電子カルテ、2014年には1千億円超の市場に……シード・プランニング調べ | RBB TODAY

電子カルテ、2014年には1千億円超の市場に……シード・プランニング調べ

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電子カルテ市場の推移予測(シード・プランニング作成)
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 シード・プランニングは13日、電子カルテとPACS(医用画像ネットワークシステム)に関する調査を行い、その結果を公表した。

 1999年4月に厚生省(現厚生労働省)が電子カルテを認め、2001年の貸付金制度、2002年の補助金制度により電子カルテ市場が立ち上がった。シード・プランニングでは電子カルテ、さらにPACS市場を対象に対象領域ごとに調査を行った。

 まず病院向け市場においては、2009年の電子カルテ普及率は推定20.7%。827施設ある大規模病院(400床以上)での普及率は高いが、今後納入の伸びが期待されるのは、4,581施設ある中規模病院(100~399床)とのこと。景気の影響もあり成長率の緩急はあるが、医療情報化の流れは止まらず、市場は伸びると調査では予測しており、今後、市場規模900億円~1,200億円、納入数350~500件で推移すると予測された。初期に電子カルテを納入した病院のリプレース需要も期待できるとのこと。

 診療所向け市場においては、2009年の電子カルテ普及率は推定16.5%。新規開業の約70%(都市部ではほぼ100%)が電子カルテを導入しているという。「2009年度医療施設等設備整備費助成金」が実施され、2009年下期から2010年上期にかけて、既存診療所の電子カルテ導入にはずみがついた。今後は全国10万施設の既存診療所のうち未導入の8万5千施設がターゲットとなるとともに、眼科、精神科向け等の診療科別製品も期待できるため、順調に市場は伸びる見込み。この結果、市場規模110~140億円、納入数3,200~4,000件で推移すると予測された。

 歯科診療所向け市場(レセコン含む)においては、2009年の電子カルテ・レセコン導入率は約84.4%(約57,500施設)と推定。新規開業の歯科診療所ではほぼ100%導入されているため、それほど大きな幅はない。今後の市場は、未導入の既存診療所とリプレース需要等になり、毎年2,700~3,000件前後の納入が見込まれるという。

 PACS(医用画像ネットワークシステム)は、2009年のPACS市場規模は485億円。2008年診療報酬改訂のフィルムレス加算の影響で2008年下期から病院・診療所ともに急速に市場が拡大し、2009年も好影響が続いた。今後市場は500億円規模で推移し、2011年頃に新規案件のピークを迎え、522億円の市場に。2012年以降はリプレース需要が中心となる。2012年頃までに大病院に行き渡り、診療所ではX線撮影装置を保有する約6割(約15,000施設)がターゲットとなると同調査では予測している。

《冨岡晶》

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