今回、上りの変調方式に64QAM(直角位相振幅変調:Quadrature Amplitude Modulation )を導入。電波環境に合わせて電波環境の良好な場所でのスループット向上が見込めるという。これまでは16QAMで1回の信号(シンボル)に付き4bitの情報伝達だったが、64QAMの導入により1シンボル当たり6bitの伝送が可能になったため、従来比で1.5倍の効率を実現した。同社の実測テストによれば、上り14Mbps程度は安定して出るという。
また、この4月に電波法が改正されて送信出力とアンテナ利得(電波の入出力に加えられるアンテナの増幅能力)のアップが図られた。これにより通信圏の境目である超弱電界での接続性が向上すると共に、電波の弱い弱電解でもスループットが向上する。
このほか基地局当たりの通信圏を拡大する無線再送技術の一種「HARQ(L1再送)」の採用、ハンドオーバー時の速度劣化を抑制する「ハンドオーバーDL保護機能」、モバイル端末向けに通信アイドル時のパケットチェックのタイミングを柔軟に変化させてバッテリーの消耗を抑えるページングサイクルのダイナミック化などの技術を紹介。
スケジュールとしては、アップロード64QAMのサービス開始は2012年1月、基地局の送信出力向上とページングサイクルのダイナミック化は年内より順次、そして「HARQ(L1再送)」や「ハンドオーバーDL保護機能」については2012年の4月〜6月頃を見込んでいるという。また2013年の4〜6月に運用開始を目指している「WiMAX2」においても、これらの通信品質改善機能は互換性を持たせるという。