株式会社Aqunia(本社:東京都中央区、代表取締役:出本 哲、以下「Aqunia」)は、広域を対象とした洪水予測システム「Aqunia Flood」を開発しました。
気象機関が定期的に発表する予測データを自動で取り込み、それに応じた水文シミュレーションをリアルタイムに実行することで、3日先までの河川水位と洪水による浸水の見通しを提示します。対象は、アジア・欧州・アフリカ・オセアニアを含む広域。これを約5kmの解像度で一体的に計算します。
ご利用にご関心をお持ちの政府機関、自治体、企業の皆さまからのお問い合わせを受け付けます。ご要望に応じて、ローカライズ技術(※特許出願中)を用いた、対象地域に合わせた高解像度化・高精度化にも対応します。

「Aqunia Flood」の画面イメージ(河川水位表示)
■ 背景:気候変動に伴う早期警戒システム導入への要請と、実装の壁
河川の氾濫等による洪水は、世界で年間6,000人を超える死者をもたらしていると推計されています(EM-DATの2021~2025年の洪水による年間死者数平均に基づく)。気候変動の進行に伴い、その影響は各地でさらに拡大しつつあります。こうした状況を受け、国連は2027年までに地球上のすべての人を早期警戒システム(EWS)でカバーする「Early Warnings for All」を掲げています。早期警戒は適応策の中でも費用対効果が高いとされ、24時間前の警報により被害を約30%軽減できるとの推計もあります(出典 Global Commission on Adaptation『Adapt Now』2019年)
一方で、予測がEWSに組み込まれた形で全国レベルで機能している例は限られています。背景の一つに、広域を一貫してカバーできる予測基盤が限られており、国全体を対象としたシステムに落とし込みにくいという構造的な課題があります。個別の河川ごとに構築する詳細なモデルは精度に優れる一方で、整備には時間と費用がかかります。逆に広い範囲を対象とするモデルは解像度が粗くなり、各地の実務判断にそのまま用いるには十分でない場合があります。
また、日本の防災技術は日本成長戦略(2026年7月21日閣議決定)の17の戦略分野の一つ「防災・国土強靱化」において、海外展開が期待される重点分野の一つとされており、水害等の観測・早期警戒システム(EWS)はその中核的な要素です。
■「Aqunia Flood」について
降水がどこに落ち、地表と地中をどう流れ、河川をどう下り、どこで溢れるのか。Aqunia Floodは、この一連の過程をモデルにより計算し、結果を地図上で確認できるシステムです。予測は数時間おきに更新される外部機関の気象データに合わせて再計算されるため、直近の状況を反映した最新の見通しを確認できます。過去との比較により、リスクの高まりや変化の傾向も把握できます。
主な特長
- アジア・欧州・アフリカ・オセアニアを含む広域を、約5kmの解像度で一体的に計算。任意の国・自治体にとって個別モデル構築の作業なく、予測情報を受け取れます。また、越境河川の予測も可能です
- 河川の水位に加え、氾濫による浸水域を提示。どの川がどれだけ増水し、どのあたりが浸かりうるかを、広域の傾向として把握できます※ 特定の地域についてより高精度・高解像度(90mメッシュなど)の予測が必要な場合は、Aquniaが個別にローカライズ技術(特許出願中)を適用して対応します。
- 3日先までの予測により、避難の判断や資機材の事前配置など、実際の対応に必要な時間軸を週末をまたぐ場合でもカバーします。
- PCやスマートフォンのWebブラウザから利用可能です ※スマホアプリ版は追って公開予定
※本システムの計算対象には日本国内も含まれますが、現時点では、検証を目的としたデータのご提供に限らせていただいており、リアルタイム予測データはマスクされております。現在申請中の洪水予報業務許可の取得後は、気象業務法に基づき、個別のご説明を行ったうえでご利用いただけるようになる予定です。
■ 想定される利用者と、ご利用の流れ
各国の政府機関・自治体、インフラ事業者・製造業などのリスク管理・BCP部門といった、水害への備えを担う組織でのご利用を想定しています。ご利用は、お問い合わせをいただいたうえで、ご利用目的やご要望をうかがい、アカウントを発行する流れとなります。まず、広域の予測をそのままご覧いただくことができます。そのうえで、対象地域を絞った検証や、高解像度化、現地のデータを用いた調整をご希望の場合には、ローカライズを実施したうえでご提供します。
その際、Aquniaが独自に開発したローカライズ技術(特許出願中)を用います。AIや物理モデル等により、予測性能を高めるとともに、広域予測との一貫性を保ったまま、対象地域について90mメッシュ、あるいは個別に用意可能な地形データ(DEM)の解像度に応じた高解像度の浸水予測を実現します。現地の観測データが得られる場合には、これを取り込んで精度を高めることもできます。
■ 技術基盤
「Aqunia Flood」は、東京大学生産技術研究所で開発された陸域水循環シミュレーション技術の研究成果を活用しています。これを土台として、Aqunia独自のローカライズ技術を組み合わせることで、各国・各組織の個別の要件に応じたプロダクトとして提供します。広域を一貫して計算できる基盤と、それを各地の実情に合わせて実装するローカライズ技術。この二つを組み合わせることで、研究の成果が現場で使われるまでの距離を縮めることを目指しています。なお、Aqunia Floodは一部の入力気象データとして、欧州中期予報センター(ECMWF)の予測データを利用しています。■ 現在の取り組みと今後の展望
すでに東南アジアや中央アジアなど、複数の国において、本システムを用いた実証を進めてきました。各国の政府機関や国際機関、パートナー企業との連携を通じて、現地の実務に組み込まれる形での展開に向けてさらに取り組みを加速いたします。■ お問い合わせ
本システムにご関心をお持ちの政府機関、国際機関、自治体、企業の皆さまからのお問い合わせをお待ちしています。特定地域を対象とした検証を目的とするご利用についても、ご相談を承ります。また、各国での関連事業に従事される建設コンサルタントなど、パートナーとしての連携に関するお問い合わせもお待ちしております。■ 株式会社Aquniaについて
Aquniaは、グローバル水循環シミュレーション技術を活用し、独自のローカライズ技術とあわせて各国・各地域の特性に応じた水文予測を実現する気候テック(Climate Tech)スタートアップです。地上観測網が未整備なグローバルサウス等も含めた国内外の政府・行政機関やインフラ・製造業などの民間企業に対して、大雨・洪水予測、水資源予測、中長期的な気候変動リスク評価サービスを提供しています。これらを通じて、水害被害の軽減・水不足への対応・適応の意思決定の支援など、世界各国でのEWS・予測技術の社会実装と日本の防災技術の国際展開を目指しています。<会社概要>
会社名 : 株式会社Aqunia
代表者 : 代表取締役 出本 哲
設立 : 2025年8月
所在地 : 東京都中央区日本橋
事業内容 : 洪水・水資源・気候変動リスクの予測システム開発および関連コンサルティング
公式サイト: https://aqunia.com
【問合せフォーム】
https://aqunia.com/contact/
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