【富士通フォーラム2010(Vol.6)】サーバ38台実装可能――次世代iDCの課題に応えるCX1000
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データセンター技術のゾーンに展示されている「CX1000」は、次世代型のデータセンター向けサーバプラットフォームである。どのあたりが次世代で、データセンターに最適なのか、説明員のプラットフォームビジネス推進本部 ビジネス企画統括部 サーバビジネス部の牧山貴生氏に聞いた。
牧山氏は、「CX1000」の最大の特徴として標準サイズの1ラックに38台の1Uサーバが実装できるという高密度タイプの収容能力をあげた。CX1000は、必要なスイッチユニット、電源タップ、巨大な冷却ファン(2台)も備えている。展示されているCX1000では、ラックの正面全体がすっきりと1Uサーバで埋まっている様子を見ることができる。
スイッチモジュールはケーブルの影になっているが、正面向かって右側に4台設置されている。収納されているのは、CX120 S1という専用の1Uサイズのサーバだ。CX120 S1はPRIMERGY RX200相当の性能(Xeon 5500、5600番台プロセッサ)をもち、SATAハードディスクは160GB×2と500GB×2のモデルがある。
38台という高密度を実現するとなると、まず気になるのは電源と熱対策だろう。CX1000は1台で、200V/14,000Wの電源供給能力をもっている。そして、各サーバユニットへの給電方法もユニークで、ACケーブルを必要としない。ラック側にCX120 S1のACプラグがそのまま差し込まれるレセプタクルがスロット位置に並んでいる。正面からサーバを差し込むとそのまま電源に接続されるというわけだ。また、スペース効率を考えて、CX1000にはサーバ挿入位置ごとのガイドレールも排除されている。両サイドから出ている薄い鉄板の仕切り板に乗せる形で、ACプラグと正面フランジのローレットねじで固定するのだが、ガイドレールがないので挿き抜しが簡単に行え、軽量化も図れているという。
熱対策はどうなっているかというと、まず前面吸気、上面排気というユニークなフローを採用している。前面吸気のため、CX120 S1のフロントパネルは通常のラックサーバの背面のようなアルミの六角形の穴が並んだパネルになっている。逆に背面側はACプラグを除きフラットなデザインだ。そして、上方へ空気を流すためラックの天井部分に巨大なファンが2台設置されている。上面排気のため、CX1000を背中合わせに密着させることも可能だ。背面排気の場合は、アイルごとにエアコンの冷気を送るコールドアイルと排気を集中させるホットアイルなどに分割することがあるが、CX1000ではホットアイルのための空間が必要ない。ホットアイルに相当する空間は、ラックの後ろ半分の何もない空間となる。そのため、CX120 S1は1Uながら奥行きはハーフサイズラックより少し大きいくらいのサイズになっている。
CX1000では、これらの様々な工夫により、従来のサーバラック製品より消費電力で13%、スペース効率で40%ほど性能が改善されているそうだ。富士通では、CX1000を次世代データセンターのサーバプラットフォームとして、iDC事業者やクラウドサービスプロバイダに展開していきたいという。
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