大学発ディープテック上場14社の役員91人を調査。経営幹部の41.8%は社外出身、社員が役員になるまで中央値1年(大手製薬は27年)
株式会社キープレイヤーズ(東京都港区、代表取締役:高野秀敏)は、大学・公的研究機関の研究から生まれて上場したディープテック企業14社の役員91人について、有価証券報告書の略歴を1件ずつ分類した調査結果を公開しました。外部から迎えた役員は41.8%で、比較した大手製薬5社の24.4%の1.7倍でした。社員として入社してから役員になるまでの年数は中央値で1年、大手製薬は27年です。初めて役員に就任した年齢の中央値は45歳で、大手製薬より7歳若い結果となりました。調査の全文と図表は https://keyplayers.jp/deeptech-cxo/ で公開しています。
■調査の背景
ディープテック企業から、CXOを採用したいという相談が増えています。相談の場でいつも突き当たるのが「どこから採ればいいのか」という問いです。研究者の集団に、経営が分かる人を迎えたい。そう言われたときに、大手製薬から採るのか、金融から採るのか、コンサルから採るのかを、感覚ではなく数字で答えたいと考えました。すでに上場した企業が実際にどこから採用してきたのかを数えれば、それが最も確かな答えになります。
■結果1 外部から迎えた役員は41.8%で、大手製薬の1.7倍
大学発14社の役員91人のうち、社外から直接役員に就任した人が18人、入社した年のうちに役員になった人が20人で、合わせて38人(41.8%)が外部から迎えた役員でした。社員として入社してから役員になった人は28人(30.8%)、創業メンバーが9人(9.9%)、他社に在籍したまま役員に就いている人が16人(17.6%)です。
大手製薬5社では、外部から迎えた役員は45人中11人(24.4%)にとどまり、社内から昇格した役員が19人(42.2%)で最も多くなりました。大学発の企業は、研究者の集団に足りない経営の力を、外部から迎えて補っていると読み取れます。
■結果2 社員から役員になるまで、大学発は中央値1年、大手製薬は27年
社内から役員になった人に限って比較しても、道のりは大きく異なります。大学発14社の28人は、入社から役員就任まで中央値で1年でした。17人(61%)が2年以内に役員になっています。大手製薬5社の19人は中央値27年です。大学発企業の「社内からの昇格」は、長く育てた人の登用ではなく、役員含みで迎えた人を早期に役員にしている実態を示しています。
■結果3 役員に就任する年齢は、若い側で10歳の差
生年月日が分かる役員について、初めて役員に就任した年齢を比較しました(兼任・派遣を除く)。大学発14社の64人は中央値45歳、25%点は38歳です。大手製薬5社の30人は中央値52歳、25%点は48歳でした。41歳以下で役員になった人の割合は、大学発が39%、大手製薬が13%です。
■結果4 研究開発はアカデミア出身、社長は3つの経路から
担当職能ごとに、役員就任前の経歴を分類しました。研究開発・技術を担当する役員21人は、アカデミア・公的研究機関の出身が48%、大手製薬・バイオが33%です。社長・CEOの42人は、アカデミアが31%、外資系コンサルティングファームが26%、大手製薬・バイオが24%と、研究者、コンサル、製薬会社の3つの経路がほぼ同じ厚みで並びました。財務・管理の役員は18人で、監査法人・会計士出身が28%、ほかの経歴にも分散しています。
■ヘッドハンターとしての見解(高野秀敏)
ディープテックの経営幹部採用でよく聞くのが、「技術が分かる人でないと務まらない」という前提です。しかし数字は逆を示していました。すでに上場した企業は、経営の役割を外部から迎え、しかも入社してすぐに役員を任せています。研究者を時間をかけて経営者に育てるのではなく、経営を担う人を早く迎えて、早く任せる。この覚悟の差が、調査結果に表れています。採用の設計を考えるときは、どの職能を外から迎え、どの職能を社内から上げるのかを、最初に決めることをおすすめします。
■調査概要
調査名:大学発ディープテック上場企業のCXO採用に関する調査
対象:大学・公的研究機関・国の研究開発プログラムの成果から生まれた上場企業14社(創薬、再生医療、医療機器、宇宙、ロボティクス、AI)の役員91人
比較群:大手製薬5社(中外製薬、第一三共、塩野義製薬、エーザイ、小野薬品工業)の現任役員45人
分類した項目:役員になった経路、役員就任前の経歴、役員就任時の年齢、社員として入社してから役員になるまでの年数
定義:経済産業省「ディープテック・スタートアップ支援事業の基本方針」(令和7年6月)の対象要件と、経済産業省「大学発ベンチャーデータベース」の類型に基づき、大学での研究成果の事業化のために設立された企業、および創業から5年以内に大学との共同研究や技術移転を受けた企業を対象としました。学生ベンチャー、出資関係のみの関連ベンチャーは含みません。
出典:各社の有価証券報告書(役員の状況、役員の略歴、沿革)、経済産業省の前掲2資料。2026年9月取得。
集計:株式会社キープレイヤーズ
公開ページ:https://keyplayers.jp/deeptech-cxo/
■よくある質問
Q. ディープテック企業のCXOは、どこから採用されていますか。
A. 上場した大学発ディープテック14社では、役員の41.8%が社外から迎えられています。社長・CEOはアカデミア31%、外資系コンサル26%、大手製薬・バイオ24%と、3つの経路に分かれます。研究開発担当役員は48%がアカデミア出身です。
Q. 社員が役員になるまで、どのくらいかかりますか。
A. 大学発ディープテック14社では中央値1年、61%が2年以内に役員になっています。大手製薬5社の中央値は27年です。
Q. 役員になる年齢は何歳くらいですか。
A. 大学発ディープテック14社では中央値45歳、25%点は38歳です。大手製薬5社は中央値52歳でした。
■会社概要
株式会社キープレイヤーズ
代表取締役:高野秀敏(ヘッドハンター)
所在地:東京都港区西新橋3-5-9 HOYO新虎ビル7階
事業内容:スタートアップ・ベンチャーの経営幹部のヘッドハンティング、採用・組織づくりの顧問、人材会社のM&A
代表者略歴:1999年に株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア)入社。2005年に株式会社キープレイヤーズを設立。人材紹介の仕事は27年、経営者・エグゼクティブの支援は4,000名以上、キャリア相談は1万2000件以上。上場企業の支援は178社以上、エンジェル投資は80社以上(うち9社が上場)。クラウドワークスとメドレーでは創業から役員を務め、上場を経験。
コーポレートサイト:https://keyplayers.jp/
経営幹部のヘッドハンティング:https://keyplayers.jp/headhunting/
本件に関するお問い合わせ:https://keyplayers.jp/contact/
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