3年後売上高300億円を目指し積極的事業買収も——フリービット
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まず、同社代表取締役社長の石田宏樹氏が2009年4月通期の連結業績を報告した。売上高は前年同期比33%増の107億6,700万円、本業のもうけを示す営業利益は同85%増の15億7,500万円、純利益は同165%増の16億7,400万円。なお、売上高の内訳は、ブロードバンド化事業が同36%増の81億4,000万円、ユビキタス化事業が同27%増の26億2,700万円としている。
業績の詳細は、CFO(最高財務責任者)を務める代表取締役副社長の田中伸明氏が説明。4半期ごとの売上推移は、継続課金売上が売上全体の93%を占め、事業構造が安定している。DTI(ドリーム・トレイン・インターネット)が通期で連結対象となり、第1・第2四半期の売上が大幅に増加した。
また、連結予想売上高が約2%減少したことについては、「上期は買収したDTIやテレコミュニケーション事業の構造改革にリソースを投入し、下期から新サービスを投入したため、新規の売上施策に遅れが発生した」などを理由にあげた。
ブロードバンド化事業では、DTIの業績が同期より通年で寄与したほか、同期中に事業譲受したisao.netやBIWAネットなどの業績が加わり、売上高が大きく伸長した。
ユビキタス化事業では、通話報酬型広告システム技術、SiPの顧客数増加などが増収に貢献した。
次に、石田社長は12年までの中期経営計画「SiLK VISION 2012」を公表した。12年までの事業方針は、IPv6と仮想化技術を駆使したクラウドプラットフォームの提供で世界ナンバーワンを目指すこと。さらに、IPv6コンテンツの開発と利用環境の提供、世界進出へのコミット、IPv6/クラウドを幅広いユーザーに伝えるためにソフトのハード化を掲げた。
業績方針としては、3年後の売上高300億円、経常利益45億円を目標とし、経常利益率は15%を堅持する。なお、成長の下支えとして、ISPの買収、コア技術の補完、コアマーケットの顧客補完を実施するため、積極的に事業を買収していくという。
さらに、石田社長は、IPv4アドレスの枯渇した現状を紹介し、同社が推進するIPv6の仮想化技術の優位性を力説した。中国でのパートナー企業である北京天地互連信息技術(BII)が中国全土で事業を展開できるVPNライセンスを取得したことも発表。フリービットは、BIIに対して、Emotion Link技術のライセンス提供、関連ソフトの開発や運用とともに、コンサルティングなども行う予定だ。
個人向けIPv6利用/開発のプラットフォーム「ServersMan」のラインアップや事業、法人向けのXaaS(X as a Service)事業およびXaaS支援事業の戦略について解説した。
また、本説明会では、エグゼモードのWebカムコーダーに、デジタル家電機器をサーバ化するソフト「ServersMan mini」をバンドルした新製品「ServersMan Scooop by EXEMODE」を発表し、デモも実施した。ServersMan Scooopは、130万画素CMOSと2インチ液晶ディスプレイを搭載。本機で動画や写真を撮影後、パソコンとUSBを接続すると、ServersMan miniがサーバとして起動し、そのままWebに公開できるのが特徴だ。サーバにコンテンツを公開する機能のほか、動画共有サイト「YouTube」などへアップロードする機能も装備している。発売元はエグゼモード、発売時期は7月下旬。価格はオープンで、予想実売価格は8,000円前後。
10年4月期の連結業績予想は、売上高が44%増の155億円、営業利益が21%増の19億円、純利益は19%増の20億円となっている。
グループ各社の施策は以下のとおり。
■フリービット
・ISPプラットフォームサービスは、顧客維持と光回線へのマイグレーションを行う
・大規模IP電話プラットフォームサービスでは、DTIとギガプライズのマンションISPリソースの共有化を実現する
・通話報酬型広告サービスは、新規顧客の獲得および新サービスの開発・販売により、さらなる増益を目指す
・新たな成長事業として、法人向けSmart Infraサービスの開発・販売を行う
・新規サービスをリリースし、無料ユビキタスユーザーの大幅獲得、収益貢献を果たす
■DTI
・顧客維持と光回線へのマイグレーションを行う
・ユーザー解約率を業界トップレベルの0.8%に
・サポート満足度ナンバーワンを獲得する
■メディアエクスチェンジ
・事業の構造改革により、黒字化を達成
・事業拡大のための新IDC設立計画と、新サービスとなるSmart Infraプラットフォームサービスを開発し、来年度以降の成長に向けて準備する
■ギガプライズ
・業績予想の達成を目指す
・グループシナジーの中心として、サービス統合とコスト削減を図る
《高柳政弘》
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