ダンとニコラは長年つきあってきた婚約者同士。一緒に住むための部屋探しをするも、ダンは内見に現れず、ニコラはピリつき気味。行きつけのバーで昼から飲んだくれていたダンの相手をするのは、バーテンダーのアンブローズだ。彼の家には寝たきりの父親・アーサーがいて、仕事の間は父の介護を依頼している。その介護を請け負うシャーロットは、昼間は不動産会社で働いている。同僚のスチュワートはニコラの物件担当。一緒に暮らす妹のイモージェンは、兄に内緒でブラインド・デートに出かけている。そのデートの相手は……。この6人の登場人物たちが、それぞれの日常と人生を抱えながらロンドンを舞台に交差していく。
笑いや明るさ、その裏にある怖れや痛みを
個性派キャストが愛おしく表現


24日(金)に初日を迎えたのは、◆チーム。軍隊を除隊させられ、今は職探し中のダンを演じるのは駒田一。バーテンダーのアンブローズ役の原田優一とのシーンで早くも笑いが起こる。共演歴も長い二人の掛け合いは安定の面白さだが、それぞれが抱えている重荷のようなものが見え隠れするその絶妙な配分にも注目したい。ニコラを演じるのはコメディからシリアスな演技まで定評のある彩輝なお。パートナーに親愛と期待を向けつつ、コントロール仕切れない人間くささをまとった彼女に共感する人は多いだろう。シャーロット役の増田有華は、前半の普通っぽいのにどこか謎めいた雰囲気から、彼女が一気に場の空気をさらう、とあるシーンまでの振り幅の大きさが見事。スチュワート役の稲垣成弥は、現代の若者らしさとキャラクターのような愉快さを持ち合わせ、観客の目を彼が座るソファーに惹きつけた。本作がストレートプレイ初挑戦となるイモージェン役の冨川智加は、弾むような声と動きで妹らしさをフルスロットルで好演している。
◆チームの登場人物たちは、ちゃんと格好悪い。だけど愛おしい。


実力派キャストが繰り広げる
思わず笑ってしまうリアルさ


26日(日)には、★チームが初日を迎えた。ニコラ役の樋口麻美は、開口一番、相手をまくし立てる様子が小気味よい。他人事ながら気にせずにはいられないと観客を一気に作品世界に引き込んだ。そのニコラにパートナーのダンを演じる鈴木壮麻は、独特の落ち着いたトーンで会話を重ねるのだが、それが二人の間に生じ始めているズレにも見えてやけにリアルだ。アンブローズを演じる塩田康平は、ナイーブさを隠して飄々としつつも仕事人らしいバーテンダーの動きで笑いを誘う。笑いといえば、シャーロット役の音くり寿は、敬虔なクリスチャンでありながら…という謎めいた人物を軽やかな動きと表情で笑いに変え、コメディエンヌぶりを発揮。スチュワート役の田中尚輝は、不動産会社での対客、対同僚で使い分ける会話のトーンがサラリーマンらしくてリアル。また山本咲希演じる妹のイモージェンはセンシティブな兄との距離感を声のトーンや動きで表現した。
★チームの登場人物たちは、どこまでもリアル。だから優しい。


ホテルのバー、不動産会社のオフィス、アンブローズと父が暮らす家、ニコラの部屋、スチュワート兄妹が住む部屋、それらにスポットライトが当たると、それぞれの物語が進んでいく。観客は彼らの時間を次々とザッピングしながら観ているようで、自然に登場人物たちを身近に感じることができる。また、約2時間の上演中、キャストは皆、ほぼ舞台上にいる点もユニーク。演技巧者の面々によるマイクを通した声のみのシーンは、日替わりで楽しめそう。
ほんの少しだけ隣で起きているかもしれない物語、そんな風に境界線を感じさせない理由は、観客席側に設置されたピアノの生演奏によるところも大きいだろう。ちなみにストレートプレイと言われたけれど、ピアノもあるし、ひょっとしたら1曲くらい歌うシーンがあるのでは? と思っていたら、やはり誰も歌わない(笑)。とはいえ、開演前には楽しい演出もあるので、時間に余裕を持って劇場に向かうことをおすすめしたい。
6人のこれまでの暮らしとこれからの人生はどう続いていくのだろう。その想像は観客それぞれに委ねられている。2組の違いを確かめたくなるのはもちろんのこと、登場人物たちの背景を考察するためにリピート観劇するのもいい。公演は、5月24日(日)まで続く。
文・演劇ライター 栗原晶子
【出演者コメント】
◆チーム
<駒田一>
あっという間の稽古期間。本を頂いた時の印象とは、かなり変わった。日に日にエイクボーンの凄さが身体に染みる。ジワジワと脳に沁みる。
小田島さんと元吉さんの凄さ。そしてカンパニーの底力。稽古凄く楽しかったなあ。苦しんで踠いて悩んだからこそ今の気持ちになれたんだなあ。自分自身を成長させてくれた作品。日々成長しそう。うん、ラストまでおもいっきり楽しもう!皆様も是非お楽しみ下さいませ!
<彩輝なお>
濃密なお稽古を重ねてまいりました。演出の元吉さんに導かられ 個性豊かな共演者の皆様と 情熱的で笑いの絶えないお稽古でした。
人の孤独、葛藤、勇気、一歩踏み出す力が アラン・エイクボーンの 繊細で奥深い世界観となって 描かれています。舞台と客席の垣根の無い この物語の世界観を 笑い 涙し 様々な角度から ご一緒にお楽しみ頂ける空間となっております。俳優のオンオフも見どころになるのかも(笑)
是非 劇場でご体感なさってくださいませ!
<原田優一>
濃密な空間で、曝け出される覚悟ができました。6人のキャラクターが抱える心の内を覗きにいらしてください。細波のように見える他人の中には、実は吹き荒ぶような孤独が存在していたり、その逆も然り。ふと自分に重ねる瞬間がありましたら、劇場を出た時に見る色が変化しているかも。是非体感していただけたら嬉しく思います。
<増田有華>
1ヶ月のストレートプレイは初めてです。
日々この戯曲に翻弄され、自由な演出の中で砂場遊びさながら子供心を思い出すようにたくさんのことにチャレンジしてきました。
そしてそのチャレンジは本番が始まってからも続くと思います。
これほど幕が開いてからのお客さまの反応の想像がつかない舞台もはじめてかもしれません。その日その日のキャスト、お客さまとのセッションが今から楽しみでなりません。日々の変化を目撃しにきてください。
<稲垣成弥>
あっという間にこの日になりました。稽古が始まってから今日までの毎日は、とても刺激のある、濃密な時間でした。役者としてこのような素敵な作品に携われることを誇りに思い、これまでの積み重ねを大切に、自由に、初日を迎えたいと思います。
この作品はダブルキャストで2チーム。
人が違うとこんなにも違うのかと思うほど、同じ作品とは思えない素敵な作品が2本できました。ぜひ、2作品とも観ていただけたら嬉しいです。
劇場でお待ちしております。
<冨川智加>
1か月の稽古期間を経て、素敵な先輩方が経験が少ない私を沢山の言葉と愛で導いてくださり、初日を迎えることができました。
劇場入りし、セットや音響、照明、衣裳など、作品の世界が鮮明に作られていくのを目の当たりにし震えていますが、精一杯イモージェンを演じます。
先輩方、スタッフの皆様、ご来場くださるお客様に心からの感謝を込めて、努めて参ります。
★チーム
<鈴木壮麻>
作品に登場する愛おしい6人の細やかで鮮烈な心の動きを、稽古場にて試行錯誤しながら丁寧に紡いで参りました。この戯曲において様々なアプローチが出来ることを稽古の度に気づかされ、作品が放つ多面的なメッセージに圧倒されることしばしば。初日を目前に控え、客席の皆様に細部まで余すこと無く作品をお届け出来るよう、スタッフ&キャスト総力を上げて舞台稽古に臨んでいる次第です。
是非、楽しみにしていらして下さい!
<樋口麻美>
アラン・エイクボーンの上質な戯曲をやらせてもらえる悦び。それに加えて演出元吉さんをはじめとする痺れるほど素晴らしいスタッワークに両班出演者の猛者達。演劇愛しかない人達が集まり、心が存分に解放される作品に仕上がっております。ニコラという女性のたった数日に起こる大きな変化をその日その日を存分に大先輩鈴木壮麻さんの胸をお借りし、演じられたらと思っております。シアター代官山でお待ちしております!
<塩田康平>
アラン・エイクボーン氏が描きたかった世界、伝えたかった想いを、今こうして日本で演じ、お届けできる機会をいただけたこと、光栄に思っています。
自分の信じる解釈で、アラン・エイクボーン氏こうですよね?と日々問いかけ続けたいと思います。
楽しみにしてくださっている皆様、後悔はさせません。
終演後に芽生える感情を楽しみに、是非ご観劇いただけますと幸いです。
ご来場、心よりお待ちしております。
<音くり寿>
いよいよ初日開幕です。潜れば潜るほど興味深く魅力的で面白いアラン・エイクボーンの世界。稽古場で演出の元吉さんと共演者の皆様と試行錯誤を繰り返しながら作り上げたこの作品がお客様のお心にどのように届くのか…ドキドキわくわくです!シアター代官山にて1カ月上演致します。皆様のお越しを心よりお待ちしております。
<田中尚輝>
初日に向けて、ここまで重ねてきた時間がようやくお客様と交わる瞬間を楽しみにしています!
本作は静かな会話の中に孤独やすれ違いが描かれ、その何気ないやりとりの奥に、人の本音や矛盾が浮かび上がる作品です。クスッと笑えるユーモアも含めて、それぞれの心に小さな余韻や気づきが残る時間になれば嬉しいです!!
本邦初演!ぜひ体感してください!
皆様のご来場を心よりお待ちしております!!
<山本咲希>
本作に取り組む中で、これまでにない感覚と幾度も出会いました。お客さまにお届けできる日を楽しみに、期待と緊張の中で歩んでまいりました。ご覧になる皆さまにも、きっと新しい演劇体験をしていただけると思います。俳優一同、心をさらけ出して舞台に立ちます。ぜひ楽しんでいただけましたら幸いです。
【公演情報】
2026年4月24日(金)初日~5月24日(日)千穐楽
◆:駒田一、彩輝なお、原田優一、増田有華、稲垣成弥、冨川智加
※5月17日(日)、5月19日(火)公演のアンブローズ役は塩田康平となります。
★:鈴木壮麻、樋口麻美、塩田康平、音くり寿、田中尚輝、山本咲希
声の出演:畠中洋 音楽:伊藤祥子
会場:シアター代官山(東京都渋谷区)
<チケット料金>
全席指定 10,000円
※未就学児童入場不可
<お取り扱い>
◆リンクス公式申込フォーム
https://pro.form-mailer.jp/fms/7efbfcff346379
◆ぴあ(Pコード:540-099)https://w.pia.jp/t/privatefears/
※セブンイレブン店頭
◆e+(イープラス):https://eplus.jp/privatefears/
※ファミリーマート店内
◆ローソン(Lコード:32196):https://l-tike.com/privatefears/
※ローソン、ミニストップ店内Loppi
【お問合せ】
サンライズプロモーション 0570-00-3337(平日12:00~15:00)
【スタッフ】
作:アラン・エイクボーン
翻訳:小田島創志
演出:元吉庸泰
音楽:伊藤祥子
美術:升平香織
照明:鶴田美鈴
音響:鏑木知宏
衣裳:喜多優介、堀口健一
舞台監督:林高士、福田将史
演出助手:米森真実
制作:丸山紗代
プロデューサー:坂紀史
共催:劇団ひまわり
企画・製作・主催:アーティストエージェントリンクス
公演公式HP:https://private-fears-in-public-places.studio.site
主催公式X:https://x.com/artistslinks
【企画・製作・主催】
商号 : 合同会社アーティストエージェント リンクス
URL : https://artistslinks.com/
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