おサイフケータイ×公共交通—利用率65%以上!!
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おサイフケータイと公共交通との密接な関わりや、地方における事例は、愛媛県松山市の伊予鉄道を筆頭に増えてきている。地方の公共交通は地域経済において重要な役割を担い、一方で急速なクルマ社会の進展の影響を受けている。
筆者が取材した今年のITS世界会議サンフランシスコでは、「地域ITS」と「公共交通」は重要なテーマだった。日本ではおサイフケータイという携帯電話からの先進的なアプローチが、公共交通ビジネスと連携・融合し始めているが、今回スタートしたモバイル長崎スマートカードもまた、そうした「おサイフケータイ×公共交通」の先進事例のひとつである。
長崎市は海と山とに挟まれた土地にできた街だ。平野部は少なく、坂が多い。そのため長崎市街を中心に駐車場が少なく、クルマを利用しにくい環境にある。公共交通のバスと路面電車が市民の足という環境は、今年のITS世界会議が開かれたサンフランシスコに似ている部分がある。
このような背景もあり、長崎におけるバスのIT化は他を先駆けている。2002年1月からFeliCaカードを使った共通ICカード「長崎スマートーカード」のサービスを開始。現在までに発行された長崎スマートカードは定期券も含めて約31万4000枚で、2004年度の年間利用件数は約5952万件。FeliCaカードの利用率は約65.4%であり、非接触IC乗車券の利用率ではJR東日本のSuicaを超えている。実際にバスに乗った印象でも、乗客の多くがカードをかざしてピピッと乗降しており、その普及ぶりがわかる。
(神尾寿)
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