【CEATEC 2011(Vol.16)】ムラタセイサク君の技術を電動歩行アシストカーに応用……村田製作所
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本機は、同社の組織横断型新規事業創出活動「MIRAI活動」(組織の枠にとらわれず、さまざまな部門の有志が集まって、新規事業の種を見つける活動)のアイデアから生まれたものだという。
参考展示されていた電動歩行アシストカーは、 ロボット自身が傾きを検知し、倒れる方向へ移動することで、バランスを制御して転倒を防ぐ「倒立振子」の制御技術を応用したものだ。「ムラタセイサク君」「ムラタセイコちゃん」の場合は、本技術に加えて、横方向(左右)からも倒れないようにする「リアクションホイール」が付いているが、本機にはこのような部品は付いていない。同社の久保昌幸氏(技術・事業開発本部)は、「ムラタセイサク君セイコちゃんよりも技術的には簡単なものです。今回の参考出展は、我々の技術を単にPRするだけでなく、実際にヒトに対しても使える技術になるように開発したものです」と語る。
本機に内蔵されているジャイロセンサー(傾きや曲がりの変化を検知。カメラの手ぶれ補正やカーナビの方向検知などに使われる )で傾きを検知し、先読み動作によって駆動系をうまく制御することで常にバランスを保ちながら、利用者の転倒を防止する形だ。センサー類など各種電子デバイスのほとんどは、同社の製品を使っているという。
さらにこの制御方式を使うと、電動モーターで力を補助する「パワーアシスト」の機能も利用できる。本体を軽く押す、あるいは引くだけで、簡単に前進や後進に動き出す。そのため荷物の運搬や上り坂歩行時の補助が可能になる。たとえば足腰の弱いお年寄りのための福祉用具としてシルバーカーに使ったり、ベビーカーやショッピングカートなど重い物を運搬するようなシーンでの活用が期待できるという。
久保氏は「まだ試作機なので、パワーも搭載できる容量もそれほど大きくはりありませんが、将来的に10kgから20kgぐらいの物を載せて運べるようにしたい」と抱負を述べた。同社では、これからもムラタセイサク君やムラタセイコちゃんで培った技術を「ヒト」の役に立つ技術へ応用・展開していく方針だ。
《井上猛雄》
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