同研究機構のブースではそのデモ展示が行われていた。スマートワイヤレス研究室主任研究員 工学博士の児島史秀氏によると、無線機の特徴は定期的にスリープ状態になること。例えば100分のうち99分は電源が切れている状態だ。「電力メーターの場合は常に給電ができるが、ガスの場合は電池を入れ、その電池で10年はもたせたいという要望がある。10年ごとにガスメーターがモデルチェンジするため、極力電気をくわない無線機が望まれている」と話す。実証実験では直径1kmのエリアで、マルチホップを含めほぼデータを集めることができるという結果がでているという。なお、集合住宅の各部屋にメーターが設置されている場合には廊下を中継するような実験も他社で進められている。
無線機はきょう体の高さが約20cmで950MHz帯のホイップアンテナを装備。前述のようにビーコン信号送信を定期的に休止し、アクティブ期間を短縮した省電力型MAC方式を採用していた。「特定のエリアに対してマルチホップも入れながら、高速でも大量でもなく、比較的発生頻度の少ないデータを効率良く集める、かつ低消費電力、長期間にわたってモニターする」という用途に向いている。そのため、用途はガスや電気メーターに限らない。ブースでは放射線量計を無線機に読み取り、解析結果を表示するデモも行われていた。