
世界難民の日(6月20日)を前に、世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョン(WV)は、世界食糧計画(WFP)と共同で、飢餓の深刻なバングラデシュ、ブルンジ、チャド、コロンビア、コンゴ民主共和国(DRC)、ミャンマー、南スーダン、ウガンダの8カ国において、難民や国内避難民、受け入れ地域の家庭3,494世帯を対象とした調査報告書『IN THE SHADOW OF HUNGER(飢餓の影に)』 を発表しました。
報告書『IN THE SHADOW OF HUNGER(飢餓の影に)』(英語)報告書は、人道支援や食糧支援の縮小によって、食料不安が深刻化し、児童労働や学校中退、児童婚など、子どもの権利が侵害されるリスクが高まっている実態を明らかにしています。
さらに、世帯が基本的なニーズを満たす能力である「自立(Self-reliance)」が、世帯と子どものウェルビーイングにどのように影響するかを検証しています。
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人道支援削減で代償を払う子どもたち
2025年後半の人道支援資金は、それ以前の年と比較して40%も減少しており、世界の人道支援ニーズの72%以上が満たされないままになっています。WFPによると、68カ国で約3億1,800万人が急性食料不安に直面してます。そして、そのしわ寄せは、より脆弱な立場にある子どもたちに及んでいます。難民世帯は他の世帯に比べて食料不安に陥る可能性が1.7倍高く、40%の家族が調査前日に1食、または全く食事をとれなかったと報告しています。
調査対象世帯の64%以上が、基本的なニーズを満たすために支援に頼らざるえない状況です。2026年には、2億人を超える子どもたちが人道支援を必要とすると見込まれています。
調査からは、以下のような実態が明らかになりました。
調査世帯の
・56%が食料不安を経験
・22%が児童労働を報告
・21%が不規則にしか通学できていない
・11%が親子の分離を経験
・8%が児童婚を報告
「1日に1回しか食べられないこともあります…両親が仕事を見つけられないと、家族の暮らしはさらに苦しくなります」 - コロンビアの子ども
「私たちは生き残るためにできる限りのことをしています。しかし、自立への最初の障害は仕事がないことです。そして、食料、水、医療といった基本的なニーズを満たすことができない状況である限り、自立について語るのは難しいのです」 ーチャドの母親

スーダンの難民キャンプに暮らす3人の子どもの母親は、困難な状況の中でも、子どもたちが教育を受けられるよう訴える
世帯の「自立」が子どもたちを守る
今回の調査では、「自立(Self-reliance)」の度合いが高い世帯ほど、子どもたちがさまざまなリスクにさらされる可能性が低いことも明らかになりました。「自立」は、食料、水、住居、身の安全、教育などの基本的なニーズを、尊厳と安定、そして将来への希望を持ちながら満たすことを可能にし、子どもたちの健やかな成長(ウェルビーイング)を支えます。 ほぼすべての国において、自立度が高まるほど子どもへのリスクが大幅に減少することが確認されました。
世帯の自立(Self-reliance)度が高まると
・物乞いが56%減少
・就労のための中退が38%減少
・児童婚が33%減少
・家族離散が31%減少
また、調査対象世帯からは、自立のためには「働く権利」「移動の自由」「収入を得る機会へのアクセス」「スキル開発」が必要との声が聞かれました。
ワールド・ビジョンの人道支援政策・アドボカシー・パートナーシップ担当のアマンダ・ライブスは次のように訴えます。
「緊急支援とともに自立を支える長期的な取り組みが求められています」
「この危機の規模に見合った、十分な資金を伴う断固たる行動が求められています。子どもたちとその家族が、ただ生き延びるだけでなく、安定した生活と将来への希望を取り戻せるよう、各国政府や支援機関は緊急かつ柔軟な支援を行わなければなりません」

バングラデシュ・コックスバザールで暮らすロヒンギャ難民の少女たち。誘拐などのリスクから、一人での外出を控えていると言う
ワールド・ビジョン・ジャパンスタッフの現場報告
・ケニア・カクマ難民キャンプ(平井スタッフ)
「今月、ケニアのカクマ難民キャンプを訪問し、難民の方々と直接言葉を交わしました。
11人兄弟の長女ナンシーさんは、隔月ごとにもらう支援の食料はすぐに尽き、近所の人から助けてもらわないと生き延びることができないと話してくれました。近年の国際的な援助資金の急減が、最も脆弱な人々の命に直結する危機をもたらしています。一方で、『自立してキャンプを出たい。職業訓練の機会がほしい』と力強く語るピーターさんにも出会いました」

ケニア北西部のカクマ難民キャンプには、約30万人の難民・避難民が暮らし、その多くが10年以上にわたり避難生活を続けている
「自立への意欲と力を持つ人々が、その可能性を存分に発揮できるよう、職業訓練や生計向上支援を通じて背中を押すことも、私たちの重要な役割です。 緊急の支援と自立(self-reliance)の促進 ーこの両輪を回し続けることが、すべての難民が尊厳を持って生きられる未来につながると、現場で改めて確信しました」
・ブルンジの学校給食視察 (野本スタッフ)
「WVはWFPとの協働事業において、『学校給食を地域で生産・継続する仕組みづくり』を行っています。この事業は直接、難民向けではありませんが、コンゴ民主共和国からの難民流入が続くブルンジで、地域の子どもたち・コミュニティ全体を支えることを目的としています。まずそこに暮らす人々を支えることが、難民を含めた地域全体の長期的な安定につながると考えるからです。
一時的な食料配布ではなく、地元の農家が生産性向上の研修を受け、自ら育てた食材が学校の給食になります。それが農家の収入にもつながる持続可能な仕組みが生まれています」

対象校の93%にあたる462校が、地元農家が生産した食料で給食を作るようになり、食糧支援を卒業し始めている。学校給食によって就学率も上がっている
「現地で出会った農家の方々の誇らしげな顔と、給食を食べる子どもたちのニコニコの笑顔が忘れられません。 地域が自らの力で子どもたちの未来を支える、そんな「自立」の循環が広がることを願っています」
動画:World Vision World Refugee Day 2026(英語)
https://www.youtube.com/watch?v=lYlqk0NgcJYワールド・ビジョン・ジャパンとは
キリスト教精神に基づき、貧困や紛争、自然災害等のために困難な状況で生きる子どもたちのために活動する国際NGO。国連経済社会理事会に公認・登録された、約100カ国で活動するワールド・ビジョンの日本事務所です。詳細はこちら企業プレスリリース詳細へ
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