【シリーズ・テレビ新時代】ネット+テレビの新規同時加入者の割合が1年で倍増——ケイ・オプティコム
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IPTVフォーラムが技術仕様書を公開する半月前、関西電力系のケイ・オプティコムは本社に集まった報道関係者を前に説明した。前半のほとんどは、通信と放送の融合・連携についての現状分析に費やされたが、顧客が選択しやすいテレビサービスは何かを問いかけつつ、同社のトリプルプレイ(eo光ネット、eo光電話、eo光テレビ)が、NTTと対抗しうるものであることがアピールされた。
同社は他社と同じく“光”をうたっているが、まず大きく異なるのは家庭までの光ファイバーの芯線が2芯になっている点だ。1本がインターネットと電話用、もう1本がテレビ用と用途をわけているのだ。「テレビの信号がインターネット回線を圧迫することはないし、逆にインターネット回線に大量のデータを流したからといって、テレビの映像に影響を及ぼすことはない。安定したサービスとなっている」と、そのメリットについてサービス開発推進室サービス戦略グループ サービス戦略チーム チームマネージャーの河田靖弘氏は話す。また、この2芯方式は1本の同軸ケーブル上でインターネット、テレビ、電話の帯域を分割して使用している他のCATV事業者と比べても、使用帯域に余裕ができる分優位であるという。また、同社では、ネットサービスにおいても、上り下りが100Mbps、200Mbps、1Gbpsのコースを提供しており、ユーザーのネットスタイルに応じた選択肢を用意している。
IPTVについて、同社は懐疑的だ。「テレビをIP接続で視聴するということは、各テレビまで新たにLAN配線をひき、それぞれにSTBの設置をする必要がある。2台以上の同時視聴に関しても、容量の問題でハイビジョン放送では同時視聴は難しいと言われている。現状ではCATV方式のほうがサービス内容が充実しており、利便性も高い」(河田氏)。IPにより地デジを視聴するには、地域にNGN網が敷かれている必要がある。現在、NGNのエリアは関西では大阪府下の一部地域のみでサービスを広く提供できる状態ではないという。テレビサービスにおいては関西エリアで100万超の世帯の加入者をうたうJ:COMグループが対抗となる。
順調に加入者を伸ばしている同社だが、それでも気を抜いていないのは「新規加入者のうち6割はテレビサービスに加入せず、また、NTTはこれまでテレビサービスがなかったにも関わらず高いシェアを持っている」という理由からだ。高いブランド力を持つNTTがテレビサービスを行うということ自体が脅威であると話す。
同社では地上デジタル・地上アナログ・BSデジタル・CS放送などのch数の違いによって3種類のパックを用意している。66chのバリューパック、83chのスタンダードパック、31chのライトだ。eo光ネットとeo光テレビのセットメニューにした場合は、順にeo光テレビの料金は実質プラス3,150円、3,675円、1,575円で、現在は、バリューパックとの組み合わせで加入する人が圧倒的に多いという。また、eo光ネット(100Mコース)、eo光電話、eo光テレビ(バリューパック)をセットにしたいわゆるトリプルプレイサービスの料金は8,350円で提供している。またユニークなのは、Wiiからの閲覧に最適化されたポータルサイト「eonet.jp petit(イオネットジェーピー・プチ)」を提供している点だ。「天気」や「占い」、関西圏の「おでかけ情報」や「グルメ情報」など、Wiiのリモコンでも操作しやすいようにボタンを大きくし、文字も見やすく、TVの大画面でインターネットが楽しめるように配慮している。
今後関西地域は、テレビサービスの激戦区になっていく可能性が高い。「今年度は持続的発展のためのスタートの年と位置付けている」と同社では話す。今後はさらにトリプルプレイを推進するとともに、CSハイビジョン放送の提供、テレビ向けVODの提供を念頭にサービスの充実を図っていく。
なお、編集部では今回、同社のサービスとテレビの関係について詳細インタビューを実施した。記事はこちら(http://www.rbbtoday.com/news/20081124/54936.html)に掲載中だ。
《RBB TODAY》
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