WiMAX端末の開発キット、その販売の狙いは? ――ソフィアシステムズ「Collage-WiMAX」
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●業務用WiMAX機器への需要を期待
Collage-WiMAXを企画した背景について、ソフィアシステムズ 営業部営業2G次長 飯田泰則氏は「弊社では、これまでもW-SIMや3Gの端末用の開発キットや携帯電話向けの評価ボードなど、通信系の組込み機器の製品ラインナップがありましたが、WiMAXの持つ移動体通信の機能やスペック上は有線LANにも匹敵する通信速度が可能なので、これからの組込み機器開発の将来性に着目しました」と語る。具体的には、デジタルサイネージ、電車などの交通機関の運行管理・制御・監視ネットワーク、トラックなどの物流システム、自治体との協力による介護・医療サービスのプラットフォーム、といった分野での機器開発に活用できるとのことだ。デジタルサイネージでは、固定された看板だけでなく、移動する電車やバス内部の広告端末にも双方向での情報交換が可能なシステムを構築することができる。また、介護や医療の分野では、WiMAXの高帯域通信を利用して、動画を含む画像処理機能を持つ機器や端末に応用できるだろう。
現状のWiMAXはサービスエリアの拡大途上であるため、コンシューマーよりも業務システムや業務端末などの組込み製品の開発需要に応えることから始める。
Collage-WiMAXの販売戦略についても話を聞いてみた。Collage-WiMAXは、ソフィアシステムズのその他の製品とともに市販されるが、おもに法人向けの販売で、WiMAXモジュールを供給してくれる住友電工ネットワークスやUQコミュニケーションズとも連携をとりながら営業活動を展開していく。また、WiMAX対応の組込み機器を開発するベンダーが、Collage-WiMAXをベースに開発するプロトタイプの作成、あるいは製品開発そのものをソフィアシステムズが受託することも可能(飯田氏)。つまり、組込み機器の開発ノウハウがないような会社でも、WiMAXを使ってこのような機能を持つ製品や端末を開発したい、と要件だけ伝えれば、設計・開発・製品化までソフィアシステムズに丸投げすることも可能ということだ。
●Android版の展開も視野に
Collage-WiMAXには大型(WSVGA)のタッチパネル液晶が搭載されている。周辺装置もSDスロット、USB、イーサネット、シリアルポート、SATA、オーディオ入出力、DVI出力など非常に豊富なインターフェイスを備えている。業務端末の世界も動画やグラフィックスなどリッチUI化が進んでいるが、これらの装備は、スマートフォンやデジタルテレビ、情報家電などの開発にも対応できるものだ。
開発部 開発2課 課長 保坂一宏氏によれば、現在はLinuxに対応しているが、近い将来にはAndroidにも対応する予定とのこと。インフラや市場の形成とともに、このようなコンシューマ機器の開発にも使ってもらえるのでは、とのことだ。なお、UQコミュニケーションズによれば、2012年度末までに人口カバー率を90%以上まで達成させる計画となっている。コンシューマ製品への展開も意外と早いかもしれない。
Android版のCollage-WiMAXがリリースされれば、3G+WiMAXといったデュアルモードのスマートフォンの開発などに利用できるだろう。なお、外付けのオプション周辺装置については、Felica、Wi-Fiなどのモジュールをリリースする予定もあるという。Felica対応できれば、自動販売機やコンビニなどのキオスク端末などへの応用も広がる。
●即開発+柔軟性も兼ね備えた開発キット
最後に、Collage-WiMAXの開発キットとしての特徴を質問したところ、「Collage-WiMAXは、通信モジュールには住友電工ネットワークスのSWiMを利用しているので、通信部分の動作が最初から安定しており、安心して利用できるので、WiMAX対応製品の開発工数低減につながります。日本国内では、このようなWiMAXの開発キットはまだ少ないはずです(飯田氏)」と答えてくれた。
ハードウェア的な特徴については、「Collage-WiMAXは、多数のインターフェイスや拡張コネクタを装備しているので、さまざまな製品の要求仕様に耐える開発ボードとして利用できます。プロセッサには、FreeScaleのi.MX51というシリーズの中ではハイエンドな機種を使っていますが、消費電力が少ないのもポイントです。そして、当然弊社のJTAGエミュレータであるEJSCATTも接続可能ですので、アプリケーションだけでなく独自のドライバを開発したい、独自の周辺装置を実装したい、といった要求にも応えることができます」(保坂氏)と、拡張性と柔軟な開発環境を持っていることを強調してくれた。ソフィアシステムズとしては、WiMAX対応機器の市場や開発ニーズが高まれば、プロセッサもAtom、ARM、マーベルとチップごとのソリューションや開発キットを水平展開していきたいとの考えもあるそうだ。
2010年末には、LTEのサービスもスタートするといわれている。LTEは、携帯電話網を利用するのでカバーエリアの問題は少ないとはいいながら、実効速度やパフォーマンスで懸念する向きもある。音声サービスや一般的なパケットと回線を共有するので、スペックスピードと実効速度の差が大きいのではないか、という理由からだ。これに対してWiMAXは、データ通信専用というメリットがある。また、コンシューマ向けのモバイルWiMAXの他、ケーブル局が事業展開する固定系通信の地域WiMAXやバックボーン回線としての利用など、B2Bネットワークへの利用も期待されている。今後のWiMAX製品やソリューション市場にとってCollage-WiMAXのような開発キットは重要なコンポーネントとなるだろう。
《RBB TODAY》
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