【スマートフォン&タブレット2011冬】2012年はiPhone発表5周年……非連続の進化を続けるソフトバンク
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ソフトバンクのスマートフォンといえばiPhoneだが、羽田氏は、キャリアとしての同社は超高速インターネットをキーワードに、インフラにも力を入れていることを強調した。スマートフォン戦略において、どのキャリアも課題として取り組んでいることの筆頭に、トラフィックの問題がある。伝送方式そのものを高速・大容量化する施策と並行して、火急の対策としてはWi-Fiなどへのオフロードが期待されいている。
■スマートフォン戦略の要は超高速インターネット
ソフトバンクも例外ではなく、人気端末であるiPhoneを古くから扱っているキャリアとしてはインフラ整備は重要な問題である。そのため、ULTRA SPEEDというサービスを立ち上げたとする。
ULTRA SPEEDには、HSDPAを高速化したHSPA+による21Mbpsのスペックスピードのサービスと、HSPA+を二重化したDC-HSDPAによる42Mbpsのスペックスピードのサービスの2種類がある。さらに、ULTRA WiFi 4Gでは110Mbpsというサービスも用意している。ULTRA WiFi 4Gは、AXGPという2.5GHz帯を利用した高速移動体通信を利用した、モバイルブロードバンドルータである。
AXGPは、UQとともにウィルコムが総務省から割り当てられた帯域を利用したサービスで、ウィルコムを完全子会社化したソフトバンクに引き継がれたものだ。羽田氏は、AXGPはスマートフォンのオフロード回線の切り札となるものであり、2012年3月には主要都市部をカバーし、翌年3月までには人口カバー率で92%を達成すべく基地局の整備などを進めているという。
■端末のスマートフォン化戦略
ソフトバンクのスマートフォン戦略のうち、インフラ部分は超高速インターネット回線の整備とのことだが、端末の戦略はどうなっているのだろうか。羽田氏は、2011年にソフトバンクが発表した新機種のうちスマートフォンの比率は92%であり、ドコモの60%、KDDIの43%を大幅に上回っており、日本のキャリアのうち最もスマートフォン化を進めているキャリアであるとした。
2011年の秋冬モデルでは、ULTRA SPEEDに対応し、デュアルコアのプロセッサを搭載した各種の国産スマートフォンを充実させ、また、子会社となったウィルコムの人気機種だったHONEY BEEもスマートフォン版も発売している。HONEY BEEは女子高生ユーザーを意識したデザインや機能を搭載した異色のスマートフォンだ。
■今後の展開は?
以上のように2011年のスマートフォン戦略を振り返った羽田氏は、2012年以降の戦略を述べるにあたって、まずこれまでの携帯電話市場の変化を次のように分析した。
携帯電話の進化を遡ってみると、1999年にブラウザの搭載とディスプレイのカラ―化が起きたという。翌年の2000年にはカメラ機能を搭載した機種が発売された。2001年に携帯電話向けJavaアプリが普及し、2002年はディスプレイのQVGA化が大きなトピックだった。2003年はフェリカ機能とGPS機能が搭載され始めた年だという。2005年にラジオチューナー搭載モデルが発売され、2006年はワンセグ搭載が進んだ。
羽田氏は、この2006年の時点でハードウェア的な機能はほぼ出そろったという。そして2007年にiPhoneが発売され、スマートフォンの歴史が始まったわけだが、ハードウェア的な要素技術がほぼそろったことで、そこからの進化はこれまでと非連続なものになるだろうとした。
例えば、スマートフォンのはPCやテレビ、携帯電話の垣根をなくし、ビジネスの現場ではPCは必要でなくなった。ソフトバンクでは、節電という理由もあり、PCの使用を禁止する時間があるそうだが、それでも困る人はいないという。また、コンテンツはテレビ向け、PC向け、携帯電話向けと別々に存在していたが、クラウドの普及やスマートフォンの普及は、ひとつのコンテンツに対して、テレビ、PC、スマートフォン、タブレットとデバイスに関係なくアクセスできるようにする。そして、インターネットが高速、大容量化に対応することで、ネット上のアプリケーションやサービスがますます使いやすくなっている。
したがって、スマートフォン誕生から5周年となる2012年は、以前のテクノロジーの進歩の流れの延長ではない、非連続な変化に対応するためのスマートフォン戦略を展開する必要があるした。
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