【BlackBerry Day 2009 Vol.7】海外での利用に100%が満足——ヤマハのBlackBerry導入と評価
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楽器事業、AV・IT事業、電子部品事業、レクレーション事業からゴルフ用品まで多角的な事業をグローバルに展開するヤマハは、2009年6月にBlackBerryを本格導入し、役員、各部門長、営業の一部で、現在、国内で約50ユーザ、海外で150ユーザがBlackBerryを活用している。
2007年1月の時点では、同社は社内モバイルサービスとしてi-mode端末を利用してSFA(営業支援システム)を利用するための「iSFA」を採用していたが、海外での利用ができないことなどの問題を抱えていた。こうした問題を解決するために、モバイルインフラの整備の必要があり、管理者としては高度なセキュリティや一元的な運用が、利用者からはNotesメールの連携や業務アプリの利用、既存の携帯電話並みのコストでの運用や高い携帯性が求められていたという。これに加え、社長がBlackBerryを使いたいとの強い要望を持っていたことが、BlackBerry導入に踏み切る追い風となったという。
導入までの経緯は、2007年の情報収集に始まり、翌2008年にかけての役員・各部門長約20名を対象とする国内トライアル展開、続いて欧州での約10名を対象とする海外トライアル展開と準備を進めたが、2008年9月のリーマンショックでは同社も少なからず影響を受け、テイクオフを直前にして、スケジュールの見直しを迫られることとなった。そして約半年の空白期間ののち、2009年6月に念願の社内サービス開始にこぎつけた。
ただし、この空白期間もむだではなかったと細川氏は振り返る。この間、2009年2月にはBlackBerry Boldの国内販売が開始され、不具合が発生するも4月には解決、BlackBerry Enterprise Server(BES)の価格改定、Bizホーダイダブルへの対応などが実施され、低コストでかつ、新機種であるBlackBerry Boldメインの展開に切り替えての本導入を実現させることができたという。
なお、最初のユーザへの端末展開は決定から1〜2か月程度のスピードで実現。BES上で設定できるIT Policyは十分な時間をかけて設定をしたことも紹介された。
また、国内トライアルユーザ23名を対象とした興味深いアンケート結果も紹介された。対象者の利用端末は旧端末のBlackBerry 8707hで、5点式で、Notes連携機能、Webブラウザ、国際ローミングについての評価が行われた。
「Q1.BlackBerryが情報のスピードアップに貢献しましたか」「Q2.BlackBerryが親密なコミュニケーションに貢献しましたか」はいずれも4点以上という高い評価となった。また「Q4.外出の際、PCを持ち出す機会が減ったと感じますか?」「Q6.モバイル端末として、Notesメール・スケジュール連携の機能が十分だと思いましたか?」についても平均(3点)以上の満足度が得られている。一方で「Q5.端末本体のハードウェア(操作性・重さ)に関して、どう思いますか?」「Q7.モバイル端末として、ブラウザの機能が十分だと思いますか?」「Q8.BlackBerryのモバイル性・実現機能を考えると、コストは適切な金額だと思いますか?」については平均を下回る評価となった。ただし、「本導入では新機種のBlackBerry Boldが採用されていることから、操作性や重さについてはすでに改善されている」と、細川氏は補足した。
また、「Q3.BlackBerryを有用だと感じる場面は?」の複数選択式の設問には、全員が「海外」、約半数が「自宅」と回答し、「国内(他部門)」「国内(取引先)」を上回り、日常業務外での利用に高い有用性を感じるユーザの姿が浮き彫りとなった。
導入後の管理・運用で感じることとしては、アンケート結果からもわかるとおり海外、特に欧州での活用の高さ、NTTドコモとRIM(Research In Motion)のサポートが充実していることから、社内ヘルプデスクへの問合せが少ないことがあげられた。また、次なる付加価値の検討、導入後の費用対効果の数値化、中長期的なモバイルインフラロードマックの作成などが今後の課題であると、考えていることが紹介された。
従業員数26,611名(2008年3月期連結)の同社としては、現在200ユーザの導入と数ベースでは導入が進んでいるとは言い難い状況であるが、アンケート結果から、有用に活用されている様子がうかがえる。特に、海外利用での満足度の高さから、欧州を中心にグローバル展開を行う同社にとって、BlackBerryは強力なアイテムと言うことができそうだ。
《編集部》
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