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◆プローブ&VICS交通情報でさらに渋滞対応を強化
オペレーターサービス以外でG-BOOKと連携できる機能としては、目的地検索がある。SmartG-BOOKにはスポット検索という機能があり、この機能で見つけた地点をG-BOOK全力案内ナビに転送できるようになっているのだ。ほかに登録した地点情報やルート情報を共有できる機能があるが、これは車載ナビのG-BOOKとG-BOOK全力案内ナビの両方を使っているユーザー向けの機能と考えるべきだろう。
では、G-BOOK全力案内ナビの基本性能はどうか。これは従来の全力案内ナビと全く同じと考えていい。もともとシンプルさを身上とするアプリなので、交差点やICやJCTの拡大イラスト表示機能は持たず、ルート検索にしても複数ルートを同時検索するといったことはできない。ルート検索の条件も高速道路を使うか使わないかの設定しかない。これだけを見ると物足りなさを感じる人もいるだろう。
しかし、G-BOOK全力案内ナビには、基本性能のシンプルさを補って余りある独自の機能がある。まずプローブ交通情報。これは全国のタクシーをプローブとして使うことで、独自の渋滞情報を提供するサービスだ。VICSが比較的に大きな道路しか対象にしていないのに対し、プローブ交通情報は裏道の渋滞まで表示してくれる。特に都心部で威力を発揮する機能だ。もちろん、ルート検索は渋滞回避検索となっており、到着時間も渋滞を考慮したものだ。
◆オプションで8つの機能が一気に追加される。
プレミアムオプションを購入すると、8つの機能が一気に追加される。価格が特に高いわけではないので、このオプションはぜひとも購入をお勧めしたい。8つの機能の内訳は、VICS交通情報や交差点拡大表示など。中でも特筆するべきなのはオービスお知らせ機能だ。
その名の通り、これはオービスへの接近を警告してくれる機能。具体的には、オービスを通過するルートを設定して走行すると、オービスの手前2kmで「注意して走行してください」といった音声アナウンスが流れ、画面上に目立つ赤い警告が表示される。アナウンスはアラームに変更可能だ。
この機能が優れているのは、反対車線のオービスには反応しないこと。また、オービスに近づいても、その手前で右左折するルートであればやはり警告を発しない。オービス警告ができるカーナビはほかにもあるが、ここまで完成度が高いものは珍しい。
ほかに目立つ機能としては、画面分割による交差点拡大機能と交差点名読み上げ機能がある。どちらもナビのわかりやすさを確実にアップしてくれる機能だ。ただし、交差点拡大機能は横画面にしていないと表示されない。これは気づきにくいので注意したい。
ところで、VICS交通情報とプローブ交通情報は「渋滞情報」という点で同じ機能が重複しているように見えるが、両者は得意分野が違うので併用するメリットがあるのだ。タクシーをプローブとして使うプローブ交通情報は都心部に強いが、タクシーがあまり走っていない郊外には弱い。しかし、VICSは幹線道路であれば郊外も網羅しているため、プローブ交通情報の弱点を補ってくれる。
◆パソコンとの連携機能も充実
パソコンとの連携機能が充実しているのもG-BOOK全力案内ナビの特徴だ。パソコン向けサイトが用意されており、アプリで取得したID、パスワードでログインできる。このサイトでは地点検索、My地点の登録や編集、ルート検索といった一般的な機能に加えて、走行軌跡の表示も可能だ。
ルート検索はアプリよりも細かく条件設定をすることができ、アプリでは非常に分かりにくい経由地の設定も簡単にできる。また、出発時刻を設定して、渋滞を考慮した所要時間の予想を見ることも可能。検索したルートはMyルートとして登録しておくこともできる。
また、このWebサイトでは、現在「通れた道路」の情報を提供している。これは、全力案内ナビとG-BOOK全力案内ナビ、及びスマートフォンアプリの「通れた道路」の走行データを集約し、3月11日以降に走行できた東日本地震の被災地の道路を表示するというものだ。地元の人だけでなくボランティアなどで被災地を訪れる人にも役に立つだろう。
Webサイトとは別に、パソコンと連携したユニークな機能が、移動軌跡の送信機能だ。これは、1日の走行データをKMZというフォーマットのファイルで指定した宛先にメール送信する機能。例えばGoogleアースがインストールされているパソコンにKMZファイルを送信し、そのファイルをダブルクリックすると、Googleアースに走行軌跡が赤いラインで表示される。ドライブや旅行の記録に最適だ。
iPhoneのみならずAndroidにも対応し、au向けではau oneマーケットでの月額決済(月額263円)がスタートするなど、利用の敷居も着実に引き下げられたG-BOOK全力案内ナビ。本格カーナビを超える渋滞情報とオペレーターサービスというキラーコンテンツを揃えた本アプリは、電話+通信機能+タッチパネルUIが一体化したスマートフォンの特性を最大限に活かしているといえるだろう。
《山田正昭@レスポンス》
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