8年前のマシンをチューニングする(前編) | RBB TODAY

8年前のマシンをチューニングする(前編)

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 記者が中学か高校くらいのとき、「ピラミッドパワー」なるものが一部の友人の間でブームになったことがある。本もいくつか出版された。ピラミッド内部にはミイラが数千年もの間安置され、しかも発掘されたとき棺の中の花が完全に枯れていなかったとのことで、ピラミッド内部には未知のパワーが発生しているのではないか、というまあ一種のオカルトだ。本の付録に小さいピラミッドの組み立てキットがついていて、その中に切れなくなったカミソリなんかを入れておくと、切れ味が再生するということも書かれていた。頭にかぶって瞑想すると、斬新なアイデアが浮かんだりテストで100点とったりもするらしい。

 いま思えば、かぎりなくインチキくさいピラミッドパワーだが、本当にそんなパワーがあるなら、ウチのふるーいPCを再生して、ブラウザがサクサク動くようにしてくれないかと思う。

 というのは、我が家の家族PC(ほとんど嫁専用マシンだが)が、最近あまり調子がよくない。まず、Windowsマシンの常として、起動やソフトの動作が遅くなってきた。シャットダウンも2回に1回くらいの割合で、「デバイスが応答しません」というメッセージが表示され一時停止する。無理もない。このPCは2002年に購入したDuronマシンだ。クロックは1.1GHz。メモリはなんと512MBというスペック。OSはWindows XP(Home Edition)にService Pack 3まで適用している。

 もっぱら、メールとブラウザ(料理レシピサイトと主婦メインの地域の掲示板と通販サイトのヘビーローテ)、そして年賀状印刷が主な用途なので、このスペックでも十分といえば十分なのだが、さすがに8年も使っているとレジストリも見るのが怖い状態(いや、見てもわかんないけど)なのではないかと思う。

 と、こんな窮状を察してか、RBB TODAY編集部から「PCを速くするソフトのレビューしてみないか?」と連絡をもらった。これは、受けるしかない。8年前のマシンが少しでも速くなるならぜひ試してみたい。二つ返事で引き受けることにした。

 そのソフトは、「PCMatic」という名前で、アメリカのPC Pitstopという会社が開発したPCの診断+チューニングソフトだ。日本では、ブルースターという会社が販売ライセンスを持っており、日本語版を提供している。PC Pitstopは、元Gatewayのエンジニアら設立した会社で、チューニングソフトを古くから手掛けているベンダーだ。社名のPitstopは車のレースのピットインのように、PCも定期的にピット作業でリフレッシュしてやる必要があるということからつけられたそうだ。

 PCMaticは、PCのレジストリのチェック、ファイルの断片化のチェック、メモリチェック、ネットワークやブラウザのチェック、そして、CPUやグラフィックのパフォーマンスチェックを行い、結果を分析することで、そのPCに必要なチューニング作業を自動的に行ってくれる。チューニング作業は、レジストリの整理、不要ファイルの削除、キャッシュのクリーンナップ、デフラグ、スタートアッププログラムの整理・削除、ブラウザやネットワーク設定の最適化などが含まれる。

 PCMaticにはパッケージ版もあるが、最近はクラウドバージョンによるダウンロード版もあるそうだ。ダウンロード版は無料で利用できるが、そのままでは、PCのパフォーマンスチェック、診断とそのレポート作成までしか行えない。実際のチューニング機能を使う場合は、有料のライセンスを購入することになる。いま話題の「フリーミアムビジネス」の製品だ。

 無料ライセンスでは、自動的なチューニング機能を使うことはできないが、自分のPCの診断結果の閲覧ができるので、詳しいユーザーなら、自分で必要なチューニングを判断して作業すればよい。例えば、診断結果に起動されているプロセスに対してメモリがぎりぎりであるとでたら、メモリを増設するかスタートアップ等を見直して不要なプログラムを起動しないようにするなどの対策を講じることができる。

 ダウンロード版はクラウドサービスということで、これらのレポートをウェブ上(PC Pitstopのサイト)で管理できるようになっている。診断履歴などの管理や自分のPCのパフォーマンス(値)がそのサイト内の診断結果のうち、どれくらいのポジション(上位、または下位何パーセント以内か)かも表示される。また、実際にダウンロードするのは、エージェントプログラムだけなので、パッケージ版よりもプログラムサイズは小さい。診断機能やログの管理はサーバ側で行ってくれる。診断機能とチューニング機能が本体のパフォーマンスに影響を与えにくいクラウドサービスは、理にかなっているといえるだろう。

《中尾真二》

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