【スピード速報】アッカとイーアクセスには見られないブロードバンドの「団塊」
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
今回は、18日の「イー・アクセスはアッカ・ネットワークスの株主に対する議決権行使の委任を呼びかけた」とのニュースを受けて、xDSL系の大手4社における速度分布を分析する。2008年1月8日〜14日の測定データから最新の手法などによる回線種別分析によりNTT東日本と西日本のフレッツADSL、YahooBB ADSL、アッカ・ネットワークス、イー・アクセスの4種を抽出し、ダウンロード速度の分布状況を2.5Mbpsおきに集計しシェアを算出した。
図を見ての通り、2.5Mbps未満の最低速ゾーンのシェアが最も大きい、つまり低速データの割合が最も多いのはアッカ・ネットワークスで42%、次がイー・アクセスで35%であった。これに対して、フレッツADSLは31%、YahooBBは27%しかない。また、5Mbps未満の割合で見ると、アッカ・ネットワークスは合わせて73%と非常に大きく、測定データの4件に3件近くが5Mbpsに届かなかったことになる。なお、イーアクセスの5Mbps未満は62%、フレッツADSLは59%、YahooBBは52%であった。以上から、この4社の中では、アッカ・ネットワークスの速度分布が低速寄りに偏っていることがわかる。イー・アクセスについては、アッカ・ネットワークスよりもゆるやかだが、それでも、フレッツADSLとYahooBBに比べると低速寄りなのは否定できない。今後の速度改善が待たれる。
さて、既報「20Mbps付近のブロードバンドの「団塊」は光の代表速度」などで指摘した「団塊」速度帯についてだが、今回のグラフにおいてもやや不自然な突出を見ることができる。グラフ中に「↓」で示した2箇所がそうであり、YahooBBにおける15Mbps付近と、フレッツADSLの20Mbps付近である。既報「CATVの最多速度帯は10Mbpsでブロードバンドの「団塊」速の半分」のとおり、CATVの最多速度帯は10Mbpsだったが、この2箇所はそれを上回っている。
そして、YahooBBとフレッツADSLの速度分布を全体に押し上げている感のある「団塊」の突出が、アッカ・ネットワークスとイー・アクセスのグラフでは見られないのも興味深い。あくまでも想像だが、速度の改善によって、分布全体が高い方へ平行にスライドするのではなく、「団塊」の突出が現れて平均速度が上がり、その分だけ低速の部分の割合が下がるということかもしれない。イー・アクセスとアッカの今後の関係によって、このグラフがどう変化するかに注目したい。
記事「イー・アクセス、アッカ株主へ委任状の呼びかけ」にある通り、ADSLはあと5年〜10年は存続してもおかしくない技術だ。劇的なスピードアップは望めなくても、ユーザーにとって納得のいく地道な速度改善に期待する。
《平野正喜》
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