松下とスクウェア・エニックス、デジタル家電用コンテンツの開発・利用環境を共同構築
IT・デジタル
その他
注目記事
-
瑞原明奈選手や伊達朱里紗選手がアクリルスタンドプレゼント(PR))
-
TBSと松下、ワンセグと携帯通信を連携させた試行サービスを10日開始のテレビ番組で実施
-
松下、テレビに映った画像をプリントできるA4ホームプリンタ「KX-PG2」

今回の合意に基づき、両社は2007年3月までに、松下電器産業のデジタル家電統合プラットフォーム「UniPhier(ユニフィエ)」に、スクウェア・エニックスのミドルウェア「SEAD Engine(シード エンジン)」)を組み込み、さまざまなデジタル家電に対して互換性のある、シームレスなコンテンツ利用環境、ならびに開発環境を構築し、その技術やノウハウを蓄積する。またこの開発・利用環境を、他のデジタル家電メーカーやコンテンツプロバイダに共同で提案していくという。
UniPhierは「Universal Platform for High-quality Image Enhancing Revolution」の略で、2004年9月にコンセプトが発表され、2005年10月以降、実際のデジタル家電機器に搭載されているデジタル家電統合プラットフォームだ。CPUならびにメディアプロセッサ(UniPhierプロセッサ)とI/Oなどを、最適化システムLSIとしてまとめたハードウェア部分と、デバイスドライバやOS、ミドルウェアとメディアライブラリから成るソフトウェア部分によって構成されている。
SEAD Engineは「Square Enix Application on Demand Engine」の略で、米UIEvolution社が開発したミドルウェア「UIEngine」をベースに、グラフィックやサウンド、非同期通信などのソフトウェアを統合し、表現力を強化したミドルウェアだ。
共同開発ではUniPhierのミドルウェアにSEAD Engineが提供され、両社共同で実装を行うほか、スクウェア・エニックスの3Dグラフィックス技術が提供され、UniPhierの3Dエンジンと連携する。2006年上期にプロトタイプ開発を進め、その後の開発・利用環境の構築フェーズにおいてアプリケーションやコンテンツの制作、また開発環境の提供や他の企業への提案などを行い、2007年下期を目標ににソリューション提供を開始したいとしている。
松下電器産業の古池進副社長は、UniPhierのコンセプトについて「ユビキタスネットワークへの布石」と説明。従来は機器(商品分野)ごとに異なるプラットフォームで開発していたコンテンツを、UniPhierを利用することで、商品分野間の壁を越えて使い回せるようになるため、開発効率が向上し、シームレスに楽しめるようになるという。そのため特に、安心で安全なコンテンツ利用のためのセキュア機構と、高品質なグラフィックス表現のために3Dグラフィックスエンジンを組み込んで来たと述べた。
スクウェア・エニックスの和田洋一社長は、同社が従来、PCゲームから家庭用ゲーム機、そして携帯電話ゲームへとプラットフォームを拡大してきたと述べ、最後に残ったデジタル家電分野は「最も巨大で肥沃なマーケット」であると語った。しかし、複数の個別プラットフォームへと移植を繰り返す開発方式では、移植による累積コストが増大していたと指摘。とりわけデジタル家電については、個別の機器向けの開発とならざるを得ないためコストが合わず、そもそも考慮の対象にならなかったと述べた。
和田氏は今回の合意により、こうした問題が解決され、コンテンツプロバイダがデジタル家電に対して容易にコンテンツを提供できるようになること、すなわちデジタル家電がコンテンツ配信先の選択肢になること自体の意義を強調した。
《小笠原陽介》
特集
この記事の写真
/