動化することで、ドイツテレコム社をはじめとするさまざまなお客様が新たな脅威に迅速に対応できるだけでなく、IBM Concertを使用することでリソースをより効率良く活用できます。そして、多くのお客様がAIを活用して、将来性、拡張性、安全性の高いIT運用モデルの強固な基盤を構築しています」
IBM Concertについて
IBM Concertは、IBM watsonxを活用した包括的な自動化ソリューションです。AIを活用した推奨事項とワークフローの提供により、パッチ適用プロセスをはじめITオペレーションの自動化と最適化を実現します。IBM Concertの主な機能は以下のとおりです。
セキュリティー・スキャン、アプリケーションやインフラストラクチャーの情報、一般公開されているCVE(共通脆弱性識別子)データベースなど、既存のデータソースを統合、集約、分析 生成AIアプローチを採用し、システム・トポロジー、依存関係、メンテナンス・ウィンドウ、ビジネス要件に関する広範な情報に基づいて、最適化、優先順位付けされたパッチ適用計画を策定 ITサービス・マネジメント・システム(ITSM)でServiceNowの変更要求とプロセス文書を作成し、担当者による承認への準備を実施 承認後、Microsoft Windows Server、Red Hat Enterprise Linux、その他のLinuxディストリビューションのオペレーティング・システム・パッチの完全自動インストールを、AWSクラウド内のAnsible Playbookなどを統合してメンテナンス・ウィンドウ内でオーケストレーション ITSMシステム内で結果を文書化することで迅速に概要を提供し、変更トレーサビリティーを促進してハイブリッドクラウド環境全体のコンプライアンスを強化
*出典: IDC, 1 Billion New Logical Applications: More Background, doc#US51953724, April 2024
ドイツテレコム社について
ドイツテレコム社は世界有数の総合通信企業として、2億6,100万以上の携帯電話ユーザー、2,500万以上の固定ネットワーク回線、2,200万以上のブロードバンド・ユーザーにサービスを提供しています。消費者向けの固定ネットワーク/ブロードバンド、モバイル通信、インターネット、IPTV製品・サービスを展開し、企業・法人には情報通信技術(ICT)ソリューションを提供しています。詳しくは https://www.telekom.com/en/company/companyprofile/company-profile-625808をご覧ください。
Deutsche Telekom IT GmbH社について
Deutsche Telekom IT GmbH(DTIT)社は、ドイツテレコム・グループのIT企業です。DTITは、自社開発および受託すべてのITシステムの設計、開発、運用に担い、ドイツテレコムのビジネスプロセスをサポートするとともに、ドイツテレコム・グループと協力してクロスチャネルの統合顧客体験の基盤を構築しています。
写真:
- ボンのドイツテレコム本社(提供:ドイツテレコム社、撮影:ノルベルト・イッターマン)
当報道資料は、2025年7月2日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳をもとにしています。原文はこちらを参照ください。
IBM、IBMロゴ、ibm.com、watsonx、Concertは、 米国やその他の国におけるInternational Business Machines Corporationの商標または登録商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、ibm.com/trademarkをご覧ください。
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