【Wireless Japan 2011(Vol.10)】スマートタップで消費電力を可視化し、電力の無駄遣いを防止
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
東日本大震災以来、電力の節電が叫ばれている。今後、企業のみならず、一般家庭でも小まめな節電の心がけが重要になってくるだろう。NTTドコモでは、震災以前から環境エコロジー事業に参入しており、その切り口として省エネに関する取り組みにも積極的だ。今回の展示会で出展していた「スマートタップ」も、このような開発成果の1つで、家庭のコンセントにつなぐだけで家電製品の電力使用量を「見える化」できる省エネのサポートサービスだ。
実は、このような電力監視システムは従来から他社でも発売されていた。しかし、高価な専用ハードウェアを用意したり、監視用サーバーを構築したり、面倒な配線工事をしたりと、手間と導入コストがかかっていた。そのため特に既設住宅や賃貸住宅でも、なかなか導入に踏み切れないというのが実情だった。
NTTドコモのブースで出展されているスマートタップは、これだけあれば家電製品の電力使用量の計測がすぐに始められるという手軽さが特徴。「スマートタップならば、面倒な配線工事は不要。宅内にトランスレーター(中継器)を設置し、家電製品のプラグをスマートタップを介してコンセントにつなぐだけで、コンセント単位で電力の“見える化”を実現できます」と説明するのは、NTTドコモ フロンティアサービス部 環境事業推進 エコロジービジネス担当 主査の佐藤豪氏だ。
具体的な機器構成は、電源側に差し込むスマートタップと、ワイヤレス対応トランスレーターのセット。スマートタップをコンセントごとに接続して、複数の電力使用量データを計測し、それを特定小電力無線(Z-Wave)でトランスレーターに送る仕組みだ。トランスレーター側で受けた各家電の使用電力データは、インターネット経由でサーバ側に蓄積される。
これらの計測データは、PCやケータイからサーバにアクセスして、いつでもどこでも確認が行える。たとえば「月・週・日ごとの利用傾向の分析」によって、各家電の使用電力のトレンドを分かりやすくグラフで表示し、省エネ・節電の取り組みを支援することが可能だ。気になる家電製品の「電力の目標値」を設定したり、「電気料金の表示」もできる。ユーザーは具体的な数値によって電力の無駄遣いをチェックでき、節電の励みになる。
また展示ブースでは、制御機能付きのスマートタップも参考出展として紹介されていた。これは、スマートタップに接続している家電製品への通電をオンオフできる機能を追加したもの。「たとえば家電製品の消し忘れや、帰宅前の電気の点灯などを遠隔コントロールできます」(佐藤氏)という。展示会では、実際にケータイから電気の消灯を制御するデモを実施していた。今後、環境への配慮はもちろん、よりいっそうの電力節約のために、ドコモのスマートタップが効果的な省エネ行動を促進するツールとして活躍するだろう。
《RBB TODAY》
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