【子どもとネットVol.1】ティーンのオンラインセーフティ〜意識と取組み
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ティーンエイジャーをネットトラブルから守るための対策として、今、オンラインセーフティ教育の必要性が注目を集めている。子どもたちのオンラインセーフティに対する意識の実態は、また、保護者はどんな対策ができるのだろうか。
◆子どもを守る大人の取組み〜フィルタリングと規制
2009年4月、いわゆる「青少年ネット規制法」(青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律)が施行された。これにより、青少年が保有する携帯電話・PHSで、有害サイトアクセス制限サービス(フィルタリングサービス)は原則義務化となった。また、プロバイダに対しては、利用者の求めに応じてフィルタリングサービスを提供する義務を課している。
兵庫県では未成年利用の携帯電話に対するフィルタリングを義務化した「改正青少年愛護条例」が7月に、小中学生に携帯電話を持たせないよう保護者に努力義務を課した石川県の「いしかわ子ども総合条例」改正案が来年1月に施行。このように全国的に、子どものPCや携帯電話利用に対する規制の動きが出ているのだ。
ただし、フィルタリングやこれらの制度さえあれば絶対に安全かというと、残念ながらそうとは言い切れない。これをすり抜けてしまう有害サイトや、他者によるネットいじめといった危険もあるわけだ。したがって、子どもや保護者自身が、正しいオンラインセーフティについての知識を身につけておくことが重要となる。
◆オンラインセーフティやマナー〜子どもたちの意識は?
前出の「子どもの携帯電話等の利用に関する調査」の「携帯電話やパソコン利用によるトラブル(携帯電話有無別)」によると、学年が上がるほど迷惑メールによるトラブルが多くなっている。また、架空請求の増加も目立つ。
ネットを使う限り、トラブルは切っても切り離せないもの。それでも使用したい場合は、「個人情報をむやみに書き込まない」「有害サイトへアクセスしない」「誹謗中傷・いじめはしない」などの正しい知識やマナーを身につけることが重要だ。
有害サイトやネットいじめの問題などについて学習経験がある子どもは、フィルタリングを必要と考えている割合が多くなっている。子どもたち自身も、ネットトラブルを恐れ、その対策の必要性を感じているのだ。
◆米Teenangelsを見習え! 子どもが互いの意識を向上
米国にはTeenangelsという、オンラインセーフティについて訓練を受けた13歳から18歳までが参加するボランティアグループがあり、1999年より活動している。ティーン、保護者、学校の教師などを対象に、学校でオンラインセーフティについて教える活動を行っている。
ネットについては、大人よりも子どもの方が詳しいこともある。また、子ども同士なら、お互いの気持ちもわかり合えるはず。このように、子ども同士でオンラインセーフティについて教え合う取組みの効果は高く、今後日本でも同様の活動が増えていくことが期待される。
インターネットは、今や国民の多くが利用するものであり、特別なものではない。子ども同士での情報交換や啓発活動は、お互いの意識向上にも役立ち、たいへん有効といえるだろう。
◆子どもはフィルタリングが嫌い!? 正しく使えば快適・安全に
フィルタリングをかけたがらなかったり、一度かけてもはずしたがる子どももいる。MMD研究所の「フィルタリングに関する利用実態調査」(調査期間:2009年3月6日〜3月9日)によると、18歳未満の利用者のうち、自分名義の携帯電話を所有している63.4%もが一度かけたフィルタリングを解除し、親名義の携帯電話を利用している45.7%も解除している。
フィルタリングをかけると見られないサイトがあり、使いづらくなるという印象が強いからだろう。しかし、学年や目的に応じた設定、サイトやカテゴリ別のアクセス可否設定などが行えるサービスも多く、思ったより不便なく利用できるものだ。この機会に、フィルタリングの利用について親子で話し合ってみてはいかがだろうか。
では、万が一ネットトラブルにあってしまった場合は、どうしたらよいのだろうか。それは、日ごろからネットトラブルの正しい対処法を学び、いざというときに相談できる大人がいることこそが一番大切なのである。
《高橋暁子》
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