福島第一原子力発電所では、放射能を取り除いた滞留水から塩分を取り除き、原子炉冷却用の淡水を生成する作業をおこなっている。この作業をおこなうことで、原子炉注水による新たな滞留水の発生を抑制することができるという。
塩分の除去は機器の腐食を抑制することを目的に行われているが、同原発では「逆浸透幕(RO)」から「蒸発縮能」への工程を経て処理される。RO方式は、水を通し、異音や塩類など水以外の不純物は通さない逆浸透幕の性質を利用したものだ。ここで濃縮された塩水は、加熱蒸発させ、凝縮水(炭水)と濃縮廃液に分離する。ROは一日あたり1800立方メートルまで、蒸発濃縮方式は一日あたり750立方メートルまでの処理が可能。
東京電力では、10月末までにおよそ14万立方メートルの滞留水から約6万立方メートルの淡水を生成したと報告している。