goo、MS、ヤフーが業界横断で「ネット広告のブランディング効果」を調査〜効果予測が可能に
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
同調査は、2007年3月〜12月の期間に、68素材(52キャンペーン)を毎月2回全19回に調査したもの(計38000サンプル)で、各広告について、広告認知度、内容理解度、ブランド想起、サイトアクセス意向、好感度など、27項目にわたりアンケート調査した内容となっている。なお対象とされたのは、各社のトップページや個別ページにあるバナー広告で、いわゆる行動ターゲティングなどの仕組みを除外した、一般的なデータとなっているとのこと。
それによると、インターネット広告出稿において、ダイレクトレスポンス効果だけではなく、ブランディング効果(他のマスメディアでも一定の効果が認められている露出自体による効果)があることが検証できたという。また、調査結果から、インターネット広告出稿によるブランディング効果の事前予測や事後検証に活用できる基準値を作成、「インターネット広告出稿によるブランディング効果3つの法則」として公表された。
3つの法則は、「インターネット広告ブランディング効果の法則」「インターネット広告フリークエンシーの法則」「インターネット広告インプレッションの法則」となっており、基本的にいずれも広告効果を認め、その基準値(Norm値)を算出したものだ。
「インターネット広告ブランディング効果の法則」としては、インターネット広告到達者の29.1%が広告認知し、広告認知者の62.0%が広告内容を理解し、広告認知者の30.4%が商品購入/利用喚起した。さらに広告到達者の広告メッセージ理解は非到達者の1.25倍に、広告到達者の商品購入/利用意向は非到達者の1.15倍になるなどの効果が認められた。
「インターネット広告フリークエンシーの法則」としては、フリークエンシー12回に向けて、広告認知/商品認知/商品好意度は上昇し、フリークエンシー13回以降においても広告メッセージ理解/商品購入利用意向等が上昇するとのこと。フリークエンシー12回の広告到達者は非到達者に比べメッセージ理解が1.55倍/商品購入利用意向は1.35倍になったなど、“12回”という回数で広告頻度の効果が変化する傾向が明らかとなった。
「インターネット広告インプレッションの法則」としては、1000万インプレッション出稿時の広告認知者数は130万人で、商品興味/関心喚起者数は57万人、商品購入/利用喚起者数は38万人となった。
また、これら傾向や基準値は、クリエイティブ内容により差が見られるため、同調査ではさらに「ブランディング効果における5つのヒント」として、「音やエキスパンド等のリッチ素材が広告認知/ブランディング効果を大幅に上昇させる」「タレントやキャラクターを使用することが広告認知/ブランディング効果を大幅に上昇させる」「告知型/キャンペーンサイトの活用が広告認知/ブランディング効果を上昇させる」「ブランドロゴ等からのイントロは使用しない方がブランディング効果を上昇させる」「新商品においてもインターネット広告はブランディング効果を発揮」といったポイントを発表した。
同日行われた共同記者発表会には、VRI 代表取締役社長 荻野欣之氏、ヤフー 広告本部 マーケティング部長 近藤弘忠氏、マイクロソフト MDASセールス&プラニング 業務執行役員 福徳俊弘氏、NTTレゾナント ポータル事業本部 広告営業部門 シニアマネージャー 宮原慎治氏が参加し、今回の調査を行った経緯やその背景を説明した。
それによると、「社団法人日本アドバタイザーズ協会 Web広告研究会の調査発表にもあるように、ネット広告を活用するためのアンケートを行っているが、一般広告主にもより分かりやすく使いやすい“指標”が必要であり、その要望に応えるため、効果検証を行うに至った」「ダイレクトレスポンス効果の指標だけでなく、テレビや雑誌などでの“認知率”にあたる指標がネット広告でも課題となった」(近藤氏)とのこと。業界横断となった理由については、より汎用性・信頼性の高いものとするためで、複数媒体社が相当規模の同じ仕組みで調査を行うため、VRIに参画を依頼したという。
また媒体各社に個別にインタビューを行ったところ、今後の各社の戦略はさまざまに分かれたが、基本的には広告効果の事前予測や事後検証に活用できる基準値が出来上がったことで、今後は、クリック率やコンバージョンだけでない、あらたな広告効果を見込んだ展開をクライアントに提示できるという点では一致していた。また、「ネットだけでなく、テレビや雑誌などの媒体との共同キャンペーンにおいて、“認知率”という指標を共有できるのが大きい」(荻野氏)とのコメントにあるとおり、広告効果を検証する“基準値”が出来上がったことがなによりも大きいと言えるだろう。
VRIでは、調査結果および作成した基準値は、複合的なメディアプラニングのための基礎データとして広く活用してもらえるよう、無償で公開する予定だ。また、本調査結果を基に出稿プランから露出効果の予測ができる「インターネット広告出稿効果シミュレータ」も随時公開の予定とのこと。
《冨岡晶》
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