日本IBM、GPGPUを活用したHPC環境の提供を開始……大量データの並列処理向けクラウド | RBB TODAY

日本IBM、GPGPUを活用したHPC環境の提供を開始……大量データの並列処理向けクラウド

エンタープライズ ハードウェア
dx360 M3 GPGPU構成例
dx360 M3 GPGPU構成例 全 1 枚
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 日本IBMは11月2日、ハイ・パフォーマンス・コンピューティング(HPC)環境を提供するクラウド・サービス「IBM Computing on Demand」の品揃えを拡充し、大量データの並列処理に優れたHPC環境を提供するサービスを開始した。

 このサービスは、画像処理向け補助演算装置(GPU)を汎用化した「General-Purpose GPU(GPGPU)」を活用したもの。CPUに比べて演算コアを多く搭載し、大量データの並列処理に優れたGPGPUは、画像処理だけでなく、金融リスク計算や医用画像のリアルタイム処理、物理シミュレーションなど、さまざまな分野のアプリケーションに対応し、処理の高速化を支援するものとなっている。世界の高性能コンピュータをランク付けする「TOP500」の2010年6月のリストでは、GPGPUを活用したスーパーコンピュータが2位になっている。

 新サービスでは、448個の演算コアを搭載したGPGPU2個を最小単位とし、1週間以上1日単位の期間で利用できる。新サービスの基盤は、省スペースと高い冷却効率による低消費電力を実現する「IBM System x iDataPlex dx360 M3」で、1サーバあたり2個のGPGPUが搭載されている。GPGPU2個の環境でも、1TFLOPS(テラ・フロップス: 1秒間に1兆回の浮動小数点数演算)を超える処理能力を備えており、4台(8個)のGPGPUを利用した場合、4.12TFLOPSの処理能力が発揮される見込み。使用料金は160万円(税別)からで、112個のCPUによるIBM Computing on Demandと処理能力は同等だが、料金は約60%低価格となる。

 「IBM Computing on Demand」は、IBMのデータセンターに設置され、HPC向けに構成されたサーバおよびストレージを高いセキュリティーで保護されたネットワークを介して利用できるクラウド・サービス。顧客側は必要なソフトウェアをインストールし、イントラネット上の資源として管理でき、HPCが活用される複雑な分析や高度な設計、シミュレーションなどのアプリケーションが利用可能。初めてGPGPUを活用する場合、既存のCPUベースのHPCアプリケーションをGPGPU向けに最適化する必要があるが、スーパーコンピュータ向けアプリケーションの開発エンジニアによる「IBM超並列技術支援サービス」により、アプリケーション移行のアセスメントや作業支援、全作業の請け負いサービスなどを同社が提供する。

《冨岡晶》

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