【新米編集者みおみおが行く!(第1回)】キッカケは〜タマネギ
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会社以外で、復活を待つ声を聞いたことがありません。
なのにみおみお、3度目の登場です。
お久しぶりです。
早速ですが、だまされました。
編集長の話では、今回の取材は
横浜の、シーサイド。ヨットハーバー!
シーフードのおいしいレストランでランチ!
フィッシングも盛んなリゾート!
現実は
横浜の臨海工業都市・磯子。
一面に見渡すは無機質な壁に高い煙突。海辺にせり出す長いクレーン。
シーフードのおいしいレストランは3時まで。
釣ざお投げ出す皆さま方……釣った魚は召し上がる、んです、か……
嗚呼、風が冷たい。
編集長の、見送る顔で、なんとなくだまされていることには気付いていたけれど
それでも一縷の良心を信じてきた私を
何がなぐさめてくれるのだろうか……
ってか、いや、私学べよ! いい加減学べよ!!
あ、遠くに軍艦が見える……
さかのぼること数日前。
Vistaマシン組み立て企画のために高速電脳という秋葉原のショップに買い物に行って
いろいろ参考になるお話を伺いました。そのお礼に行った時のこと、
レジ下ショーケース内に奇妙な物体を発見!!
横に仲良く2つファンが並んで、そこから太い銅線の(ような)足が3つ突き出し、下の土台を結んでいます。手に持つと、見た目通りズシリと重い。
何コレ!! でっか! PCパーツじゃないだろ、これ!
高速電脳に何がまぎれ込んだんだよ的な、ちょっと通常じゃ有り得ないこれは一体……!!
「CPUクーラーです」(店長)
嘘だッ!!!
こんなでかいCPUクーラーがあるものか! マザーボード折れちゃうよ!
「じゃあこっちはどうですか」
面白がりすぎの私に、次の手を繰り出す店員さん(高速電脳某ビジュアル担当。でも今回は写ってない)
うはははは!! なんか丸っこい妙なもん出てきた!
両手でやっと支えられる銀で筋張ってるコイツは、
一言でたとえるならまさに……タマネギ。
ご丁寧に根っこの部分からにょろっとコードまで出てます。ジャンパー設定部分までついてて、やけに高機能です。
この縦の筋、みじん切り用に縦に切れ目入れた跡だな。ココまできたら、次は平行に切れ目を入れて、ざくざく切り刻むだけだ!
そんな、用意のいいタマネギもCPUクーラーだっていうんですか!?
「言うんです!」
やけに面白そうな店員さん(ビジュアル担当。写ってない)
ケースに入れちゃったら、CPUクーラーなんて見えないのに、なんでここまでデザインに凝ってるのか!
クリアケースは高ーいからいやな人も多いよ。
それとも見えないところに気を遣うのが本当のオシャレとでもいいたげなのか?
この(無駄に)気合の入ったデザイン! ステキ過ぎる!!
この2つ、クーラーマスターとかいう会社の製品で
やけに凝ったデザインのクーラーが有名なんだそうで。
そこの代理店も務めてる高速電脳さんがした「Vistaのときのお礼っていうなら、ちょっと本社行って新製品のこと聞いてきてくれ」的発言の流れにいつの間に乗っかってて、編集長もそれに乗り気になっちゃって、渋る私に甘言をささやく皆さん……焼き肉食わされて……その後の記憶はありません。
そしていつの間にか、冷たい風にさらされているわが身。
……あの編集部にいる限り、味方ははっきり見極めねばならぬな!!
タマネギとか、超合金みたいな面白デザインパーツを作る会社なら
もっと面白いもんがあったりはしないかと、前向きに期待してみました。
いわゆる1つの、エマージェンシーボタンとか。
ってことで、私はここに来たのでした。
横浜市磯子区某ビルディング。
4Fカフェラウンジ。コーヒーが……温かい。
私の向かいには…クーラーマスター社長、浅原由博さん。
微糖コーヒーを飲みながらいろんなお話をしました。
本社倉庫は200坪だとか、もう200坪あってあわせて400坪らしいとか。
そのもう1つが微妙に離れてるから、雨の日とか動くの面倒くさい距離じゃないのかなぁ、とか。コンシューマー製品と企業向け製品は、およそ半々で扱っているだとか、
企業向け製品ってのは、組みあがって売ってるメーカーPCのほかにも、車作る工作ロボットにも、POSっていういわゆるスーパーのレジだとか、今後は高機能パチンコにも使われてくんだよ、とか……
(パチンコエヴァンゲリオンのユイ暴走って何なのかしらね。グラフィック向上したら来夏の映画くらいまるまる流せるのかなぁ。容量の問題とか、そういうんじゃないよなぁ、CPUの性能向上って)。
以下、少しずつ専門的な話になってきて、一介の編集者には、わけわからんちんになってきたので詳しくは突っ込めず。かろうじてわかったのはクーラーのファンの種類で
・ボールベアリングは、ボールが回る。音は出るけど長寿命。
・スリーブはバームクーヘン型。静かだけど、寿命が短い。浅原さんはお好きじゃない。
全部ファンの回転軸の話。ボールベアリングのボールが見たいから、誰かCPUクーラーについてるファンください。自分の? いやいや、今機動中ですから無理ッスよ。
えーっと、あともう1つあったなぁ、りゅ、流体動…圧…軸…う…受け? 油がどうとか、言ってたような……(編集部注:正確には流体軸受)
…あ、っとはい…倉庫! 倉庫ですね! 倉庫行きます!!
はぁはぁはぁ…ふぅ、いやな汗かいた……。
擬態なんてあんまり気にしたことなかったから、まだまだ技術が稚拙だわ……こんな一連の流れがカットされず残ったら、この世に奇跡の存在を私は信じられる。
ということで1階にある倉庫。
硬い床に足音が響く、200坪。
だだっぴろいなぁ〜。ホテルの小宴会場くらい? いや、中かな。社交ダンスで、10組ぐらいは踊れそうですね。でも天井、パイプは丸出しだし、やけに高いし、空調肌寒いし、完全に優先権が人間よりも荷物です。ま、負けた気分……!
そう心の中で叫んでみても、私の頭を軽く超えたダンボールタワーは、どんどんどどん! とにょっきり伸びて、あざ笑うかのように見下ろしてきます。
なんだこの威圧感はっ! この所狭しと置かれたダンボールの量の所為か!
(ここでかくれんぼとかしたら、やけに楽しそうなダンボールジャングル)。
これが、1コンテナで640本一気に船輸送してくる結果なのか!
640本のPCケースって、体育館何個分? のような世界ですよ。
もしかしたら、東京ドーム何個分、の域やもしれません(多すぎ)。
それだけ運んできたら、そりゃ場所はなくなるでしょうが……コレは高く積みすぎじゃないですかねぇ……しかも、支えるための器具とかまるでないって、どういうこと。
地震来たらひどいことになりそうですよ……
浅原さんが、さわやかに言います。
「この前、震度5きても大丈夫だったので、まだまだいけますよ!」
そうですか! いけますか!
……ってばかーーー!!
社長! そんな商品管理手腕はありなのですかっ!!
夜な夜な1人、薄暗く冷えた倉庫の片隅、ちょっとした物音も響く静かな作業場で、1つ1つ、不良品の点検・修理をするハメになるのは、貴方なのですよ……!
おお、これが泣かずにいられようか!可哀想な浅原さん!(編集部注:みおみおの暴言をお許し下さい)
予定されてる改装工事で、早くケースやクーラーが安心して眠れる場所を作っていただきたいものです。はらはら。
って、あれ? ケースですか?
クーラーマスターっていうからには、クーラーメインじゃないんですか?
「パーツは、マザーボード以外はほとんどやってますよ。コンシューマー向けはむしろケースで知られてるんですよね」
名前に引きずられて、なにやら皮肉なめぐり合わせですねぇ。
簡単に、クーラーマスター注目のケース紹介。
■centurion 5
業界じゃ異例の3年続くロングセラー。そのヒミツはこの5色のカラーにアリ!
前面は黒メッシュで統一。その縁を飾るメタリックな部分を5色に色分け。心憎い演出。私は赤だな、媚びてない、キリッとした赤みがいい! ポート部分も色分けされてる、細かい配慮がうれしい。
今やPCも、ファッション感覚ですね。
「これの、赤。まだあるかしら」とか「あら、私、これの銀、もってるわ」「いえいえ、やっぱり黄色ざーます」なんて勇敢、違った、有閑マダムのやり取りがある日も近いですよ。5色かぁ。これからも色だけにいろいろ増やしてってくれないかなぁ……
■CM Media
変哲も凹凸も少ない、色の変化も少ない。強いて言えば、目立つのはばかでかさ(さっきからばかでかいものばっかだな、ココ)。の、割にはMediaなんて偉そうな名前がついてるじゃねぇか、と思ったら、なんと!
DVDドライブ、差込口が90度回転して差込可能。この発想は無かったわ。
でも横型かぁ……。
テレビの横に置くにはいいよね、ってものなんだって。
テレビなんかのメディア対応だから、“CM Media”。ふーむ。
■CM Media 830
あ、あとメッシュ部色違いのCMSTACKER 831もでるよ!
第一印象は…バッシュ。ちょっと前に流行った、エアうんたらなバスケットシューズみたいに、角ばったベースと、側面をぼこっと覆うメッシュ。それでも感じるスタイリッシュ。スイッチ関係、ポートは上に配置で、デザインの邪魔は一切しません。
メッシュに色を付けたCMSTACKER 831は、社長の浅原さんにして「見せ用デザイン」と言わしめた、クーラーマスター自慢の逸品と言えよう……!
個人デザイン事務所などに、よく似合うんだろうなと、そんな感想。
開くか、個人デザイン事務所。3日でつぶれるだろうけど!
■CM Media 831
CMSTACKER 831はレインボーカラーで展開ってことですが、
「レインボーカラー」ってことは7色?
浅原さんはふと止まり、「青と赤と橙と……えっと、あとでご連絡します!」
社長も今時点で把握しきれてなかった、そんな人間味。
そういえば、あのですね。
タマネギがみたいんですよ。
「タマネギ…Marsですね! あれをご存知なんですか! 通ですね〜」
さすが玄人向け高速電脳。たまたま見つけただけの私まで玄人っぽくなった。お礼に行っておいてよかった、高速電脳!
「在庫あったかなぁ……生産はもう終了していて、来期くらいに新バージョンが出る予定なんですよ。売れないからやめとけ、って言ってるんですけどねぇ」
浅原さんのぶっちゃけ話を聞きながら待つことしばし、倉庫の奥から銀色の物体を持って、浅原さんお戻りです。
ほおおおおぉぉ……本物の、動くタマネギがあそこに!!
「どうぞ!」
そっと手渡された、銀色のタマネギは……お、重っ。やっぱりずしっと!
相変わらず縦に切れ目入って、見た目は軽さを重視しているようですが、無駄なあがき。
この重さが愛の重さか……なんか、かわいくみえてきたな、コイツ。
隙間に目を凝らすと、中に見える小さめの黒いファン。
高速電脳の店員さんは「機能も確かですよ」とは言っていたものの、タマネギの実部分がリアルで、どうしてもファンはオマケについているように見えてしまう不思議。
嗚呼……根っこを引きちぎって調理してやりたい!
新バージョンは、アルミ部が銅に変わるそうなので、ますますタマネギ。ますます重い。刻まなくても泣きたくなる、CPUクーラーでした!(うまいこと言った)
続けて、ばかでかいNo1の呼び声高い『風神匠』。
お前はモスか! 匠ってなんだ!
そんなだから、5センチ角1つの板を冷やすために、板チョコみたいな大きさで2つもファンを使って、銅脚まで生えちゃうんだ!ベースは黒で統一してあるあたりが、ほんと匠っぽくて、憎ったらしいたらありゃしない!
小娘お断りとでも言いたいのかしらっ、キィィィィッ!!!
「でも『Mars』と違って、見た目と性能がちゃんと同レベルでくっついてきてるからオススメですよ」
これで効かなかったら、ある種詐欺だッつの!! まったくもう!
って、ん? タマネギMarsはなんだって言いました………?
……せっかく芽生えた愛の日を消さないために、聞かなかったことにしよう!
ちなみに、風神の名付け親は高速電脳の社長さんだそう。またえらくごつい名前を付けましたなぁ!
そして、今の秘蔵っ子。未発売のビデオカード用クーラーCoolViva Proも見せていただきました。ビデオカード用クーラーがあることに驚き、その形状が特撮変身グッズみたいでトキメキ。でも私は使い道がないことを悟り、そっと箱に戻す。
そうか、特撮モノ、っていうか、具体的に仮面ライダーの変身ベルトを思い起こさせるんだ……! 戻した後に気付くも、まぁいいか、また見直さなくても。
最後の締めに、と浅原さんが倉庫の脇に行って、なにやら操作し始めました。
なんでしょか、と思っていると、今まで壁になっていた、大きなシャッターがゴゴゴゴゴゴと音を立てて、上がっていきます。
薄暗かった倉庫に差し込む、鋭い日光!
うわあああああぁ!! 春の日差しが引きこもりには目に痛い!
でも、きもちいい!! 磯子の日差しも捨てたもんじゃないね、さっきは見くびって悪かった! 良ければなんでも、簡単に意見をひっくり返すのが私の長所さ!!
終わりよければ全てよし!
「お食事処 浜ちゃん」でミックスフライは食べ損ねたけどな! かわいいネコがいたからそれでいいんだよ、にゃー!! 軍艦乗ってどこかにも行けなかったけどな!
よし! 新宿帰る!
あー帰り何食べよ!
なのにみおみお、3度目の登場です。
お久しぶりです。
早速ですが、だまされました。
編集長の話では、今回の取材は
横浜の、シーサイド。ヨットハーバー!
シーフードのおいしいレストランでランチ!
フィッシングも盛んなリゾート!
現実は
横浜の臨海工業都市・磯子。
一面に見渡すは無機質な壁に高い煙突。海辺にせり出す長いクレーン。
シーフードのおいしいレストランは3時まで。
釣ざお投げ出す皆さま方……釣った魚は召し上がる、んです、か……
嗚呼、風が冷たい。
編集長の、見送る顔で、なんとなくだまされていることには気付いていたけれど
それでも一縷の良心を信じてきた私を
何がなぐさめてくれるのだろうか……
ってか、いや、私学べよ! いい加減学べよ!!
あ、遠くに軍艦が見える……
さかのぼること数日前。
Vistaマシン組み立て企画のために高速電脳という秋葉原のショップに買い物に行って
いろいろ参考になるお話を伺いました。そのお礼に行った時のこと、
レジ下ショーケース内に奇妙な物体を発見!!
横に仲良く2つファンが並んで、そこから太い銅線の(ような)足が3つ突き出し、下の土台を結んでいます。手に持つと、見た目通りズシリと重い。
何コレ!! でっか! PCパーツじゃないだろ、これ!
高速電脳に何がまぎれ込んだんだよ的な、ちょっと通常じゃ有り得ないこれは一体……!!
「CPUクーラーです」(店長)
嘘だッ!!!
こんなでかいCPUクーラーがあるものか! マザーボード折れちゃうよ!
「じゃあこっちはどうですか」
面白がりすぎの私に、次の手を繰り出す店員さん(高速電脳某ビジュアル担当。でも今回は写ってない)
うはははは!! なんか丸っこい妙なもん出てきた!
両手でやっと支えられる銀で筋張ってるコイツは、
一言でたとえるならまさに……タマネギ。
ご丁寧に根っこの部分からにょろっとコードまで出てます。ジャンパー設定部分までついてて、やけに高機能です。
この縦の筋、みじん切り用に縦に切れ目入れた跡だな。ココまできたら、次は平行に切れ目を入れて、ざくざく切り刻むだけだ!
そんな、用意のいいタマネギもCPUクーラーだっていうんですか!?
「言うんです!」
やけに面白そうな店員さん(ビジュアル担当。写ってない)
ケースに入れちゃったら、CPUクーラーなんて見えないのに、なんでここまでデザインに凝ってるのか!
クリアケースは高ーいからいやな人も多いよ。
それとも見えないところに気を遣うのが本当のオシャレとでもいいたげなのか?
この(無駄に)気合の入ったデザイン! ステキ過ぎる!!
この2つ、クーラーマスターとかいう会社の製品で
やけに凝ったデザインのクーラーが有名なんだそうで。
そこの代理店も務めてる高速電脳さんがした「Vistaのときのお礼っていうなら、ちょっと本社行って新製品のこと聞いてきてくれ」的発言の流れにいつの間に乗っかってて、編集長もそれに乗り気になっちゃって、渋る私に甘言をささやく皆さん……焼き肉食わされて……その後の記憶はありません。
そしていつの間にか、冷たい風にさらされているわが身。
……あの編集部にいる限り、味方ははっきり見極めねばならぬな!!
タマネギとか、超合金みたいな面白デザインパーツを作る会社なら
もっと面白いもんがあったりはしないかと、前向きに期待してみました。
いわゆる1つの、エマージェンシーボタンとか。
ってことで、私はここに来たのでした。
横浜市磯子区某ビルディング。
4Fカフェラウンジ。コーヒーが……温かい。
私の向かいには…クーラーマスター社長、浅原由博さん。
微糖コーヒーを飲みながらいろんなお話をしました。
本社倉庫は200坪だとか、もう200坪あってあわせて400坪らしいとか。
そのもう1つが微妙に離れてるから、雨の日とか動くの面倒くさい距離じゃないのかなぁ、とか。コンシューマー製品と企業向け製品は、およそ半々で扱っているだとか、
企業向け製品ってのは、組みあがって売ってるメーカーPCのほかにも、車作る工作ロボットにも、POSっていういわゆるスーパーのレジだとか、今後は高機能パチンコにも使われてくんだよ、とか……
(パチンコエヴァンゲリオンのユイ暴走って何なのかしらね。グラフィック向上したら来夏の映画くらいまるまる流せるのかなぁ。容量の問題とか、そういうんじゃないよなぁ、CPUの性能向上って)。
以下、少しずつ専門的な話になってきて、一介の編集者には、わけわからんちんになってきたので詳しくは突っ込めず。かろうじてわかったのはクーラーのファンの種類で
・ボールベアリングは、ボールが回る。音は出るけど長寿命。
・スリーブはバームクーヘン型。静かだけど、寿命が短い。浅原さんはお好きじゃない。
全部ファンの回転軸の話。ボールベアリングのボールが見たいから、誰かCPUクーラーについてるファンください。自分の? いやいや、今機動中ですから無理ッスよ。
えーっと、あともう1つあったなぁ、りゅ、流体動…圧…軸…う…受け? 油がどうとか、言ってたような……(編集部注:正確には流体軸受)
…あ、っとはい…倉庫! 倉庫ですね! 倉庫行きます!!
はぁはぁはぁ…ふぅ、いやな汗かいた……。
擬態なんてあんまり気にしたことなかったから、まだまだ技術が稚拙だわ……こんな一連の流れがカットされず残ったら、この世に奇跡の存在を私は信じられる。
ということで1階にある倉庫。
硬い床に足音が響く、200坪。
だだっぴろいなぁ〜。ホテルの小宴会場くらい? いや、中かな。社交ダンスで、10組ぐらいは踊れそうですね。でも天井、パイプは丸出しだし、やけに高いし、空調肌寒いし、完全に優先権が人間よりも荷物です。ま、負けた気分……!
そう心の中で叫んでみても、私の頭を軽く超えたダンボールタワーは、どんどんどどん! とにょっきり伸びて、あざ笑うかのように見下ろしてきます。
なんだこの威圧感はっ! この所狭しと置かれたダンボールの量の所為か!
(ここでかくれんぼとかしたら、やけに楽しそうなダンボールジャングル)。
これが、1コンテナで640本一気に船輸送してくる結果なのか!
640本のPCケースって、体育館何個分? のような世界ですよ。
もしかしたら、東京ドーム何個分、の域やもしれません(多すぎ)。
それだけ運んできたら、そりゃ場所はなくなるでしょうが……コレは高く積みすぎじゃないですかねぇ……しかも、支えるための器具とかまるでないって、どういうこと。
地震来たらひどいことになりそうですよ……
浅原さんが、さわやかに言います。
「この前、震度5きても大丈夫だったので、まだまだいけますよ!」
そうですか! いけますか!
……ってばかーーー!!
社長! そんな商品管理手腕はありなのですかっ!!
夜な夜な1人、薄暗く冷えた倉庫の片隅、ちょっとした物音も響く静かな作業場で、1つ1つ、不良品の点検・修理をするハメになるのは、貴方なのですよ……!
おお、これが泣かずにいられようか!可哀想な浅原さん!(編集部注:みおみおの暴言をお許し下さい)
予定されてる改装工事で、早くケースやクーラーが安心して眠れる場所を作っていただきたいものです。はらはら。
って、あれ? ケースですか?
クーラーマスターっていうからには、クーラーメインじゃないんですか?
「パーツは、マザーボード以外はほとんどやってますよ。コンシューマー向けはむしろケースで知られてるんですよね」
名前に引きずられて、なにやら皮肉なめぐり合わせですねぇ。
簡単に、クーラーマスター注目のケース紹介。
■centurion 5
業界じゃ異例の3年続くロングセラー。そのヒミツはこの5色のカラーにアリ!
前面は黒メッシュで統一。その縁を飾るメタリックな部分を5色に色分け。心憎い演出。私は赤だな、媚びてない、キリッとした赤みがいい! ポート部分も色分けされてる、細かい配慮がうれしい。
今やPCも、ファッション感覚ですね。
「これの、赤。まだあるかしら」とか「あら、私、これの銀、もってるわ」「いえいえ、やっぱり黄色ざーます」なんて勇敢、違った、有閑マダムのやり取りがある日も近いですよ。5色かぁ。これからも色だけにいろいろ増やしてってくれないかなぁ……
■CM Media
変哲も凹凸も少ない、色の変化も少ない。強いて言えば、目立つのはばかでかさ(さっきからばかでかいものばっかだな、ココ)。の、割にはMediaなんて偉そうな名前がついてるじゃねぇか、と思ったら、なんと!
DVDドライブ、差込口が90度回転して差込可能。この発想は無かったわ。
でも横型かぁ……。
テレビの横に置くにはいいよね、ってものなんだって。
テレビなんかのメディア対応だから、“CM Media”。ふーむ。
■CM Media 830
あ、あとメッシュ部色違いのCMSTACKER 831もでるよ!
第一印象は…バッシュ。ちょっと前に流行った、エアうんたらなバスケットシューズみたいに、角ばったベースと、側面をぼこっと覆うメッシュ。それでも感じるスタイリッシュ。スイッチ関係、ポートは上に配置で、デザインの邪魔は一切しません。
メッシュに色を付けたCMSTACKER 831は、社長の浅原さんにして「見せ用デザイン」と言わしめた、クーラーマスター自慢の逸品と言えよう……!
個人デザイン事務所などに、よく似合うんだろうなと、そんな感想。
開くか、個人デザイン事務所。3日でつぶれるだろうけど!
■CM Media 831
CMSTACKER 831はレインボーカラーで展開ってことですが、
「レインボーカラー」ってことは7色?
浅原さんはふと止まり、「青と赤と橙と……えっと、あとでご連絡します!」
社長も今時点で把握しきれてなかった、そんな人間味。
そういえば、あのですね。
タマネギがみたいんですよ。
「タマネギ…Marsですね! あれをご存知なんですか! 通ですね〜」
さすが玄人向け高速電脳。たまたま見つけただけの私まで玄人っぽくなった。お礼に行っておいてよかった、高速電脳!
「在庫あったかなぁ……生産はもう終了していて、来期くらいに新バージョンが出る予定なんですよ。売れないからやめとけ、って言ってるんですけどねぇ」
浅原さんのぶっちゃけ話を聞きながら待つことしばし、倉庫の奥から銀色の物体を持って、浅原さんお戻りです。
ほおおおおぉぉ……本物の、動くタマネギがあそこに!!
「どうぞ!」
そっと手渡された、銀色のタマネギは……お、重っ。やっぱりずしっと!
相変わらず縦に切れ目入って、見た目は軽さを重視しているようですが、無駄なあがき。
この重さが愛の重さか……なんか、かわいくみえてきたな、コイツ。
隙間に目を凝らすと、中に見える小さめの黒いファン。
高速電脳の店員さんは「機能も確かですよ」とは言っていたものの、タマネギの実部分がリアルで、どうしてもファンはオマケについているように見えてしまう不思議。
嗚呼……根っこを引きちぎって調理してやりたい!
新バージョンは、アルミ部が銅に変わるそうなので、ますますタマネギ。ますます重い。刻まなくても泣きたくなる、CPUクーラーでした!(うまいこと言った)
続けて、ばかでかいNo1の呼び声高い『風神匠』。
お前はモスか! 匠ってなんだ!
そんなだから、5センチ角1つの板を冷やすために、板チョコみたいな大きさで2つもファンを使って、銅脚まで生えちゃうんだ!ベースは黒で統一してあるあたりが、ほんと匠っぽくて、憎ったらしいたらありゃしない!
小娘お断りとでも言いたいのかしらっ、キィィィィッ!!!
「でも『Mars』と違って、見た目と性能がちゃんと同レベルでくっついてきてるからオススメですよ」
これで効かなかったら、ある種詐欺だッつの!! まったくもう!
って、ん? タマネギMarsはなんだって言いました………?
……せっかく芽生えた愛の日を消さないために、聞かなかったことにしよう!
ちなみに、風神の名付け親は高速電脳の社長さんだそう。またえらくごつい名前を付けましたなぁ!
そして、今の秘蔵っ子。未発売のビデオカード用クーラーCoolViva Proも見せていただきました。ビデオカード用クーラーがあることに驚き、その形状が特撮変身グッズみたいでトキメキ。でも私は使い道がないことを悟り、そっと箱に戻す。
そうか、特撮モノ、っていうか、具体的に仮面ライダーの変身ベルトを思い起こさせるんだ……! 戻した後に気付くも、まぁいいか、また見直さなくても。
最後の締めに、と浅原さんが倉庫の脇に行って、なにやら操作し始めました。
なんでしょか、と思っていると、今まで壁になっていた、大きなシャッターがゴゴゴゴゴゴと音を立てて、上がっていきます。
薄暗かった倉庫に差し込む、鋭い日光!
うわあああああぁ!! 春の日差しが引きこもりには目に痛い!
でも、きもちいい!! 磯子の日差しも捨てたもんじゃないね、さっきは見くびって悪かった! 良ければなんでも、簡単に意見をひっくり返すのが私の長所さ!!
終わりよければ全てよし!
「お食事処 浜ちゃん」でミックスフライは食べ損ねたけどな! かわいいネコがいたからそれでいいんだよ、にゃー!! 軍艦乗ってどこかにも行けなかったけどな!
よし! 新宿帰る!
あー帰り何食べよ!
《RBB TODAY》
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