【富士通フォーラム2010(Vol.9)】商品開発力強化を支援――PCクラスタシステムによる高性能シミュレーション事例
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これまでの科学技術計算や解析では、性能を向上させるため、1台に多数のCPUとメモリを搭載できる大規模なサーバを使用していた。一方、PCクラスタシステムでは、小規模なサーバをネットワークで接続し、並列化することで、仮想的に1台のコンピュータとして利用する。ネットワークに接続するサーバを増やすことで高性能化し、さらなる実行時間の短縮が可能となる。また、サーバに専用のハードウェアではなく、普及率の高いPCサーバを使用することでシステム価格の低減を実行できるようになったという。
ブレードサーバ「PRIMERGY BX900」は、最新CPU「Intel Xeon 5500/5600」シリーズを搭載し、10U(約45cm)の高さに18枚のブレードユニットを搭載する高密度実装を実現している。8年前のスーパーコンピュータ(富士通製2002年発表モデル)2台分の性能をもつ高性能・高集約のブレードサーバだ。さらに、40Gbpsのスイッチブレード「InfiniBand」の利用により、アプリケーションの実行時間を大幅短縮できる。
展示デモでは、同一のCPUおよびメモリ構成のラックマウントサーバ×8ノード(Gigabit Ethernet)と、ブレードサーバ×8ノード(InfiniBand)において、同じ解析アプリケーションを同時に実行。両者の進捗をモニターで確認できる。デモで使用している解析アプリケーションの場合、前者で約2時間半かかるところを、後者は約半分の時間で処理できるという。実際にモニターで確認した時点では、それぞれ43.5%と79.7%の進捗状況であった。
「InfiniBand」は、ミッドプレーンに搭載し配線不要のため、シャーシ背面の配線はラックマウントサーバよりもすっきりとしている。なお、ラックマウントサーバに「InfiniBand」を搭載するには、外付け配線が必要になる。
さらに富士通のPCクラスタシステムの特長は、サーバと並列処理の実行に必要となるソフトウェアを組み合わせた「おすすめ構成」が用意されている点だ。従来、基盤ソフトを選定したり、ハードウェア+OS+基盤ソフトの組合せを動作確認したりと、導入前の必要手順が多かった。これを解決するために、富士通では検証済みのハードウェア/ソフトウェアスタック「Quick Start Suite」を用意、インフラ部分の整合性を意識することなく利用でき、さらに解析アプリケーションの動作情報、Suite構成をベースとしたベンチマーク情報も提供される。この「Quick Start Suite」には、OSSツールを利用した低コストなおすすめ構成も用意されている。
《柏木由美子》
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