【富士通フォーラム2010(Vol.14)】インフラ調達を6時間から10分に短縮――プライベートクラウドでリソース管理を効率化
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![「プライベート・クラウドの構築・運用[リソース管理]」ブース](/imgs/p/hDN4m_UJPEFczM0wl2KIHdtO9kFAQ0P9REdG/102967.jpg?vmode=default)
Resource Orchestratorは、仮想化技術を利用してサーバ、ストレージ、ネットワークといったICTリソースを一元管理し、プール化したリソース群から、業務システム構築に必要な分だけリソースを割り当てることで、リソース全体の有効活用とガバナンスを強化する製品だ。また、あらかじめリソースの組合せを定義したテンプレートを利用することで、リソース調達時間の大幅短縮も実現する。さらに、管理者による権限の分離、管理範囲の制約、ログ採取といったセキュリティ管理機能も提供されるため、セキュリティ管理についても一元化することができるという。
プラットフォーム技術本部 クラウドインフラセンターの小川大典氏に説明を聞いた。
ブース横には、同社のサーバシステムPRIMERGY BX900が用意され、ラック内には、VMware ESXサーバを導入したブレードサーバ3台、管理サーバ1台、ストレージシステムETERNUS、FCスイッチやネットワークスイッチなどが搭載され、さらにSPARC Enterpriseも1台収められている。これらのICTリソースは、Resource Orchestratorのエージェント機能により共通管理されており、すでにプール化されている。
ブースに設置されたノートPCから、Resource Orchestratorのマネージャ機能を使い、実際にリソースを調達してもらったが、その手順の少なさ、調達完了までの時間の短さは非常に印象的だ。調達してもらったリソースは、CPUがXeon 1GHz(シングルコア)、HDD容量が32GB、メモリ容量が2GB、OSがWindows Server 2003というスペック。デモ画面から目的のサーバスペックを定義したテンプレートを選択し、管理運用上必要な名前を付け、実行ボタンをクリックするという、わずか3ステップで調達が開始され、待つこと数分で調達が完了、仮想サーバが稼動し始めた。
物理サーバの調達では、こうはいかない。サーバハードウェアへのメモリやHDDのキッティング、OSのインストール、パッチの適用、インストール後の各種設定、ミドルウェアやアプリケーションの追加など、必要なものがすべて目の前にあったとしても、何かと時間がかかってしまう。小川氏の説明によれば、これまで物理サーバの調達では6時間かかっていたリードタイムが、Resource Orchestratorによる仮想サーバ調達ならば10分に短縮されるとのことだが、それもうなずける。
なお、テンプレートは標準提供のものが用意されるほか、カスタマイズも可能なため、利用環境に応じた柔軟な運用が行える。
仮想サーバが手軽に調達できるようになると、次に管理者を悩ませるのが、膨大な数のサーバの運用・管理だ。そこで小川氏に、運用管理ダッシュボード「Systemwalker Service Quality Coordinator」による仮想サーバの一元的な運用・管理のデモンストレーションも行ってもらった。同ソフトウェアを利用することで、稼働中のサーバのリソース状況を一元的にリアルタイムで監視することができる。ビューもカスタマイズ可能なため、管理者が必要とする情報のみを抽出することができるため、運用・管理の効率も大幅に向上しそうだ。また、Resource Orchestratorの各テンプレート別に、あと何台の仮想サーバが調達可能かも一覧できるなど、リソースプールの管理にも威力を発揮してくれる。
なお、Systemwalker Service Quality Coordinatorは、VMware上の仮想サーバだけでなく、Solaris Container上の各パーティションや物理サーバなども一元的にモニターできる。物理サーバ/仮想サーバの区別や特定の仮想化技術に依存しない製品として、幅広い環境で利用できるだろう。
《竹内充彦》
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