スペック値と実効速度に大きなかい離、最速は「UQ WiMAX」……MMD、「モバイルインターネットサービス実態調査」
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同調査は、昨年のNTTドコモ「Xi(クロッシィ)」を皮切りに、今年2月24日にはソフトバンク「ULTRA Wi-Fi 4G」、3月15日にはイー・モバイル「EMOBILE LTE」が開始され、モバイルブロードバンド通信市場の競争が激化してきたことを受けて行われたもの。各社が提供しているサービススペックの比較に加え、全国主要都市での実効速度を計測することで、各サービスの実態把握を行った。
■スペック値と実効速度のかい離が目立つ…全国的に最速は「UQ WiMAX」
それによると、まず実効速度については、「ソフトバンク ULTRA Wi-Fi 4G」「UQ WiMAX」の2つが際立つ結果となった。この両者は拮抗していたものの、全国的にもっとも安定感があったのは「UQ WiMAX」で、最高では下り26.5Mbpsを計測した。「ソフトバンク Wi-Fi 4G」は、都市部の建物が林立している場所や半地下のような場所では3Gもしくは圏外になるなど、不安定となる場面があったという。
NTTドコモ「Xi」は、安定した通信を行える一方で、実効速度でやや物足りなさがあり、「EMOBILE LTE」についても実効速度の物足りなさが目立つ結果となった。「ソフトバンク Wi-Fi 4G」に関してもそうだが、この3サービスについては特に、スペック値と実効速度のかい離が気になる結果となっている。
■高速エリアカバー率/利用制限の有無
MMD研究所では、各社の発表をもとに高速エリアカバー率、利用制限、料金プランについてもまとめている。
それによると、高速エリアカバー率は、「Xi」が全国25%、「ULTRA Wi-Fi 4G」が全国主要都市のみ、「UQ WiMAX」が全国80%、「EMOBILE LTE」が全国40%となっている。ここでも「UQ WiMAX」の数値が際立っているが、一方、他キャリアのサービスでは従来の3G回線も利用できるというメリットがある。
通信速度の高速化ばかりが注目されるが、大容量のデータを満足に送受信するためには、利用制限の有無も重要になる。現状、「Xi」と「ULTRA Wi-Fi 4G」、「EMOBILE LTE」では、当日ごとや、直近3日間ごとにパケット通信量の上限を設けており、それを超えた場合通信速度が制限される。また今後は月単位で通信量の上限が設けられ、上限を超えた場合は当月末まで通信速度が制限されるようになっていく見込み。
■まだエリア整備が進んでいない状況での2年縛りに懸念も
各社の料金プランを比較すると、「UQ WiMAX」「EMOBILE LTE」が月額3,880円で最安となっている。また、契約期間については、「UQ WiMAX」のみ1年契約で、その他3社のサービスは全て、いわゆる2年契約縛りが適用されている。各社、今後更に高速なサービスの導入が検討され、また、エリア整備も中々進んでいない中で、現状のサービスに2年縛りが適用されるのは、ユーザーにとっては悩ましいところだろう。
同調査は、首都圏/北海道/東北/中部/関西/中国/九州の計22ヵ所で実施。使用されたWi-Fiルーター端末は、NTTドコモ「Xi」についてはL-09C、ソフトバンク「ULTRA WiFi 4G」については「SoftBank 101SI」、イー・モバイル「EMOBILE LTE」については「Pocket WiFi LTE(GL01P)」、UQ WiMAX「WiMAX」については「AtermWM3600R」。
上記端末のスペックに関して、連続使用時間はWiMAX「AtermWM3600R」が10時間で最長、連続待受時間は、Xi「L-09C」が210時間で最長。また、厚さについてはWiMAX「AtermWM3600R」が12.8mmで最薄、重さはULTRA WiFi 4G「SoftBank 101SI」とWiMAX「AtermWM3600R」が110gで最軽量となっている。
《白石 雄太》
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