NECと日本事務器、レセプトオンラインなどの医療システムで協業を強化 | RBB TODAY

NECと日本事務器、レセプトオンラインなどの医療システムで協業を強化

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NECの医療システム事業部事業部長である高平敏男氏
NECの医療システム事業部事業部長である高平敏男氏 全 10 枚
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 日本電気(NEC)と日本事務器(NJC)は12日、レセプト(診療報酬明細書)のオンライン請求を中心とした医療事務システムにおける協業を強化すると発表した。

 NECの医療事務ソフト「MegaOakIBARS II」のエンジンを、NJCが中規模の医療機関に実績をもつ医療事務システム「MAPSシリーズ」に搭載し、「MAPSIBARS」として販売を開始するという。また、MegaOakIBARS IIとMAPSIBARSの両方のユーザに対して、インターネットVPNを用いて診療報酬や医療制度の改定情報を提供する「IBARSonlineサポートサービス」を2010年3月に開始する予定だ。

 NECの医療システム事業部事業部長である高平敏男氏は、「これまでNECの医療システムは、病院の中にとどまっていたが、それを外に広げたい」とネットワーク化を進める方向性を示した。

 医療やヘルスケアをめぐる動向としては、2010年度までに「レセプトオンライン」の完全実施が大きい。レセプトとは、診療報酬明細書のことで医療機関が保険組合に対して医療費の支払いを請求する書類。これまでは紙でやりとりしていたが、これをネットワーク化したものがレセプトオンラインだ。医療のネットワーク化としては将来的には、保険や年金を一元管理する「社会保障カード」や、医療や年金、税金などの情報がWebで管理できる「電子私書箱」の検討も政府で進められている。

 これら医療システムのオンライン化の1つとして、IBARSonlineサポートサービスがある。IBARSonlineサポートサービスは、これまでCDなどで配布していた改正情報をインターネットVPN経由で配布するサービス。テレビ電話とリモートコントロールによるサポートも用意している。

 将来的には、電子カルテや検査、医療事務、経営管理などの病院内の連携はもとより、医療機関だけではなく行政や保健所などを生涯カルテや社会保障カード、電子私書箱などのソリューションで結びたいとしている。

 一方のNJCは、主に業務システムを手がけるベンダー。1981年に販売を開始したパッケージソフトを皮切りに、医療事務システムの販売を開始した。現在では、45%が医療事務システムに関する売上となっている。

 NECとNJCの協業は古く、1961年のミニコンピュータ「NEAC」の取り扱いから始り、医療システムについては1992年から「NEC PC-ORDERING 97」の販売とサポートをスタートした。

 NJCの代表取締役社長である田中啓一氏は、MAPSIBARSは「病院の経営基盤の強化につながる」とアピールする。MAPSIBARSの特徴としては、電子カルテシステムとの連携や医療から介護までに対応するケアミックスなどがあるが、収益の改善を一番にあげている。具体的にはレセプトの確認作業の短縮と不備による返戻率の軽減、ペーパーレス化などがある。

 NJCではMAPSIBARSについて、3年間で650セットの販売を目指す。販売価格は200床以上の病院で1,500万円から。4月のリリースを予定しているが、特別・特定医療法人である生長会に先行導入している。

《安達崇徳》

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