
株式会社スペースデータ(本社:東京都港区、代表取締役社長:佐藤航陽、以下「スペースデータ」)は、宇宙AIプラットフォーム「SpaceBrain(スペースブレイン)」のレジリエンス領域「Geo-Resilience(ジオレジリエンス)」の新たなマップとして、衛星レーダー観測にもとづいて地盤の沈下・隆起を地図上で定量的に把握できる「LAND SUBSIDENCE MAP」をリリースしました。本マップは、デジタルツインを基盤としたユースケース創出の一環であり、リモートセンシングやインフラ領域のパートナーとの連携を広げていく起点と位置づけています。
本マップでは、欧州の地球観測衛星Sentinel-1(センチネル1)が繰り返し撮影したレーダー画像を、InSAR(干渉SAR:衛星レーダーの位相差から地表のわずかな変位を捉える解析手法)の時系列解析によって処理し、地盤が1年あたり何ミリ沈下・隆起しているかを示す「年変位速度」を関西エリアの2D/3D地図上に重ねて表示します。
背景:気づいたときには進んでいる、地盤沈下という「静かなリスク」
地盤の沈下や隆起は、地下水の汲み上げや地質条件、地震・火山活動などを背景に、年間数ミリ~数センチという目に見えない速さで進行します。進行に気づかないまま放置されれば、建物の傾きや堤防機能の低下、埋設された水道管・下水道管の破損といった被害につながりかねません。一方で、高い精度を持つ水準測量による監視も、測量できる地点と頻度には限りがあるため、面的な変動を継続的に捉えるには、衛星観測をはじめとする新たな手段による補完が求められていました。
こうした課題に対し、宇宙からのレーダー観測を活用すれば、地上に機器を設置することなく、広い範囲の地盤変動をミリメートル単位で面的に把握できます。スペースデータは、この衛星解析技術を専門家でなくても扱える形のダッシュボードとして提供します。
Geo-Resilienceシリーズと本マップの位置づけ
スペースデータは、宇宙AIプラットフォーム「SpaceBrain」のレジリエンス領域として、風水害・火山・干ばつなどの自然災害リスクを地図上で直感的に理解できるようにする可視化シリーズ「Geo-Resilience」を展開しています。本マップはその新たな一角として、災害が起きてから対応するのではなく、平時から地表の変化を捉え続けることで、レジリエンス(災害からの回復力・強靭さ)の起点となる「気づき」を提供するものです。
自治体の防災・都市計画部門、上下水道・道路などのライフライン事業者、地盤調査・建設コンサルタントといった実務者が、管轄エリアのどこで沈下が進んでいるかを絞り込み、現地調査や詳細点検の優先順位づけに活用することを想定しています。
主な特徴

1. 衛星レーダーの時系列解析による、年変位速度の面的な可視化
2025年9月から2026年5月までに撮影された多数のSentinel-1画像を干渉処理し、時系列解析によって大気や地形に由来する誤差を取り除いたうえで、地盤の年変位速度(mm/年)を推定しています。解析で得られた10万点を超える高品質な観測点をもとに、沈下(赤)から隆起(青)までを色の濃淡で示し、市街地の変動の広がりをひと目で確認できます。
2. 地図の表示範囲に連動して再計算されるダッシュボード
観測点を約1kmのメッシュ単位に集計し、地図をパン・ズームするたびに、表示中のエリアの最大沈下速度・最大隆起速度・平均速度、有意な沈下が見られる地点数、沈下が大きい順のワースト地点ランキング、速度の分布グラフをリアルタイムに再計算して表示します。ランキングの行をクリックすると該当地点へ地図が移動し、広域の俯瞰から個別地点の確認までを一つの画面で行えます。
3. 2つの衛星軌道の突き合わせによる確からしさの確認
衛星が北向きに飛行する軌道(北行)と南向きに飛行する軌道(南行)では、地表を見込む角度が異なります。本マップでは両軌道の解析結果を個別に表示・重ね合わせでき、片方の軌道だけに現れる見かけ上の変位やノイズを見分けることで、変動の確からしさを確認しながら読み取ることができます。
4. 3D地形・都市モデル上での直感的な把握
3D地図エンジン上で、国土地理院の地図・空中写真やフォトリアルな3D都市モデルに変位速度を重ねて表示できます。丘陵地や河川沿いの低地といった地形と地盤変動の関係を立体的に確認できるため、専門家による分析だけでなく、住民説明や防災教育の場面でも活用できます。
地盤の監視を、「測りに行くもの」から「常に見えているもの」へ
地盤の変動は、一度の観測ではなく、時間をかけた繰り返し観測の差分の中に現れます。スペースデータは、衛星が地球を周回しながら蓄積し続けている観測データを、実務者が日常的に使える情報へと変換することが、宇宙データ活用の本質的な価値のひとつだと考えています。本マップは、これまで専門的な測量や解析に支えられてきた地盤変動の監視を、地図を開けばいつでも確認できるものにすることを目指したものです。
今後の展望
スペースデータは、今後もデジタルツインを基盤としたユースケースの拡充に向けて、リモートセンシングやインフラ領域のパートナーとの連携を強化します。地盤変動の解析・計測に知見を持つ企業・研究機関との協業を通じて、衛星データが現場の判断に活きる仕組みを共につくっていきます。あわせて、Geo-Resilienceシリーズの他の可視化機能との連携を深め、自治体・インフラ事業者の防災・減災業務を支える情報基盤の構築を目指します。
株式会社スペースデータについて
株式会社スペースデータは、「宇宙を誰もが活用できる社会へ」という思いのもと、宇宙とデジタル技術の融合によって新たな産業や社会基盤を創造するテクノロジースタートアップです。地球・宇宙環境を精密に再現するデジタルツイン技術を活用して、宇宙から都市開発、防災、安全保障まで、次の未来を支えるデジタルプラットフォームの構築を目指しています。さらに、宇宙ロボット・宇宙ステーションの運用基盤開発を通じて、宇宙社会の実現に向けて取り組んでいます。
スペースデータの公式サイトでは、「NEWS」にて最新の取り組みや発表をご紹介しています。詳細は https://spacedata.jp/news をご覧ください。
社名:株式会社スペースデータ
代表:佐藤航陽
所在地:東京都港区虎ノ門1-17-1 虎ノ門ヒルズビジネスタワー 15階
資本金:15億1300万円
事業内容:宇宙開発に関わる投資と研究
HP:https://spacedata.jp
NEWS:https://spacedata.jp/news
X:https://x.com/spacedatainc
LinkedIn:https://www.linkedin.com/company/spacedatajp/
採用情報:https://www.wantedly.com/companies/spacedata/projects
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