売上2.5兆、営業利益2,700億、ボーダフォン買収成功を強調——ソフトバンク決算説明会詳報 | RBB TODAY

売上2.5兆、営業利益2,700億、ボーダフォン買収成功を強調——ソフトバンク決算説明会詳報

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 ソフトバンクは8日、平成19年3月期決算説明会を、数百名の報道陣やアナリストなどを集めて実施。代表取締役社長の孫正義氏より、'06年の業績ならびに今後の展開などが語られた。
 ソフトバンクは8日、平成19年3月期決算説明会を、数百名の報道陣やアナリストなどを集めて実施。代表取締役社長の孫正義氏より、'06年の業績ならびに今後の展開などが語られた。 全 10 枚
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 ソフトバンクは8日、平成19年3月期決算説明会を開催した。帝国ホテル本館の富士の間に数百名の報道陣やアナリストなどを集めて実施。代表取締役社長の孫正義氏より、'06年の業績ならびに今後の展開などが語られた。

 最初に孫社長が訴えたのは、ボーダフォンの買収の正否。メディアやアナリストなど、多数の第三者がその決断を危ぶんだが、孫社長は、買収は正解だった、と断言した。買収前に資金、収益性、ソフトバンクモバイルのユーザー数、同ブランド力の4点が懸念されていたわけだが、業界の予想のまったくもって反対の答えが出たというわけである。資金は1.45兆円のリファイナンスを完了。収益性は、営業利益が2005年の約1.8倍。ユーザー数は、年間純増数が前年の約4倍。ブランド力は、第三者の調査機関により、CM好感度総合第1位という具合になっている。すさまじい結果、といえるのではないだろうか。

 平成19年3月期連結業績は、売上高が2兆5,442億円で、前年比で1兆4,355億円のプラス。EBITDAが5,254億円(前年比+3,755億円)、営業利益が2,710億円(前年比+2,087億円)、経常利益が1,534億円(前年比+1,259億円)、税金等調整前当期純利益が2,085億円(前年比+790億円)、当期純利益が288億円(前年比△287億円)となっている。前年比では、当期純利益のみがマイナスだが、あとは軒並みプラスである。なお、ソフトバンクモバイルは、2006年5月1日からの連結だ。

 セグメント別の連結売上高では、ソフトバンクモバイルが1兆4,308億円でダントツのトップ。そのほかの主要なところでは、ソフトバンクテレコム(固定通信)が3,321億円、BBインフラが2,588億円、イーコマースが2,569億円、インターネット・カルチャーが1,915億円となっている。

 また、ソフトバンクモバイルの状況だが、まず買収後にユーザー数が1,522万人から12か月で85万人(前年の4倍弱)の純増で1,607万人。0から始めた場合に比べて、労力が大変少なく、その点でもボーダフォンの買収は正解だったとのこと。また、先月の純増契約数は、16万超。プリペイドタイプを除けば、20万超に達する記録的な契約数だ。3G契約比率も50パーセントを超え、目玉の契約プランであるホワイトプランの加入者数も400万を超えたとのことである。ただし、基地局の開局が当初の予定よりも遅れており、4月末の時点で約3万1,000局。当初、2006年度中に達成する予定だった4万6,000局は、今年度の上期中となっている(工事中の局を含めれば4万6,000局を超える)。

 さらにブランドイメージとして、ソフトバンクは今年1月の時点で、au、NTT DoCoMoから大きく離されての3位だったのだが、2月から3月にかけて両社を逆転。今では圧倒的な「携帯電話の色が豊富」のイメージを持たれていると、第三者機関の調査結果が発表された。さらに、CM好感度も、トヨタ、コカ・コーラ、任天堂などを抑えて、2006年10〜12月の第3四半期で1位を獲得。さらに、月額基本料金980円というホワイトプランの導入により、料金イメージでも今年4月にはauを抜いて1位になったほか、「デザイン」「機能」「使いやすさ」「大きさ」の端末への満足度4項目が、2006年と2007年の春モデルとどれも1.5倍から2倍にアップ。また、「時代の先を行く」「自分のある」「柔軟な」「面白い」「エネルギッシュな」という5項目のイメージについても、前年9月と比較して今年3月は1.5倍から2倍近いユーザー評価を得ているなど、かなり改善されているようである。

 そして今後の事業ロードマップとしては、昨年から現在が初動期で、今後5年先ぐらいまでが成長期、そして10年後ぐらいから収穫期になるとしている。孫社長自身、10年におよぶ戦いだと語っており、当分の間は移動体通信事業に集中していくとのこと。また、現在は通信インフラのソフトバンクBB、固定電話のソフトバンクテレコム、そしてソフトバンクモバイルの3社を統合して事業を展開していくとしている。そして新端末の発表だが、こちらは今月22日の予定。

 そのほか、中国を大きな市場ととらえ、ソフトバンクの関連企業となった中国のeビジネスの先駆者アリババ社のCEOジャック・マー氏を取締役として迎えるとも発表した。そして、これまでも語られてきたが、収益源を現在のインフラからコンテンツへシフトさせていくとも。最後は、いつもと同じく、「日本のケータイとブロードバンドをもっとおもしろくするソフトバンク」ということでしめられたのであった。

《デイビー日高》

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