NECのめざすハイブリッドSaaS——すべてSaaS化するのが正解とは限らない | RBB TODAY

NECのめざすハイブリッドSaaS——すべてSaaS化するのが正解とは限らない

ブロードバンド その他
日本電気株式会社 第二システムソフトウェア事業部 エンジニアリングマネージャー 高橋勝彦氏
日本電気株式会社 第二システムソフトウェア事業部 エンジニアリングマネージャー 高橋勝彦氏 全 8 枚
拡大写真
 セールスフォース・ドットコムのプライベートイベント「Salesforce LIVE '08」においてNECは9月2日、「NECのSalesforceへの取り組み」と題したセッションを行った。

 NECが2007年に行った「SaaSユーザニーズ把握調査」によると、企業における現在のSaaS利用率は5.8%。これに対し今後の導入意向は17.5%で、中でも従業員が50人以下および100人以下の中小企業で導入意向が高いという結果になった。また、SaaS導入にあたって重要視する要件としては、「安心・安全な環境でのサービス提供実現」「柔軟なカスタマイズ対応」「大手ベンダーのSaaS展開を待つ」が上位3位を占めた。NECはこの3つの要件に対しそれぞれ、NGNの適用によってセキュア環境を提供すること、豊富なカスタマイズ機能を持つSaaS基盤を採用すること、独自ソリューションを提供していくこと、で応えていくとした。

 NECは今年3月、SaaSを中心としたサービスプラットフォーム提供事業を開始。パートナーのSaaSビジネス化を促進する「SaaSビジネスイノベーションプログラム」など、SaaSビジネスへの本格参入を発表している。そのNECがSaaSビジネスで目指すのは、SaaSと従来の導入型を組み合わせたハイブリッド型のソリューション提供だ。NECの高橋氏は、「ITシステムを全てSaaSで提供することが必ずしも正解というわけではない。基幹システム系のように、従来の導入型でシステムインテグレーションして構築したほうがいいシステムもある」と述べ、顧客のニーズに応じてトータルに提供していくという。

 SaaS基盤としては、セールスフォース・ドットコムのForce.comと、NECの様々なSaaSサービス基盤を連携させ、さらにコンシューマ向けのサービス基盤である「Biglobe」との連携も行っていく。その一例として、クレジットカード決済で税金を納付できるサービスを、Biglobeの与信・課金システムを使って、SaaS型で提供するといった事例があるそうだ。

 NECはまた、9月1日に国内で初めて「Force.com VARパートナー」としての契約を締結した。今後はSalesforceをより便利にするソリューションとして、SalesforceにNECのCTI製品「CSVIEW/CCBASE」やFAQ作成・管理専門ツール「CSVIEW/FAQナビ」などを連携させることにより、「コンタクトセンター」「eマーケティング」「営業力強化」におけるサービスを順次提供していく。また、APIを介した他サービスとの連携においてはNGNを活用し、NGNに対応した新しいサービスの創出や、セキュアなシステム連携環境の提供を行っていく。

《柏木由美子》

特集

【注目記事】
【注目の記事】[PR]

この記事の写真

/