KDDI研、重要シーンを自動検出する技術を開発 〜 映像制作者の“意図”を推定
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
近年ハードディスクレコーダーの普及により、録画した番組を好きな時間に楽しむタイムシフト視聴が増えている。そのため視認性よく検索するための工夫として、「コンテンツの重要なシーンを検出する技術」が必要とされており、これまで、“重要シーンに含まれる特定のオブジェクトに着目した手法”、“重要シーンを構成する特定のパターン”に着目した手法などが開発されてきた。
今回KDDI研究所が開発した技術は、商品や店舗などの重要情報を明確に紹介したい意図のある番組を対象とし、映像コンテンツの制作者が強調したい重要シーンを、その「制作技法」から汎用的かつ自動的に検出するものとなる。制作技法とは、シーンを撮影するときのカメラワークや、カメラアングルなどが相当する。この技術では、映像に含まれる特徴の中でも特に制作技法との関係が深い、“画面全体の画素の動き方”や“画面中央部と周縁部との情報密度の違い”などに着目し、事前学習に基づく解釈によって制作技法の推定を行う。このため、特定のオブジェクトや、スポーツ等の固有のパターンに依存することなく、汎用的な検出が可能となる。
KDDI研究所が複数のテレビ番組(バラエティ番組や紀行番組など)に対して、重要シーンの自動検出実験を行った結果、各番組の公式ホームページなどを参考に作成した正解シーン(料理や店舗など)との一致度は、平均して約86%となったという。
この技術により、番組中の重要シーンを小サイズ静止画像(サムネイル画像)で列挙することによって番組内部の検索が直感的に行えるようになる。さらに、録画番組の再生機構と連動させることで、選択したシーンから頭出し再生する「シーンナビゲーション」機能を実現することも可能となる。これらの機能は、録画機能を持ったSTB等への展開が考えられる。また、直感的なサムネイル画像によって、小画面でも番組把握が可能となることから、携帯電話に対する番組情報提供への応用も期待されるとのこと。
《池本淳》
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