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出展者・来場者の増加で会場が次第に手狭になる中、GSMAでは現在2013年以降のMobile World Congress開催地の選定にあたっている。バルセロナでの開催を継続する選択肢のほか、ミラノ、ミュンヘン、パリの各都市が候補地として挙がっているが、GSMAはこれらの都市を単にMobile World Congressの開催地とするだけでなく、「Mobile World Capital」と銘打つモバイル産業の象徴的都市としていく構想を明らかにしている。
現在のMobile World Congressは業界関係者のみを対象としたクローズドなイベントだが、業界が通信事業者と通信機器ベンダーを中心に形成されていた時代は終わり、アプリ、コンテンツ、クラウドなど、コンピューターやインターネットの世界からやってきた新たなプレイヤーがむしろ注目を集める状況となっている。従来であれば多くの一般コンシューマーが関心を寄せることはまず考えられないイベントだったが、ここ数年はどのIT情報媒体もMobile World Congressでの各社の発表を大きく取り上げており、ユーザーの関心も高い。
Mobile World Capitalの設置以降、GSMAではMobile World Congressとは別に一般ユーザーも対象としたイベント「Mobile World Festival」の開催を検討している。具体的な内容は未定だが、コンシューマー向けのコンテンツやアプリケーションをメインに据え、より“お祭り”感の高い催しとなるものと考えられる。また、Mobile World Capital都市には、事務局機能を兼ねた常設の施設「Mobile World Centre」を設置し、各種モバイル関連イベントの会場として利用するほか、一定のミュージアム機能を持たせるといった構想も含まれている。
モバイル関連の世界イベントを開催することは経済的にも大きな波及効果をもたらすため、各都市とも誘致には積極的な姿勢を見せている。GSMAでは今年半ばにもMobile World Capital都市の最終決定を行う予定。
《日高彰》
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