株式会社サイフューズ(本社:東京都港区、代表取締役:秋枝静香、以下「サイフューズ」)は、この度、これまでの再生医療パイプライン開発等で培った細胞培養の高度なノウハウを自動化した新デバイス製品として、折りたたみ式のコンパクト型分注機「CAP(Compact Automated Pipettor 製品名:キャップ)」(以下「本デバイス」)を開発し、販売を開始いたしましたのでお知らせいたします。
1.本開発の背景と今後の展開
昨今、世界の再生医療市場は急速な成長を遂げており、多くの細胞加工製品が研究開発・臨床開発段階から再生医療等製品としての商業生産段階へと移行しつつあります。このような中、製品を高品質かつ低コストで安全・安定的に供給するための「製造工程の自動化・標準化」は、再生医療分野の産業発展における最重要課題の一つとなっています。
特に、医薬品や再生医療製品のグローバル基準を牽引する米国FDA(Food and Drug Administration、食品医薬品局)が主導的に進める「先進製造(最先端技術による製造自動化:Advanced Manufacturing)」の推進や、品質を製造工程全体で科学的に保証する「体系的品質設計:Quality by Design(QbD)」という国際的な考え方の浸透に伴い、再生医療分野においても、従来の属人的な手作業に依存しない革新的な製造体制の確立が求められています。すなわち、製造工程の自動化・標準化は、製品承認後の安定供給を可能にするだけでなく、これからの再生医療分野における企業の事業競争力及び事業成長を支える重要な事業基盤となっています。
当社では、当社製品の商業生産体制の構築を目指し、これまで再生医療等製品の研究開発及び製造プロセス開発を通じて培ってきた細胞培養技術と製造ノウハウを活用し、製造コスト低減や量産性・拡大性(スケーラビリティ)に対する市場からの要請にいち早く応える、新たなデバイスの開発に取り組んでまいりました。
このような世界的な自動化・標準化への潮流を大きな事業機会と捉え製品化した新製品「CAP」は、細胞懸濁液中の細胞濃度を均一に維持しながら、各容器へ高精度に播種(分注)する工程が自動化され、さらに、細胞懸濁液をはじめとする様々な懸濁液に対応可能でありながら、細胞懸濁液向け自動分注機としては業界最小クラスのコンパクトさを併せ持つ、これまでの一般的な分注装置とは一線を画する画期的なデバイスです。
本製品は、研究用途から臨床開発、さらには商業生産まで、再生医療並びにライフサイエンス分野の幅広い製造現場で活用できることを想定しており、製造工程の効率化と製品品質の均質化を通じて、全体コスト低減及び品質の安定化の両立に大きく寄与します。
当社は今後も、『再生医療の産業化』を支える次世代の製造プラットフォームを創出するリーディングカンパニーとして、細胞製品の量産化・高品質化・低コスト化を実現し、再生医療産業の発展と世界市場での競争力向上に貢献してまいります。
なお、現時点での当期業績に与える影響は軽微でありますが、今後、バイオ3Dプリンタに加え、本デバイスをはじめとする周辺デバイスの拡充を進めてまいります。これにより、細胞製品の製造プロセス全体の機械化・自動化を加速し、機器販売に留まらない収益構造の多角化を図ることで、中長期的な企業価値のさらなる向上を推進してまいります。
2.新製品の特長
(1)従来の手作業を高精度に自動化
材料となる生きた細胞や成分が混ざった細胞懸濁液などの細胞製剤等の製造において、無菌性を維持したまま細胞濃度を均一に保持し、熟練培養士の手技と遜色のない高精度な細胞分注作業を自動化しました。
(2)業界最小クラスのコンパクトさと汎用性
業界最小クラスの軽量設計に加え、ノートPCのような折りたたみが可能な画期的構造を採用することで、安全キャビネット内等への設置を可能とし、自由度と汎用性の高い運用を実現しました。
(3)臨床現場への最適化
各種消耗品のディスポーザブル化、装置本体の除染、及び駆動部の低発塵設計を実現しており、臨床用途に求められる安全性と品質を担保し、オペレーションの大幅な効率化を両立させました。
折りたたみ式

新製品:折りたたみ式コンパクト型分注機「CAP」(左:本体折りたたみ後、右:分注機全体)
*本デバイスは、ローツェライフサイエンス株式会社の協力を得て開発されました。
以上
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