【詳報】動画を見ながらヤフオクか?——Yahoo!JAPANとニコニコ動画が提携
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
すでに開始しているサービスもあり、ニコニコ動画でのアフィリエイト「ニコニコ市場」におけるYahoo!ショッピングの対応、Yahoo!JAPANの動画検索の対象にニコニコ動画を加える、「Yahoo!ツールバー」でのニコニコ動画検索がそれだ。
今後は、ニコニコ動画とYahoo!オークションの連携、Yahoo!ブログでのニコニコ動画の貼り付け、Yahoo!JAPAN IDでのニコニコ動画へのログイン、ニコニコ動画でのYahoo!ウォレットによる課金、ヤフーの子会社であるオーバーチュアの検索連動型広告をニコニコ動画に導入する。いずれも具体的な日程は明らかにされなかったが、近日中に実装する。
今回の連携について、ヤフー取締役COOの喜多埜裕明氏は、「ニコニコ動画は、非常に滞在時間が長いサービス。滞在時間を長くするというのは僕らも目指すところだが、ヤフーだけですべてができる訳ではない。5,000万人のヤフーユーザの方たちをニコニコ動画さんにおつなぎできるのは大きいことだと思う。ただリンクを張って流すだけではなく、いくつもの取り組みでネットの世界を盛り上げていきたい」とする。
一方、ドワンゴ代表取締役社長の小林宏氏は、「日本のインターネットを牽引してきたヤフーと、1年半ちょっとのニコニコ動画が連携できることをうれしく思っている。ドワンゴは、着メロなど携帯電話のコンテンツ事業者だと思われがちだが、『ネットに生まれて、ネットでつながる』というのが目的だ。これまで、ネットの世界で人と人とのコミュニケーションの場を構築していった。携帯電話で会社が急成長していったが、ニコニコ動画が本来のドワンゴのやるべき場所であると認識している」とコメントした。
ニコニコ動画ではこれまで、Amazon.co.jpなどの商品を販売することでアフィリエイト収入を得ていた。これにYahoo!ショッピングを追加することで、食品や家具、花、自転車、自動車用品など幅広い商品が扱えるようになる。ユーザのコミュニケーションと購買意欲が増し、アフィリエイト収入を増やすことを狙う。
ニコニコ動画のユーザは、男性が71%で女性が29%、10代は28%で20代は47%となっている。ニワンゴ代表取締役の杉本誠司氏は、「女性や30代にもアプローチしたい」とユーザの拡大に期待を寄せる。
ヤフー側も「Yahoo! JAPANは、ショッピングの誘導もしておりいろいろな方と組ませていただいており、アフィリエイト収入を増やしていく。いまは、25%がアフィリエイト経由の収入。ちょっと前までは0円に近かったので、ニコニコ動画と組むことで、ものすごく増えるのではないか」(喜多埜氏)と目論む。
これまで、Yahoo!JAPANも含めてWebの検索エンジンでは、ニコニコ動画のコンテンツは検索の対象になっていなかった。今回、Yahoo!JAPANの動画検索でニコニコ動画が加わった。ほかの検索エンジンへの開放だが、「SEOやプロモーションの効果がある」としながらも「インフラへの負担を考えると限定的になるだろう」(杉本氏)とする。
Yahoo!オークションとの連携は、具体的なサービスは明らかにしなかったが、出品を動画で紹介しコメントで入札をしていくなど「いままでのオークションを逸脱した用件を出していく」(杉本氏)とのことだ。
ブログパーツは、Yahoo!ブログにニコニコ動画のコンテンツが貼り付けられるようになるという機能。ブログに掲載した動画はニコニコ動画のIDがなくても楽しめるほか、ニコニコ動画にはYahoo!ブログに簡単に貼り付けられるボタンを設置する。
特にヤフーが力を入れるのが、Yahoo!IDとYahoo!ウォレットだ。
喜多埜氏は「Yahoo!IDは資産。アクティブなIDだけで2,000万もある。IDとパスワードは各社が用意するので覚えきれない。各社さんが使っていただけるのが有効ではないか」と意欲を見せた。
Yahoo!ウォレットとの連携では、ニコニコ動画のプレミアム会員の支払いなどに利用する。「1,700万人以上が利用しており、ニコニコ動画で何か買おうと思ったときに個人情報を打ち込まなくても使える」(喜多埜氏)との利点をあげた。
これらの連携だが、「昨年(2007年)の夏頃に、ヤフーからお願いをした」(喜多埜氏)とのことだ。「Yahoo! JAPANを強化する中で、検索は外に出て行く行為だと考えた。そういった中で、いいサービスはYahoo! JAPANと一緒に組ませていただきたい。しかし、ただ外に行くだけではなくIDやウォレットを外で使っていただくことで、利便性が出せるビジネスとして、ニワンゴさんと一緒にやって行きたかった」というのがニコニコ動画と連携をした理由だ。
《安達崇徳》
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