モバイルデバイス対応と解析機能で他社電子ブックと差別化……スターティアラボ ActiBook | RBB TODAY

モバイルデバイス対応と解析機能で他社電子ブックと差別化……スターティアラボ ActiBook

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IGAS2011 スターティアラボブース
IGAS2011 スターティアラボブース 全 10 枚
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 16日から21日の7日間、東京ビッグサイトにおいて最新の印刷・紙工・デジタルグラフィックスの機材や技術などを集めた国際総合印刷機材展「IGAS」が開催中だ。ここでは展示ブースの中からスターティアラボで紹介されていた電子ブック作成ソフト「ActiBook」についてフォーカスしたい。

 ActiBookは、現在310社以上の出版・印刷関係で採用されており、他社業界も含めると1160社以上の導入実績を誇る電子ブック作成ソフトである。PDF形式からFLASH形式の電子ブックを作成できる手軽さが売りで、最終的に電子ブック化する際にはワンソース・マルチデバイス対応により、PCのほかにiPhone/iPad/Androidといった各種デバイスへの最適な出力も可能。ActiBookでつくられた電子ブックは、音声・動画ファイルの再生、サムネイル・インデックスの表示、リンク設定(URL/動画/音声/ページ)、文字検索、付箋メモなどの多彩な機能をサポートし、表現力豊かなデジタル・コンテンツとして活用できる。

 しかし、ActiBookは単なる電子ブックのオーサリングツールというわけではない。「文書管理」や「情報共有ツール」としての機能も大きな特徴の1つだ。手書きペンでコンテンツにマーカー情報を加え、各ページのURLをメールやTwitterなどを通じて他ユーザーと共有できるのだ。さらに今回の展示では、ActiBookのアップデートが行われており、それが目玉の機能として強調されていた。

 たとえばActiBookでは共有機能のほかに、ユニークな「ログ解析機能」をサポートしている。これは「Google Analytics」と連動することで、ユーザーのさまざまな行動を分析できる機能だ。各ページの離脱率や、新規ユーザーとリピータの比率、各種デバイスからのアクセス数、ページの滞在時間(閲覧時間)、地域別の閲覧数、拡大/縮小された各ページ数、リンクへのクリック数などが分かる。本機能は、従来まではPC閲覧のみに対応するものだったが、新規にiOS閲覧にも対応するようになった。iOS側ではダウンロード済みの電子ブックのログ解析も可能だ。通信が途切れていても、通信できる状態になった段階で情報を送信する。

 Google Analyticsと連動した電子ブックの解析がiOSでも行えるようになったメリットについて、スターティアラボの木村愛氏(Webソリューション事業部営業部2課リーダー)は次のように語る。「現場の営業担当者がiPadを持って電子カタログでお客様に売り込みをかけたとします。もしログ解析の結果によって、成績の良い営業担当者が特定ページを頻繁に使っており、その一方で成績が芳しくない営業担当者が特定ページを飛ばしていたという事実が分かれば、そこで特定ページの有用性が分かります。この特定ページの内容をより充実させて他の営業にも使ってもらえば、成績の向上が期待できるようになります」

 一方、特定ページの内容は電子ブックだけでなく、紙媒体側にも反映できるだろう。デジタル化してログ解析することで、コンテンツがどのように利用されているのかを把握し、その結果を紙側へも反映させられる。すなわち「デジタルとアナログの良い循環」を構築できるわけだ。また、よく読むページにリンクを張って、商品サイトに飛ばす「導線」を仕掛ければ、広告の効果測定で明確な結果が現れやすいだろう。

 木村氏は「電子ブックのメリットを最大限に活かした提案をできる点がスターティアラボの最大の強みです」と胸を張る。たとえば、ある企業では「電子ブックは不要だから」と言われたが、ActiBookによって電子ブック化するメリットとして「切り抜きツール」の利用を挙げて提案したそうだ。電子ブックから写真を任意のサイズで切り抜いて活用することで、低解像度から高解像度までの写真を即座に切り出せるため、業務効率の改善につながったという。またカタログをデータベース化する予算がない企業に対して、電子ブックにすることで検索性に優れた営業ツールに変身させることができると説得している。

 このように電子ブックは、単に紙のコンテンツを電子的にコンバートするのではないことが分かる。あるときは強力なマーケティングツールになり、あるときは業務改善ツールになり、そして紙へフィードバックすることで双方のメディアを互いに強化するシナジー効果も得られるわけだ。電子ブック市場はまだ緒についたばかりだが、今後スターティアラボが薦めるような新しい活用法がユーザーに浸透していけば、市場の拡大がいっそう加速するかもしれない。

《井上猛雄》

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