[mobidec 2005]ドコモのコンテンツ戦略、リアルとの連携強化とリッチなコンテンツが重要 | RBB TODAY

[mobidec 2005]ドコモのコンテンツ戦略、リアルとの連携強化とリッチなコンテンツが重要

エンタープライズ モバイルBIZ
 mobidec2005 初日の29日、「ドコモのコンテンツ戦略の今後 〜キーワードはリアル&リッチ〜」と題して、NTTドコモの山口善輝氏が同社のコンテンツ戦略の現状と今後を紹介した。
 mobidec2005 初日の29日、「ドコモのコンテンツ戦略の今後 〜キーワードはリアル&リッチ〜」と題して、NTTドコモの山口善輝氏が同社のコンテンツ戦略の現状と今後を紹介した。 全 7 枚
拡大写真
 Mobile Content Forum(MCF)が主催する「MCFモバイル・デベロッパー・コンファレンスmobidec 2005」が、11月29日、30日の2日にわたって秋葉原で開催された。mobidec初日の29日、「ドコモのコンテンツ戦略の今後 〜キーワードはリアル&リッチ〜」と題して、NTTドコモの山口善輝氏が同社のコンテンツ戦略の現状と今後を紹介した。

 山口氏は、まず、同社のコンテンツ事業の現在について、さまざまな数字を挙げて紹介。同社が力を入れているFOMAについて注目すると、今年9月の時点でのFOMAの契約数は1,677万契約、90Xシリーズ端末の累計販売台数は1,500万台に上っているという。資料を見ると、900i発売後の2004年7月で500万契約、901i発売後の2005年2月に1000万契約、901iS発売の2005年8月で1,500万契約というように、魅力的な端末の登場に合わせるかのように、半年に500万契約単位で増加している。

 今後のコンテンツビジネスの成長についても、タイミング良く魅力的なサービスと端末を提供していけるかどうかが鍵を握っていると言えそうだ。movaからFOMAへの移行も順調に推移しており、同社では、今年度末のFOMA契約数を2,350万契約と予測しているという。

◆ 来年1月にはモバイルSuiCaでリアルとの連携を強化

 同社では、今後のコンテンツ戦略のキーワードを「リアル&リッチ」と位置づけ、おサイフケータイに代表されるリアルとの連携と、ゲームや音楽・動画配信に代表されるリッチなコンテンツの提供が、今後の戦略の重要なキーワードであると位置づけている。

 まず、リアルとの連携についてだが、「おサイフケータイ」は901iSシリーズ全機種搭載により対応端末数が急激に上昇し、10月時点で650万契約に達しているという。2006年1月には、モバイルSuiCaサービスの開始を予定しており、さらなる普及に拍車をかけることが予測される。そのほか、「Gガイド番組表リモコン」などのiアプリで威力を発揮する赤外線通信対応端末の販売台数は約3,600万台、バーコードリーダー対応端末の販売台数は約2,700万台(いずれもmova+FOMAの累計、10月時点)となっている。

◆ FOMAユーザはコンテンツの利用にもアクティブ!?

 コンテンツ利用者の実態も数字で示された。同社のパケット定額サービスである「パケホーダイ」の契約者数は6月の時点で330万契約で、新規契約のうち同サービスの契約比率は40%で推移し続けている。このことから、新規契約者は、パケット通信による各種サービスを相当量利用する目的を持っていることがわかる。

 さらに、9月時点でのmovaとFOMAのマイメニュー登録状況からは、興味深い傾向がわかるという。有料マイメニューを1つも登録していないユーザの数は、movaでは59%であるのに対して、FOMAでは33%となっている。このことから同社では、FOMAユーザのほうが、movaに比べてアクティブにコンテンツを利用する傾向にあると分析している。

 いわゆるリッチコンテンツについての概括では、マーケットについて同社は、9月現在でのゲームジャンルの市場規模を約35億円、着メロ市場は50億円、着うた/着モーション市場は25億円の規模と見積もっていると語る。他社にないオリジナルサービス「デコメール」は、現在24サイトで提供中で、送信数は10月現在で累計約6,000万通に達しているという。

 また、同社は今後期待される分野として小説やコミックに注目しているという。小説・コミックのマイメニュー登録数が増加傾向にあり、特にコミックの伸びが顕著であるとのこと。さらに、テレビ番組の占い人気を反映して、占いコンテンツも人気で、マイメニュー登録数が伸びているという。

 iモードショッピングサイトは、専門サイトとサイト内にショッピングコーナー持つものを含めて、現在390サイトに達している。特に、ここ1年ほどは、ファッションやコスメのサイトにアクセスが集中しており、ショッピングサイトにおいても同分野が人気とのことだ。

◆ 新たなサービスの提供と協業でさらなる市場拡大を

 山口氏は、今後は値下げ競争や新しい携帯電話会社の参入で、同社が収益を上げにくくなっていくと認め、収益をあげていくためには、他社との協業体制を強化し、新しいサービスや魅力的な端末を投入していく必要があると、今後の戦略をまとめた。

 今後注目されるサービスとして「プッシュトーク」、「トルカ」、「iチャネル」を、注目される端末については、「らくらくホン」や「キッズケータイSA800i」などを紹介した。らくらくホンやキッズケータイについては、ユーザ層に合わせたiメニューも紹介し、新たなコンテンツ展開の可能性を示唆した。また、収益拡大の協業については、三井住友カードと提携してクレジットカードとしての利用ができる新サービス「iD」を挙げた。

 最後に、iモードコンテンツのワールドワイドな広がりについても紹介した。iモードは、6月時点で海外500万契約以上で、提供エリアは21の国と地域(うち予定国・地域は11)となっており、今後は海外ユーザも視野に入れた新たな展開も考えられるとのことだ。

《竹内充彦》

特集

【注目記事】
【注目の記事】[PR]

この記事の写真

/

関連ニュース